TOEFL ライティング対策!本当に使えるテンプレートも紹介

「TOEFLの​​ライティング問題で、指定された文字数の英文が書けない」
「TOEFLライティングの点数が伸び悩んでいる」
「TOEFLライティングをどうやって対策したらいいのかわからない」

TOEFL iBTのライティングは悩みが尽きないパートですよね。

TOEFL iBTのライティングといえば、4つのセクションがあるTOEFLの中で最後の問題。

このライティングは何時間も英語に向き合ったあとに、短い時間の中で500語近く書く、かなりきついセクションです。

普段から英語の長文ライティングに慣れていなかったり、苦手意識のある方はしっかり対策しておきたいところです。

「でもライティングの勉強を自分一人でやるのは難しそう……」 そんなお悩みをこの記事では解決していきます!

ArisaArisa

TOEFL100点を超えたことがある、わたしの経験をもとにライティング対策方法を紹介します。まずは問題形式から、ライティングでおさえておきたい重要事項をわかりやすく解説。そしておすすめの勉強法から、試験で使えるテンプレートまで、実践的な内容を紹介するのでぜひ参考にしてください。

TOEFL ライティングの問題形式

まずTOEFLのライティングの問題形式を確認していきましょう。

このセクションはIntegrated Task(20分)Independent Task(30分)の2種類に別れており、制限時間は合計50分です。

それぞれの出題形式を詳しくみていきましょう。

Integrated Task

Integrated Taskはまずパッセージを読み、それについてのリスニングを聞き、両方の内容を要約する問題です。

リーディング、リスニング共にアカデミックな内容ですが、長さは短めになっています。

例題を見てみましょう。※ 例題はすべてETSからの出典です。

リーディング(3分)

TOEFLライティングセクションのリーディング問題
リーディングパッセージ

※実際のライティング試験中に参照可

例題のリーディングの内容は、環境にやさしい林業へ送られる認定の取得にアメリカの企業が消極的だ、と主張しています。

リーディングセクションの問題と比べて、短く読みやすくなっていますね。

次に、Integrated Taskのリスニングのスクリプトを見てみましょう。(実際の試験ではこの内容の音声が1度だけ流れます。)

リスニング

TOEFLライティングセクションのリスニングスクリプト
リスニングスクリプト

こちらのレクチャーでは、アメリカの企業は環境配慮し認定を取得しようとしていくだろう、としています。

先ほどのリーディングパッセージに対して、反論していることがわかるでしょうか。

また詳しく読むと、リーディングの論点に呼応した順番で議論が展開されています。

やはりこちらもリスニングセクションで出題されるものよりも短く、段落の変わり目がわかりやすいですね。

Integrated Taskの場合、リスニングで流れる量とリーディングの英文の長さは、ほぼ一緒です。

リーディングとリスニングの内容を理解したら、実際のライティングに移ります。

問題の指示をみてみましょう。

TOEFLライティングIntegrated Taskの問題
Integrated Taskの問題

大まかに日本語に訳すと以下の内容が書いてあります。

  • Directions
    20分でライティングを完成させましょう。答案は「ライティングの質とリスニングの要点をまとめられているか」、「リスニングの内容とリーディングの内容の関係性が表現できているか」を基に採点されます。語数の目安は150〜225語です。リーディングパッセージは回答中に参照できます。
  • Response Time
    制限時間は20分です。
  • Question
    リスニングの要点を、リーディングで示されたトピックに対してどのように反論しているかを含めて書きなさい。

リスニングとリーディングの両方について書く必要はありますが、問題指示を詳しくみるとリスニングの要約の比重が大きくなっています。

「リーディングとリスニングは同じトピックでそれぞれ違う意見を述べている」ため、それぞれの主張が混ざらないように、正確に把握しましょう。

Independent Task

次に出題されるのがIndependent Taskで、自分の経験や意見を書きます。先ほどのIntegrated Taskに比べてより表現力が求められる問題です。

まずは例題をみてみましょう。

TOEFLライティングIndependent Taskの問題
TOEFLライティングIndependent Taskの問題

出典) ETS

※画像のReading Timeは誤字で、Response Timeが正しい表記です

日本語訳にすると、以下のような内容です。

  • Directions
    下の質問について30分以内にライティングを完成させましょう。
    回答は300語が望ましいです。
  • Response Time
    制限時間は30分です。
  • Question
    この意見について賛成・反対しますか。
    「教師の資質に大切なものは、指導教科の高い知識よりも生徒と良い関係を築く力だ。」
    具体的な理由や例を用いて書きましょう。

この例題のように、賛否両論あるトピックが出題されます。

また最低語数の目安も300語と、ライティングに慣れていない場合はかなり長く感じるでしょう。

30分の間で理由を考えて書くところまで全て行うので、多くの場合で時間切れ、時間ギリギリが起こりやすいです。

ですから、Independent Taskで点数を取るには、問題に慣れることが大事です。

それだけでなく、自分なりの意見や理由を柔軟に思いつく力が重要なポイントとなります。

TOEFL ライティングの配点と採点基準

問題形式を確認したところで、TOEFLライティングの配点・採点基準をみていきましょう。

採点基準がわかれば、以下の2つについて知ることができます。

  • 今のあなたの実力
  • どの程度まで精度を上げる必要があるのか

まずは配点から確認していきます。

TOEFLライティングのスコア換算表
ライティングのスコア換算表

※ 以前公式サイトで公開されていた表で、現在は公開されていません。ただ、現在も換算法は同じと考えられます。

TOEFLではIntegrated TaskとIndependent Taskそれぞれが5点満点で採点されたあと、平均点でスコアが換算されます。

それでは各タスクの採点基準をみていきましょう。

Integrated Taskの採点基準

ETS公式で公開されているIntegrated Taskの採点基準は下記のとおりです。

Integrated Taskの採点基準

点数 採点基準
5 ・リスニング、リーディング共に要点をおさえられている
・リスニングとリーディングとの関係性を正しく見出している
・高い構成力
・文法、語彙のミスがほとんどなく、あっても内容を損なわない程度
4 ・リスニング、リーディングの要点を正しく記載しているが、詳細で漏れがある
・リスニングとリーディングとの関係性を正しく見出していることがほとんどだが、詳細に不明瞭さがある
・内容は損なわないが、文法や語彙でミスがある
3 リスニング、リーディングの要点を正しく記載しているが、以下のうち1つ以上当てはまる
・質問に答えているが、リスニングとリーディングの繋がりに誤りがある
・リスニング中の大事なポイントを1つ抜かしている
・文法や語彙のミスが度々みられ、不明瞭な表現がある
2 リスニングの重要なポイントをいくつか聞き取っているが、全てが含まれていない。以下に当てはまる
・文法や語彙のミスが多く、問題内容を知らない人に中身が伝わりにくい文になっている
1 以下の1つ以上に当てはまる
・リスニングで語られたポイントがほとんど含まれていない
・文を組み立てる力に乏しく、書かれている内容を理解することが難しい
0 ・リーディングの文をまるまるコピーしている
・無関係なことを書くなど、質問に答えようとしていない

参照)ETS

この採点基準からわかる通り、Integrated Taskでは内容の充実性が重視されています。

リスニングでは、発話者が意見を述べる際に具体例が出てくるので、その具体例をできるだけ聞き取ることを目標にしましょう。

ArisaArisa

聞き取るだけでなく、一つ一つの例がどの意見に対する具体例なのかも把握したいですね。

Independent Taskの採点基準

ETS公式で公開されているIndependent Taskの採点基準はこちらです。

Independent Taskの採点基準

点数 採点基準
5 以下のほとんどを満たしている
・意見の説明として効果的な内容になっている
・適切かつ分かりやすい説明を用いてうまく構成、展開されている
・一貫性がある話の進め方をしている
・文法、語彙のレベルが一貫して高く、技術面でのミスがほとんどない
4 以下のほとんどを満たしている
・詳細に欠ける箇所もあるが、問題に正しく答えている
・ほとんどの場面で十分な説明や具体例を用いて適切に構成、展開されている
・ほとんどの場面で一貫性のある話の進め方をしているが、前後関係が不明瞭な箇所がみられる時がある
・文法、語彙のレベルが高いが、時折内容理解には影響しない程度のミスがある。
3 以下のうち1つ以上を満たしている
・最低限必要な説明、具体例を用いて問題に答えている
・話の繋がりが不明瞭な場合もあるが、話の展開に一貫性がある
・言葉選びや文の書き方によって意味が分かりにくい箇所がある
・幅広い文法や表現を使いこなせていない場面もあるが概ね正確
2 以下のうちの1つ以上に当てはまる
・問題に十分に答えられていない
・不適切な構成、展開
・理由、具体例が質問に関連していない
・言葉の選び方が適切ではない
・内容理解に影響する文法、語彙に目立つミスがある
1 以下のうちの1つ以上に当てはまる
・著しい内容の欠如
・理由、具体例がほとんど書けていない
・文法、語彙の間違いが多くみられる
0 質問に回答しようとしていない場合

この採点基準から読み取れる、Independent Taskの大事なことは、論理的な理由・構成力・パラフレーズです。

自分の意見を理解してもらうために、適切かつ分かりやすい説明や具体例を使うようにしましょう。

また、挙げた理由が自分のメインの意見にどう関係しているかを意識すると、説得力がアップするので構成力での加点につながります。

このIndependent Taskは一から自分で文を考えて行く必要があるので、文法や語彙にも注意したいですね。

もし余裕があるなら、単語を言い換えたり、幅広い文法を使った表現に挑戦しましょう。

ArisaArisa

自分のオリジナルな意見を見ず知らずの人に伝えるタスクなので、分かりやすく明瞭に伝える努力が必要ですね。

TOEFL のライティング対策!高得点を狙う勉強方法

これまでにTOEFLライティングの問題形式や採点方式などを確認してきました。

書く量は多く内容も難しいので、点数を取るためにはしっかり対策していく必要があります。

ただ、ライティングの対策はどうしたら良いか分からない方も多いと思います。

そこでここからは、私がTOEFLのライティングを勉強するときに意識していたことや、実践した勉強方法について紹介します。

とにかく書いてライティングに慣れる

ライティングセクションでの点数アップのカギは、とにかく英文を書くことに慣れることです。

時間に余裕があれば毎日Integrated TaskとIndependent Taskを一つずつ、本番のテストのように書いてみることをおすすめします。

やみくもに数をこなすのも良いですが、どうせならより効率的に点数アップに繋がる勉強をしたいところ。

まずは「時間を測る」ことを徹底しましょう。

TOEFLのライティングでは時間が足りなくなることが多いです。日頃から制限時間に慣れていきましょう。

少し余裕が出てきたら、制限時間より短く練習時間を設定してライティングに取り組みます。

本来の制限時間より短い時間で書けるようになれば、見直しの時間も捻出できますし、自信にもなります。

また、毎回のライティングで「文の数を把握」しておきましょう。

時間を測ってライティングの問題をいくつかこなしていると、時間内に書ける文の数は、大体おなじになると思います。

早く、より多くの文を書けば、内容も豊富になると思いますが、「文の数をたくさん書くこと」に重点を置いて勉強することはおすすめしません。

なぜなら、ライティングスピードを短期間に一気に倍増させることは難しいからです。

また、採点基準に文の量に関する内容はありません。

ですからあなたが今書ける文の数で、しっかりと内容を伝えられる練習をする方が、点数に繋げやすいと思います。

まずは、あなたが時間内に書ける文量を知ることからはじめましょう。

それを基に、各段落で何文ほど書けばいいかをあらかじめ決めておくと、段落ごとの内容の偏りを防げます。

ArisaArisa

時間内に書ける文字数を把握しておくと、時間配分もしやすくなりますよ。

TOEFL iBTのライティングはタイピングの対策も必要

TOEFL iBTは全セクションをパソコンで受験するため、当然このライティングセクションはパソコンでの文字入力になります。

内容を考える時間も制限時間に含まれるため、タイピングへの慣れは間違いなく必要です。

ストレスなくこのライティングセクションに挑むには、ブラインドタッチはぜひ習得しておきましょう。

また、ここからがさらに大事です。

TOEFLではアメリカのキーボードを使います。こちらが日本式配列(JIS)とアメリカ式配列(US)の違いです。

JISキーボードとUSキーボードの比較

アルファベットの配置は日本のものと変わりませんが、アポストロフィなど記号の打ち方が違いますね。

テスト会場には記号の打ち方表が置いてあるので、全ての配置を覚える必要はありませんが、最低限心の準備はしておきましょう。

また、TOEFLで使用される機材ではコピペができないので、すべて自力で入力します。

ライティングで同じ表現はできるだけ繰り返したくないので、そもそもコピペの出番はほとんどないかもしれませんが、一応覚えておいてください。

ライティング系の参考書をひたすら解く

TOEFLライティングの一番の勉強法として、たくさんライティングの問題を解くことをおすすめしました。

ただ、適当に書けば良い訳ではなく、TOEFLの出題形式に沿って練習を繰り返すことが大切です。

そこで是非活用したいのが、TOEFLライティング専用の参考書

TOEFLライティングはタスクごとに重要ポイントがはっきりしています。

ですから、参考書を使って出題傾向に慣れて行けば点数アップが望めるのです。

効率よくTOEFLライティング対策ができる本を2冊紹介します。参考にしてみてください。

大学生のためのアカデミック英文ライティング

大学生のためのアカデミック英文ライティング

この本はアカデミックな文を書き慣れていない人はぜひ持っておきたい一冊。

英文を書く際の表現・構成を詳しく解説しているので、この本を真似するだけで、正しい書き方で英文を書けるようになります。

「わかりやすく」「首尾一貫性を持って」「結束性があるように」の3点を目標にしているので、TOEFLの採点基準を満遍なく満たしています。

今すぐ使えるテンプレートも紹介されているので、テストまであまり時間がない人も十分に対策できますよ。

TOEFLでのライティングのみならず、実際の大学の課題にも応用できる内容になっているので、大学留学を考えている人は特に要チェックです。

著者 中谷安男
出版社 大修館書店
価格 1,870円(税込)

「大学生のためのアカデミック英文ライティング」の購入はこちら

Writing for the TOEFL iBT with MP3 CD

Writing for the TOEFL iBT with MP3 CD

TOEFL対策でお馴染みのBarron’sの対策本もおすすめです。私も実際に使用していました。

こちらは洋書なので、ある程度英語に慣れている人、これから海外で勉強する人に特におすすめです。

この本の1番の特徴はIntegrated TaskとIndependent Taskの解答例が180個掲載されていること。

ライティング向けの参考書の中でも群を抜いて数が多いです。

模範解答を読んで真似るとパターンを覚えることができるため、ライティング対策には非常に効果的です。

全編英語ではありますが、読みやすい英語で書かれているので、リーディングの練習もできて一石二鳥ですね。

著者 ​​Lin Lougheed
出版社 Barron’s
価格 2,759円(税込)

「Writing for the TOEFL iBT with MP3 CD 」の購入はこちら

TOEFLのライティングを添削してもらおう

おすすめのTOEFLライティング勉強法として、参考書を使ってとにかく書くことについてお話しました。

しかし、いざ自分でライティングをしてみても、自分の書き方や文が正しいのか判断するのは難しいですよね。

文の量が書けることも大事ですが、文法ミス等を減らしてできるだけ減点を減らすことが点数アップには大切です。

そのためライティング対策では添削をしてもらうのは必須。自分の書き方の癖や強化したい文法などを知ることができるので、効率的に勉強プランを立てられますよ。

周りに添削をお願いできる人がいないなら、オンライン英会話の中にTOEFLのライティング対策を行っているところもあるので、こちらを活用してみてください。

オンラインならスキマ時間を活用できるし、パソコンなどのデバイスを使用するので、TOEFLの準備にもってこいです。

TOEFL対策、ライティング対策に要チェックなオンライン英会話をまとめました。

アガルート

アガルートTOEFL iBTR集中講座

ネイティブ講師による約18時間の動画講座と、担当のネイティブ講師が直接ライティング添削をしてくれるアガルートの「TOEFL iBT®集中講座」が大変おすすめです。

ライティング添削は合計4回、さらにスピーキングセッション(40分×4回)も対応してくれるので、総合的にTOEFL®対策ができます。

課題はアガルートの方から出してくれるので、指示に従って課題を進めればOKです。

講義はすべて英語で進められますが、TOEIC®700点以上のレベルがあれば問題なく受講できます。

「英語のスピードについていけるか気になる」という方は、公式サイトから無料で講座ガイダンスとサンプル講義が見られるので、チェックしておきましょう。

ベルリッツ

ベルリッツ(belritz)

TOEFL対策向けの英語だけでなく、全体の英語力が身につくベルリッツ。

TOEFLを受験するみなさんは、目標点数突破後も英語をたくさん使うことでしょう。

今の自分の実力と目標に合わせたカリキュラムの提案で、生きた英語の習得が可能です。

試験対策としても、色々な場面で使える英語力があれば、どんな問題でも余裕を持って挑むことができます。

また、自分の好みやテストまでの期間に合わせて、オンライン、マンツーマン、グループレッスンを選択可能。

マンツーマンレッスンは学割があるため、学生の方には嬉しいポイントですね。

EF English Live

EF English live公式サイトTOP

EF English LiveはTOEFL専門講師が在籍するオンライン英会話。

経験豊富な講師から対策を学べるため、何としてもTOEFLの点数をアップしたい方に特におすすめです。

過去のTOEFL iBTの出題例を基に教材が作られているため、テスト形式にいち早く慣れることができそうですね。

24時間いつでもレッスンを受講可能なため、スキマ時間を有効活用できます。

毎日コツコツ取り組むのが英語力アップの秘訣です。

ネイティブキャンプ

ネイティブキャンプ公式サイトTOP

最後に紹介するのが、幅広い英語のニーズに応えるネイティブキャンプです。

このオンライン英会話はTOEFLに特化しているわけではありませんが、ライティングを添削してもらうことができます。

レッスン中にチャットボックスに打ち込むか、ファイルを共有することで即座に講師が添削を始めてくれます。

世界各国から様々なバックグラウンドを持つ講師陣が集まっているため、TOEFL受験歴のある講師を探すことも可能。

ネイティブの先生から日本人の先生まで選び放題なので、自分のニーズに合わせてレッスンを組み合わせできます。

1回25分、予約なしでレッスンもできるので気軽に始められますね。

ArisaArisa

次にTOEFLのライティング試験の解答に使える表現のテンプレートを紹介します。TOEFL100点超えのわたしが、実際に行っていた文章構成を詳しく紹介するので、ぜひ参考にしてください!

TOEFL のライティングで使えるテンプレート

ライティングを書き慣れていない方の中で、TOEFLのライティング問題を解くときに、どう文章を始めて良いかよく分からない方が多いのではないでしょうか。

書き方の指針にテンプレートを探すと、「テンプレートを使うのは良くない!」という意見も出てきますし……いろいろな意見があって迷ってしまいますね。

私の意見としては、「ガッチリと決まったテンプレートを事前に用意するのはナシだけど、自分の構成を決めておくのはアリ」だと思っています。

まず、単語を当てはめるだけのテンプレートは言い方がかなり固定されてしまいます。また、文脈によっては内容に則さない場合もあるかもしれません。

テンプレートを使ってあらかじめ内容を暗記した結果、若干質問の本質とずれてしまっている回答は点数に伸び悩む傾向がみられます。

そのため、文は毎回問題に応じて自分で考えていく必要があります。

しかし、あらかじめ「何を・どんな言葉を使って・どのくらいの量」を書くか決めておくのは、かなりおすすめです。

ある程度書く内容と文量を決めておくことで、時間配分や構成面でのポイントが安定してくると思います。

ここで、私がよく使う書き方や表現をタスクごとに紹介します。

Integrated Taskの書き方

まずIntegrated Taskで点数を取るポイントは、「リーディングの内容をしっかり聞き取る」「リーディングとリスニングのつながりを分かりやすく書く」の2点でした。

これらを踏まえて、私がよく使う構成はこちらです。

Integrated Taskの解答の構成

  1. Introduction
    メイントピックはなにかを明記する。
    リスニングとリーディングの立場を明確にする。
  2. Body Paragraphs(3つ)
    リーディングの意見に対する、リスニングの意見とその具体例を明記する。
  3. Conclusion(余裕があれば)
    ・Introductionの言い換え。
    ・必須ではありませんが、書くことによって英文を書くときの基本構成(Introduction→Body Paragraph→Conclusionの流れ)を理解しているかをアピールできます。時間に余裕があれば書いてみましょう。

それぞれの段落を、先ほどの林業についての例題で詳しくみていきましょう。

1. Introduction

解答例
The lecture pointed out the importance of the adoption of ecocertifications among American wood companies, which disagreed with the passage that opposed ecocertifications.

まずはリスニングとリーディングの立場の違いをはっきりさせます。そして、メインをリスニングの内容で始めることで、聞き取れていることをアピールします。

Introductionの冒頭に使える表現(単語)をピックアップしたので、こちらも参考にしてください。

リスニングパートの言い換え
The lecture, The professor, The instructor, The lecturer
リーディングパートの言い換え
The passage, The reading, The article, The author

2. Body Paragraphs

Body Paragraphsのポイントは、3段落書くことです。

リーディングとリスニングの理由の順番が呼応しているので、リーディングのBoby Paragraphの数に合わせると通常3つになります。

TOEFLライティングBody Paragraphs

出典)ETS

こちらは公式の解説に掲載されている、書かなければいけない重要事項の対照表です。

上記の表ではリスニング、リーディング共に3つ理由を挙げているので、3段落書く必要があります。

リスニング、リーディングそれぞれ話された理由の順番通りにまとめられています。どちらもトピックの順番が一緒ですね。

リスニングではリーディングの反論をすることがほとんどです。

ですから、リスニングで流れる詳しい説明や具体例には、特に注意しましょう。

Body Paragraphsで使える表現を下記にまとめたので、こちらも参考にしていただければと思います。

段落の最初や最後など、リスニング、リーディングそれぞれの意見を明確にしたいとき
・Although the author argued that S V(リーディング),the professor pointed out S V(リスニング)
・S V (リスニング),while S V(リーディング)
段落の途中、リスニング中に使われた具体例を紹介したいとき
・The lecturer illustrated 名詞(リスニング), using the example of 具体例(リスニング).
・The instructor mentioned 具体例(リスニング), to explain 名詞(リスニング)

ここでは、リスニングについて説明する表現を多く紹介しました。

このタスクではいかにリスニングで聞き取ったことを自分の言葉にするかが問われています。

時間が限られている場合は、リスニングについての記述を多めにしてみましょう。

3. Conclusion

Introductionの言い換えです。内容を簡潔に、できる限り未使用の文法や単語を使うことを意識しましょう。

単語が少し変わるだけでも文の雰囲気を変えることができますよ。

解答例
In conclusion, the lecture argued the necessity for American companies to be obtained with ecocertifications, whereas the passage proposed disadvantages of the certifications.

Independent Taskの書き方

Independent Taskはさらに文章量が増えるため、テンプレートがあれば嬉しいですよね。

しかし、この問題こそテンプレートを作りすぎてしまうと質問の趣旨から外れてしまうことがあります。

そこで、私の構成パターンと気をつけたいところ、使える表現を紹介します。

Independent Taskの解答の構成

  1. Introduction
    自分の意見を明確に
    Body Paragraphsのサマリーが入れられると尚良い
  2. Body Paragraphs(2〜3つ)
    段落ごとに1つ具体例を入れる
    400語越えを目指す人は3つ目の段落まで頑張ろう
    段落の最後に質問と具体例がどのように関係しているのかを明記
  3. Conclusion
    Introductionの言い換え

先ほどのIntegrated Taskで紹介した構成とほとんど一緒です。

Independent Task特有の気をつけたいところは、Body Paragraphの段落の最後に、質問と具体例がどのように関係しているのかを明記することです。

本文で具体例を入れていくと、その例の説明をしすぎてしまったり、話が脱線することがよくあります。

本来、具体例はその段落で語られているテーマの説明にすぎません。

具体例の説明が終わったら、その具体例から何を学んだか、どのような結論が導かれるか、まとめの文を入れるようにしましょう。

これが採点基準に書かれていた、一貫性や構成につながります。

Independent Taskで使える表現は、以下を参考にしてください。

1. Introduction
I agree/disagree with the idea that 質問.
2. Body Paragraphs
・具体例の説明, which made me realize that 段落のまとめ.
・This example illustrates 段落のまとめ.
※ This illustrates など、できるだけ “it, this, that” のみを主語にしない。代名詞が何を指すか分かりにくいため。
3. Conclusion
Introductionの言い換え、単語を言い換えるだけでも印象が変わります。
(例)
merit, benefit → advantage
good → positive
bad → negative
result → outcome, consequence, effect
change → alter
affect → influence
say → mention
environment → atmosphere

このタスクでは受験者一人一人のユニークな意見とその表現力が採点基準です。

自分のことを何も知らない人にわかってもらえるよう、客観的な視点を持って説明文を作ることを意識してみましょう。

TOEFLライティング問題に関するよくある質問

TOEFLライティングの例題からおすすめの対策法、書き方など紹介してきましたが、ライティングの悩みはまだまだ尽きないはず……。

特にTOEFLは出題傾向が日本で作られた資格試験より難しく、パソコンを使用してのテストです。そのため試験内容以外に気になるところがたくさん出てきますよね。

そこで、TOEFLの勉強をしているみなさんが一度は疑問に思ったことのある、ライティングあるあるに答えていきます。

文字数は、多い方が点数が高くなる?

まず気になるのは文字数ですよね。

限られた時間でできるだけ質の良いライティングを提出するなら、自分がどれだけ書けば良いのか迷うはずです。

文字数の目安として、Integrated Taskは150〜225語、Independent Taskなら300語と問題文に書かれています。

まず「目安の文字数を突破する」ことが第一目標です。

ライティングでたくさんの文を書くことに慣れていない場合は、具体例や説明の詳細を増やしたりしながら文量を増やす練習をしましょう。

上記の文字数の目安に余裕がある方は、さらに多く文を書くことを意識すると点数アップが望めます。

TOEFLのライティングセクションで23点以上を目指すなら、Integrated Taskで300語弱、Independent Taskで400〜500語を目標に取り組むのがおすすめです。

急に文字数が増えましたね。ただ、これはあくまでも個人の所感で、文法や書き方などの基礎がある場合です。

先ほどの採点基準では語数に関する記述がなく、内容に関する基準が多かったです。

ですから、やみくもにたくさん書けば良いわけではありません。

合計85点以上、もしくはライティング23点以上を目指す方は文字数を増やせるように頑張ろう、という認識です。

ArisaArisa

私が入学したカナダの大学はTOEFL iBT合計90点以上が入学基準でしたが、周りの留学生の子達も平均して上記の字数を書いていたようです。

文字数が足りなかったら点数に影響する?

それでは、「問題の目安の語数も書ける自信ないよ!」という方は点数は伸びないのでしょうか。

答えは、いいえです。

文字数が目安を下回った場合の採点については、TOEFL公認トレーナーの方々が回答しています。回答内容の抜粋はこちら。

independent&integratedtask同様、語数が足らないことだけによる減点はありません。ただtopicdevelopment(内容)の採点項目において、語数が足らないがゆえに、必要となるポイントが書かれていないことによる減点はあります。多少の増減はあまりスコアに影響しませんので、神経質になりすぎる必要はありません。内容を充実させることに集中しましょう。

Directionsに示された語数はガイドラインとしての「目安」ですので、語数がそれ以下であること自体は減点対象ではありません。250語しかないエッセイでも、簡潔かつ効果的に主張が展開されていれば最高点が出る可能性もあります。とはいえ、Task1も2も必要な内容を盛り込もうとすれば、自ずと目安として示された語数になってしまうものだ、と解釈してください。

お二人が指摘しているように、TOEFL iBTのライティングは内容が重視されます。

書くスピードに自信があまりない方は、まず必要事項を全て入れることを目標にしてみましょう。

練習問題では目安の語数を突破できているのに、テスト当日に語数が足りなくなってしまった場合、何か必要な内容が抜けているかもしれません。語数も内容の過不足の目安に使いましょう。

時間が足りなくて文章が途中で終わってしまった!これは点数に含まれない?

TOEFLのライティングは制限時間が合計50分と、目安となる語数や出題内容を考えるとかなり短めです。

書く内容に手間取ったり、ライティングのスピードがあまり速くない場合は時間切れに陥りやすいです。

文が途中で終わってしまった場合、書かれている部分から質問に回答しようとする内容が読み取れるなら採点対象になると予想されます。

もし時間切れになった箇所がBody Paragraphの途中であれば、Integrated Taskの必要事項・自分の意見を説明するための理由が欠けていると見なされる確率が高いと思われます。

これはTOEFLの採点基準が内容の分かりやすさ、論理性に特化しているからです。

もし最後の最後、Conclusionの途中で終わった場合は、それ以前のBody Paragraphがうまく書けていれば内容の面での大きな減点対象にはなりにくいと考えています。

ただ、構成面での減点にはなるかもしれません。

TOEFLは内容を重視しているので、基本構成のうちIntroduction・Body Paragraph・Conclusionの3つの中だと、Body Paragraphが一番点数に影響すると考えられます。

時間に余裕がなさそうな時は、まずBody Paragraphを完成させることを目標に取り組むと良いかもしれません。

【まとめ】TOEFL iBTライティング対策は英文を書き慣れることが大切

この記事では、TOEFL iBTライティング対策におすすめの教材や書き方を紹介しました。

TOEFLのライティングは全4セクションの最後ともあって体力・気力が限界な中行われます。

それに加えて出題内容も実際の大学生活を想定しているため難しく、まさに正念場。

そんな中でも、出題傾向をしっかりと把握し、普段からライティングに慣れて行けば苦手意識は薄れていくに違いありません。

TOEFLライティング向けの勉強はこのテスト以外でも様々な場面で応用可能です。

ここで紹介した教材やオンライン英会話での添削を活用して、一生もののライティング力をつけていきましょう。

執筆者:Arisa
Arisaの写真

TOEFL iBT 109点。高校卒業直後、純ジャパで英検1級、TOEFL iBT 95点を取得。その後カナダの4年制大学に進学し心理学を専攻。カナダ在住1年でiBT 109点を取得。日本にいながら英語圏で通用する英語知識習得法をお届けします。