「英語がまったく聞き取れない」
「英語のリスニングに自信がない」
「相手が英語で何を言っているのか理解できない」
英語学習者ならば誰でも一度は、相手の話している内容が聞き取れずに激しく落ち込んだことがあるのではないでしょうか。
または検定試験のリスニングパートで、始めは調子よく解いていたのにひとつ聞き取れない箇所があると途端にパニックになり、気がついたら試験終了時刻になっていた……。
そのような経験はありませんか?私は数え切れないほどあります。
「相手の英語が聞き取れない」「理解できない」という経験は屈辱的で無力感がつきまとう嫌なものです。
初心者であっても、もう何年も社会人として英語学習を続けてきた上級者であっても同じです。
しかしここで「自分は英語ができない」「英語のリスニングは苦手」とリスニングの勉強そのものを敬遠してしまうのはもったいない!
実は英語の4技能(ライティング・リーディング・スピーキング・リスニング)のなかで、対策次第でもっとも短い時間で飛躍的にのびるのがリスニング能力なのです。
この記事ではまず「なぜ英語のリスニングが苦手なのか」を考えながら、ニュースや動画など身近な教材を活用するコツと、リスニング上達に向けたおすすめの勉強法を紹介していきます。
- 執筆者:Lin
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小4までアメリカの現地校に通い、帰国後は「英語はネイティブ並みでしょう?」という周囲の誤解とプレッシャーゆえに、英語の勉強から遠ざかった過去あり。中途半端な英語力にコンプレックスを感じ、大人になってから再勉強。英検1級。ケンブリッジ英検CAE。TOEIC910点。さらに英語指導者(TEFL)や児童英語指導者(TEYL)の資格を持つ。プロフィールの詳細はこちら
目次
日本人は英語のリスニングが苦手!聞き取れない理由は?
「日本人は英語のリスニングが苦手」その傾向があるのは事実です。
TOEIC受験者が500名以上の国と地域別にみたスコア平均値によると、日本人受験者のリスニング平均点は315点と45カ国中37位。
参照)REPORT ON TEST TAKERS WORLDWIDE(2021)
これはアジア地域の平均338点と比較しても低いことが一目瞭然です。
ではなぜ日本人は英語が聞き取れないのでしょう。私の経験上「英語が聞き取れない」という状況には、2つの理由が考えられます。
1. 知らない単語や表現があって聞き取れない
語彙や語法、文法の理解が足りていないと、英語を聞き取ることはできません。
これまで一度も聞いたことがない単語、意味を知らない表現を耳から聞いても理解できないのは当然ですよね。
「英語が聞き取れない」というよりも「英語がわからない」状態なのでこの時点でリスニング対策に特化するのは効率が悪く、おすすめできません。
リスニング用の教材を手に入れて「さあリスニングの勉強をするぞ」と気合い十分でも、結局は単語の意味調べに勉強時間のほとんどを費やしてしまいます。
焦らず英文法や英単語の基礎的な知識を確かなものにしましょう。
2. 知っている単語や表現なのに聞き取れない
英語が聞き取れない人の中には、「知っている単語や表現なのに聞き取れない」という人もいます。
何年も英語を勉強してきたのに「英語が聞き取れない」という日本人はほとんどがこのケースに当てはまります。
これは知識として知っているはずの単語が、耳から入った音声と結びつかない。もしくは結びつくのに時間がかかる状態です。
この「知っているけれど聞き取れない」という状況は、私にも実体験があります。私がイギリスに住んでいたとき、ある日かかりつけ医から電話を受けました。
「あなたの娘のワクチン接種歴を確認したら、未接種のワクチンがある」
「この電話で予約をとれば優先的に接種できる」
そう言われているのは理解できるのですが、肝心のワクチン名がわかりません。
何度聞き返しても私には「めにーじゃーまん」と聞こえます。「many German?(ドイツ人いっぱい?)」そんな名前のワクチンなどありません。
諦めて一度電話を切ろうかと思った瞬間、頭にある単語が浮かびました。
「meningitis(髄膜炎)」
医師は髄膜炎のワクチン接種を勧めてきていたのです。このことを理解するのに自分でも驚くほど、時間がかかりました。
思い返してみると、当時の私にとって「meningitis」という英語は机上で学んだ単語でした。おそらくこのとき初めて「meningitis」という言葉を実生活で耳にしたのです。
耳から入った「meningitis」という音と、頭にあった「meningitis=髄膜炎」という知識が対応するのに驚くほど時間がかかり、結果として「相手が言っていることがわからない」状態に陥っていました。
英語を聞き取れるようにするには、意識的にこの「耳から入る英語」と「頭にある英語」の2つを素早く対応させる訓練が必要です。
これこそが「英語が聞き取れない」苦しさから抜け出し、リスニング上達への第一歩となるのです。
初心者でも英語のリスニングが上達するコツ
それではリスニングの勉強を効果的にすすめていくためのコツをみていきましょう。
ここでは今日からすぐに実践できる、5つのコツを紹介します。できるものから早速取り入れてみてくださいね。
1. 毎日リスニングの練習をする
週に一度だけまとめて2時間勉強するよりも、1回10分でもよいので毎日取り組むほうがリスニングの上達は早まります。
より効率よく勉強するコツは、同じ音源を繰り返し聞くこと。「耳から入る英語」と「頭にある英語」を完全に対応させる訓練になります。
長い文章である必要はありません。覚えてしまうくらい聞き込んだら、次の音源へ進みましょう。
なお、週に一度のリスニング対策では、なかなか英文を覚えるまではいかないため、余り効果的とはいえません。
2. 英語を日本語に訳さず英語で理解する
リスニングの上達には「耳から入る英語」と「頭にある英語」を素早くリンクさせることが不可欠です。
逐一頭のなかで日本語に置き換えていてはリスニング力アップには結びつきません。
英語を聞いている間は「要点はなにか」「キーワードはなにか」に耳をすませ、英語を英語として理解する作業に集中します。
3. 英単語の語彙を増やし、英文法を学び直す
知らない英単語は、聞き取れなくて当然です。しかし実際には単語そのものの意味がわからなくても、文脈から推測することができます。
ですから文脈から推測するには基礎的な英文法の知識や、単語そのもの以上に語法や言い回しといった英語の語彙全般を増やしていくことが必要です。
「文脈から推測する力」はリーディングでも非常に重要になるので、しっかり身につけていきましょう。
4. 発音の変化(リエゾン・リンキング・リダクション)を学ぶ
英語にはリエゾンと呼ばれる特有の発音変化があります。
英語ネイティブが話すのを聞いていると、別々の単語なのにつながっているように聞こえませんか?それがリエゾンです。
日本語でも、同じ言葉なのに組み合わせによって発音が変化するものがありますよね。
たとえば十という漢字は「じゅう」と読みますが、「十歳」は「じゅうさい」ではなく「じっさい」と発音します。
私たちは日本語ネイティブとして違和感なく、無意識のうちにやっていることですが非ネイティブの人はこうした発音の変化には戸惑うでしょう。私たちが英語の発音変化に戸惑うのと同じです。
そしてこのリエゾンには法則性があります。ルールそのものを覚える必要はありませんが、耳にした際に「これがリエゾンか」と意識してみてください。
リエゾンの種類
- リンキング(音の連結)
ルール:子音+母音で音が連結する
like it 子音(k)+母音(i)らいきっ
turn on 子音(n)+母音(o)たーのん - リダクション(音の消失)
ルール:破裂音(b p g k t d)+子音で破裂音が消失
take care 破裂音(k)+子音(c) ていけあ(kが消失)
good job 破裂音(d)+子音(j) ぐっじょぶ(dが消失)
ほかにもよく知られる発音変化としてはフラッピングがあります。フラッピングは、tの音が母音にはさまれるとラ行に変化します。
フラッピング
water 母音(a)+ t + 母音(e) うぉら
pretty母音(e)+ t + 母音 (y) ぷりりー
ちなみにこのフラッピングは、アメリカ英語で顕著になりますが、イギリス英語ではあまり聞かれません。
5. スピーキングの練習でリスニング力を鍛える
インプットであるリスニングと、アウトプットのスピーキングの練習を組み合わせることで相乗効果が期待できます。
スピーキングの練習には相手がいます。スクリプトのない生の会話を通して「相手の言いたいことは何か?」と注意深く聞くことこそがリスニング力を高めていくのです。
また相手の言っていることが「理解できた」「聞き取れた」という成功体験は、リスニングだけでなく、英語学習全般へのモチベーションを支えてくれることでしょう。
スピーキングの練習をしたいけれど、英会話教室に通っていなかったり、周囲にネイティブスピーカーの知人がいないという人は、手軽に始められるオンライン英会話などを活用するのも一案です。
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英語のリスニング力が伸びるおすすめ勉強法
ではいよいよリスニング対策として具体的な勉強法をみていきましょう。初級者向けから上級者向けの勉強法まで順番に紹介します。
どの勉強法でも大切なのは、英文を聞いているときに日本語訳を見ないことです。「耳から入る英語」と「頭にある英語」を素早くリンクさせることに集中しましょう。
英語スクリプトを読み、「目から入る英語」もリンクさせていけると学習効果はさらに上がります。
オーバーラッピング(初心者向き)
オーバーラッピングは英文を聞きながら、同時に英文スクリプトを音読する勉強法です。
オーバーラッピングのポイント
やり方 | 1.英文スクリプトをスムーズに一人で音読できるようにする 2.音声を聞きながら、同時に音読する |
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メリット | ・英語特有のリズムに慣れる ・耳から入る英語と、目から入る文字としての英語を結びつけられる ・リエゾンが発生している箇所を目視できる |
デメリット | ・正しく音読できているか自分で判別しづらい |
オーバーラッピングをするには、まず英文をつかえることなく音読できるようになる必要があります。
その際に、自分なりの息継ぎポイントやアクセント、抑揚をつけるべき点などをチェックしておきましょう。
音声を聞いたとき、自分との違いをよく確かめながらオーバーラッピングしていくとより上達していきます。
音声スピードが速すぎてついていけない場合は、再生スピードを調整してみましょう。
英語のリズムに慣れることが一番の目的なので、細かい発音( R と L、V と B、th と s など)ができているか気にしすぎることはありません。
不安に思う場合は、英会話レッスンなどでネイティブにチェックしてもらいましょう。
リピーティング(初心者~中級者向き)
リピーティングとは、英文を聞き、聞こえた通りの英文をそのまま復唱する勉強法です。
リピーティングのポイント
やり方 | 1.英文を聞く 2.聞こえた通りに英文を復唱する |
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メリット | ・英語特有のリズムに慣れる ・細部まで注意深く聞く訓練になる |
デメリット | ・正しく復唱できているか自分で判別しづらい |
手元のスクリプトを読めばよいオーバーラッピングと違い、短期記憶を駆使して、聞こえた英語を復唱するのでより集中力が必要です。
照れずにお手本通りの抑揚や強勢を大げさなまでにつけることで、英語のリズムが体に染みつきます。正しく復唱できているか、自分の音声を録音してお手本と聞き比べてみるのもおすすめです。
オーバーラッピング同様、随時プロにチェックしてもらえる英会話レッスンの活用も有効です。
ディクテーション(上級者向き)
ディクテーションは英文を聞き取り、文字に書き起こす勉強法です。
ディクテーションのポイント
やり方 | 1.センテンスごとに英文を聞き取り、文字に書き起こしていく 2.聞き取れない、またはスペルがわからない箇所は空欄もしくは聞こえたとおりに表記しておく 3.前回聞き取れなかったところに集中して、英文を冒頭から再度聞く 4.前回自分が書き取った英文を上書きしながら修正していく ここまでを3~5回繰り返す 5.書き上がった英文と、スクリプトを見比べる |
---|---|
メリット | ・自分のリスニングのクセを知ることができる( s と th の混同、複数形の聞き落としなど) ・正確なスペルが身につく ・細部まで注意深く聞く訓練になる |
デメリット | ・一字一句書き取るので時間がかかる |
私のなかでディクテーションといえば茅ヶ崎方式英語。
茅ヶ崎方式英語は、もともとNHK国際英語放送記者が、自分たちの勉強法を広く一般の学習者にも使えるようにしたメソッドです。オリジナルの時事ニュース音源を聞き、それを正確に書き取る訓練を徹底してやります。
私はその昔、何気なく書店でテキストを購入して試したところ、完全に打ちのめされました。
「1回目で聞き取れる情報量の少なさ。」「曖昧なスペルの多さ。」「すべてに通じる雑さ。」いかに自分が「英語をわかったつもり」になっていたか、現実を突きつけられた気分でした。
それでも同じ音源を繰り返し聞いては書き、聞いては書き、なんとか英文を書き上げ最後に音源をもう一度聞いてみると驚くほど「よく」聞こえるのです。
まるで頭の中のつまりがとれたかのようでした。
ちなみにディクテーションはハードな勉強法で、あまり初心者向きではありません。逐一書き取るので時間がかかります。
またリスニング能力だけでなく、英語全般における自分の弱点がはっきりわかってしまうので、必要以上に落ち込みます……。
しかし英語学習において「自分の弱点を知る」ことは、スキルアップを目指す以上避けては通れません。
ディクテーションは総合的に英語力をのばす勉強法としては非常に優れていますので、力だめしのつもりで定期的にチャレンジすることをおすすめします。
シャドーイング(上級者向き)
シャドーイングは英文を聞きながら、追いかけるようにすぐに復唱する勉強法です。
シャドーイングのポイント
やり方 | 1.英文を聞く 2.聞きながら、聞こえた通りにすぐに英文を復唱する |
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メリット | ・細部まで注意深く聞く訓練になる |
デメリット | ・正しく復唱できているか自分で判別しづらい |
リピーティングとの違いは、センテンスの区切りを待たずにすぐに英文を追いかけて声にだしていく点です。
英語のスピードについていくこと、そして集中して細部まで聞き取ることを目的とします。そのため、より上級者向きの勉強法です。
シャドーイング中はスクリプトを見ず、聞き取ることに全神経を集中させます。
英文を聞き終わった後にスクリプトを確認し、耳から入った英語と目から入る文字としての英語を対応させることでさらに学習効果が上がります。
シャドーイングについては、「シャドーイングとは」の記事でより詳しく解説しています。
英語のリスニング対策におすすめの教材と活用法
ここではリスニング力をのばすための教材として活用したい身近なものを紹介していきます。
リスニングの教材ということで、書籍だけでなくおすすめのアプリやYou Tubeチャンネルも紹介しています。
また、洋画や海外ドラマ、洋楽をリスニングの勉強に活用するコツについても記載しました。
どれもおすすめの教材なので、リスニングの教材を探している方はぜひ参考にしてください。
上達しやすい人気の英語リスニングアプリで学ぶ
VOA Learning English
アメリカ合衆国政府が運営する国営放送VOA(Voice of America)提供の、英語学習者向けアプリです。
日本語スクリプトはありませんが、初心者~中級の英語レベル別に学習動画がそろっています。
おすすめは「Audio Program」。3分程度の短い音声と、スクリプトがセットになっているのでリスニング対策に最適です。
学習者向けに作られているため音声はゆっくりめで発音も明瞭かつシンプル。
アメリカの文化や歴史にまつわる内容もそろっており、英語への理解がより一層深まります。
VOA Learning Englishの基本情報
アプリ名 | VOA Learning English |
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運営会社 | Innoloop Inc. |
対応端末 | iPhone(iOS) Android (Google Play) |
言語 | 英語 |
料金 | 無料(広告無しにする場合はアプリ内課金) |
BBC Learning English
英国放送協会BBC(British Broadcasting Corporation)提供の英語学習者向けアプリです。
おすすめは「Everyday English」のコーナー。イギリスで生活していると日常的に耳にする表現などを解説しています。
日本で触れる英語はアメリカ英語が主流なので、イギリス英語との違いを実感できますよ。
BBC Learning Englishの基本情報
アプリ名 | BBC Learning English |
---|---|
運営会社 | BBC Media App Technologies |
対応端末 | iPhone(iOS) Android (Google Play) |
言語 | 英語 |
料金 | 無料 |
スタディサプリENGLISH
スタディサプリENGLISHは、日常英会話、TOEIC対策、ビジネス英語が学べる総合学習アプリです。
講義動画は1回3分から気軽に学習でき、「続けやすい」と評判です。
リスニング教材は有名脚本家によるドラマ仕立て。ディクテーションもでき、リスニングの力をつけるのに適しています。
スタディサプリENGLISHの基本情報
アプリ名 | スタディサプリENGLISH |
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運営会社 | Recruit Co.,Ltd. |
対応端末 | iPhone(iOS) Android (Google Play) |
言語 | 日本語 |
料金 | 7日間無料(無料期間終了後は月額2,178円~) ※ 無料期間は申込日を1日目とします |
スタディサプリEnglishを利用する場合は、スタディサプリEnglishの公式サイトから申し込みをしたあとに、アプリを利用しましょう。
アプリから課金をした場合、公式サイトから申し込みをするよりも月額料金が高くなってしまうので、公式サイトからの方がお得ですよ!
スタディサプリのクーポン・キャンペーンの情報もぜひチェックしてくださいね。
英語の映画や海外ドラマで学ぶ
学習ポイント
日本語字幕をオフにして、英語字幕をオンにする。
NetflixやAmazon Primeなどで気軽に海外映画やドラマが視聴できます。ドラマを見ながらリスニングの力を鍛えることもできますよ。
リスニングの勉強として見るのであれば、日本語字幕は必ずオフにすることが大切。
耳から英語が入ってきているのに、目から入る日本語(=日本語字幕)とリンクさせてしまうと、英語のリスニングの勉強としては効果がないどころかマイナスです。
ですから、映画やドラマでリスニングを勉強する場合は、必ず英語字幕をオンにしましょう。
耳から入る英語とリンクさせるべきなのは、英語です。日本語ではありません。
初心者向けのおすすめの映画は、内容がわかりやすく文法もシンプルな子ども向けのディズニー映画などです。
ディズニー映画ならとくに、「Finding Nemo」「Lion King」「Monster’s Inc」あたりが良いと思います。
法廷、宗教、歴史などがテーマのものは単語や表現が難解になりがちなので上級者向きでしょう。
洋楽を使って楽しく学ぶ
学習ポイント
英語の歌詞を読みながら音楽を聴く。
英語特有のリズムに慣れるのには最適な教材かもしれません。
英語特有の韻の踏み方なども勉強になるので、ぜひ歌詞を読みながら音楽を聴いてみてください。
もちろん声に出して歌ってみるのもよいですね。
「It’s Raining Men(The Weather Girls)」「Help!(The Beatles)」「Oh, Pretty Woman(Roy Orbison)」このあたりはよく英語の授業などでも使用されますね。
TEDで実用的な英語を学ぶ
学習ポイント
- 自分の関心のあるテーマの講演を選ぶ
- 一字一句理解しようとしないで内容をつかむ訓練
- 英語字幕オン、再生スピード調整
- 非ネイティブの英語に慣れる
TEDとは「Technology Entertainment Design」の略で、大規模な世界的な講演会を主催するアメリカの団体です。
提供するウェブサイトやアプリからは、様々な分野の専門家による講演会の動画が無料で視聴できます。
英語学習者向けに作られた動画ではないので、上級者向けですが自分の専門や関心のあるテーマの動画をチェックしてみましょう。
話者は英語非ネイティブも多いので、多様なアクセントに耳を慣らすには最適です。
無料で聞ける英語ニュースを活用して学ぶ
学習ポイント
- おすすめのニュースサイト
- VOA VOA – Voice of America English News (voanews.com)
- BBC BBC – Homepage
- NHKワールドNHK WORLD-JAPAN
- 英語字幕をオンにする
- シャドーイングをしてみる
- 同一内容を日本語ニュースで答え合わせする
英語ニュースは質の高い英文を、訓練を積んだプロのキャスターが読んでいます。無料の英語教材としては最高品質ですのでぜひ活用しましょう。
初心者にもハードルが低いのはNHKの日本に住む外国人向けの放送。NHK WORLD-JAPANは日本のニュースの英語版なので、既知の内容で理解しやすいはずです。
長いニュースを聞くと挫折しやすいので、3分程度の短いものを何度も聞いてみましょう。話すプロのリズムをぜひ、シャドーイングして身につけていきましょう。
TOEIC®や英検対策が目的なら専用の音声付き教材を活用する
学習ポイント
- 公式の問題集や過去問題集を選ぶ
- おすすめの教材
特定の資格試験のリスニングパート対策であれば、専用の教材を使うのが近道です。
「書店には試験対策の参考書がたくさん並んでいて、どれを選べばよいかわからない」
その場合は迷わず公式の問題集、または過去問題集を手に入れてください。
「こうすればリスニングがうまくなる」「こうすれば正解する」と日本語で書かれている攻略本や対策本をいくら読んでも、それだけではリスニングは上達しません。
試験を運営している団体が出している問題集や、実際に過去に出題された問題集を徹底的に反復しましょう。
TOEICのリスニング勉強法について、よりくわしく紹介している記事がありますので、こちらの記事も参考にしてください。
- リスニングのダメな勉強法は?
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英語を聞きながら日本語を読むことはおすすめしません。英語を聞きながら日本語を読むと、「頭にある英語」と「耳から入る英語」がリンクせず、いつまでたってもリスニングは上達しません。内容を理解するために日本語に目を通すのは英語を聞いた後、答え合わせとして確認する程度にとどめましょう。また家事をしながら、人と話しながら、など別の作業をしているときに英語を「ながら聞き」することもおすすめできません。母語である日本語でも、ほかのことに意識が向いていれば「今なんて言った?」と理解が追いつかないことは誰にでも経験があるでしょう。英語の場合ならばなおさら、集中力は切れやすくあっという間にただのBGM、ともすれば雑音になってしまいます。「ながら聞き」をするのであればせめてシャドーイングをしましょう。
- リスニングは1日何分くらい勉強すればいい?
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勉強時間を長時間とることよりも、短い英文(1~3分)に全神経を集中させて聞き取る練習を繰り返す方が効果的です。次々と新しい音源にチャレンジするのではなく、同じ音源を何度でも繰り返すのがおすすめです。少なくとも3日続けて、できれば1週間同じ英文を聞いてみてください。驚くほどリスニングの精度が上がっていくことを自覚されると思います。
時間がない社会人におすすめのリスニング勉強法
社会人はとかく時間に追われています。社会人だけの特別な勉強法というよりも、勉強時間を日々のルーティンに組み込むことができればリスニング上達の道筋が見えてきます。
通勤前 | 起床時間を早めて英文を音読する 朝の身支度中に聞き慣れた音源を流す |
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通勤中 | 電車内でテキストを読みながら音源を聞く 運転中音声を流しながらシャドーイングをする |
帰宅前 | カフェや図書館に寄り10分でも集中して音源を聞く、テキストを読む |
「さあ勉強するぞ」とまとまった時間をひねり出すよりも、現時点の自分の行動と抱き合わせてリスニングの勉強自体を生活の一部としていきましょう。
英語上級者がリスニングをより上達させるための勉強法
TOEICスコアが900点を超えていたり、英検1級を保持していたりすれば「英語上級者」と周りからは思われるかもしれません。
しかしたとえ検定試験のリスニングパートが満点だとしても、実生活では「聞き取れない」状況は絶え間なくやってきます。
もし英会話講師の英語や資格試験の音源はほぼ100%理解している自負があるのに、まだ「リスニングに自信がない」と思っているのであれば、以下のことを意識して勉強を続けてみてください。
多様なアクセントに触れる
英会話講師や資格試験の音源のナレーターは話すプロです。英語非ネイティブにも聞き取りやすいように意識して発音してくれています。
テレビ局(BBC、CNNなど)のキャスターも同じです。
もう一歩リスニング力を高めたいと思っているのであれば、こうしたプロの英語ではなく一般人の英語も意識的に勉強に取り入れましょう。
日本語もNHKのキャスターと、渋谷の女子高生ではイントネーションも語彙も異なりますよね。
英語もその話者の年齢、居住地、職業、人種などによって無数のバリエーションが生まれています。ぜひ積極的にその違いに触れてみてください。
私は一般人がスタジオに電話をしてきてDJに人生相談をする、といった内容のBBCのラジオ番組を一時期よく聴いていました。一字一句聞き取るのは難しくても、「何について話しているのか」という要点だけは聞き取ろうと必死に耳をすましているうちに、イギリス全土のアクセントや外国人のアクセントにも耳が慣れていきましたよ。
英語の文化的背景への理解を深める
私たちが毎日使う日本語には、仏教用語や日本神話の世界から用いている言葉が実は多くあります。
それ以外にも歌舞伎や時代劇、そういった文化から派生した言葉や表現もありますよね。
英語も同じく、「この表現はどういう意味だろう」「この単語の語源はなんだろう」と辞書をひくと聖書やギリシャ神話、シェークスピアの戯曲に由来するものがとても多いのです。
英語上級者、ひいては英語ネイティブへ近づく第一歩として、こういった文化的背景に対しても関心を持っていくことも大切です。
英語の音と頭の中の英語を素早く結びつけることがリスニング上達のコツ!
この記事では「どうして英語が聞き取れないのか?」を考えながら、英語のリスニングが上達する勉強法のコツを紹介してきました。
「頭の中にある英語」を「耳から入る英語」と、素早く結びつけていくことができればリスニングだけでなく、スピーキングの力もぐっと伸びていくことでしょう。
教材を使って机に向かうばかりが英語の勉強ではありません。スクリプトのない生の会話を通して、どんどん自分の力を試していきましょう。
リスニングの力はじわじわと坂道を上るように向上するのではなく、まっすぐの道を進み続けていると、ある日ぱっとまるで階段を上ったかのように次の段階に進んでいくものです。
「相手の言っていることがわかる」自信をもってそう言える日は必ずきます。この記事を読んで、「できそうだな」と思ったら、どんどん勉強に取り入れてみてくださいね。