兵庫県神戸市にある英会話スクール「テマセック外語学院」さんにインタビューさせていただきました。
1989年に神戸市兵庫区で英会話スクールを開校以来、現在で33年と長らく地元の方々に愛されているテマセック外語学院さん。
テマセック外語学院さんの大きな特徴としては、シンガポールとの絆をとても大事にしているところ。そこにはどういった背景があるのでしょう。
今回のインタビューでは、代表の藤岡司さんより、開校当時の貴重なお話と共に、スクール運営においてずっと大切にしている想いをお聞きしました。
早速その様子をレポートします。
外国での駐在経験をきっかけにテマセック外語学院を開校
── 最初に、英会話スクールを開校しようと思われたきっかけをお伺いできますか?
私は以前、地元の新聞社である神戸新聞社に20年ほど、記者として勤めていたんです。
その中で1985年から1987年までの2年間、シンガポールの特派員として現地に駐在しました。
シンガポールでの取材を通じて、日本シンガポール文化協会やシンガポール大学の方など、本当に様々な人々と知り合うことができ、とても充実した2年間でしたね。
帰国して2年後、社会部デスクになり、外勤時代が終わりました。
それまでずっと記者として外での取材をメインに仕事をさせてもらっていて、人との繋がりが好きだっただけに、このまま仕事を続けるべきか悩みました。
そして色々考えましたが、結局新聞社を退職することにしたんです。
その後、知り合ったシンガポールの人々との繋がりを活かし、英会話スクール、テマセック外語学院を立ち上げました。
── そうだったのですね。教室名の「テマセック」とはどのような意味があるのでしょうか?
テマセックとは、シンガポールの古い呼称なんですよ。日本で言ったら「大和」みたいな。
だからシンガポールに行ったら「テマセクホールディングス」とか、テマセク◯◯といった様々な名前がたくさん使われています。
会社は辞めましたけども、シンガポールとは深い繋がりがあるので、校名に使わせてもらうことにしました。
今まで来てくれている先生方も様々な国の方がいましたが、メインとしてはシンガポールの先生に来てもらっています。
── では、テマセック外語学院ではどんなレッスンが待っているのか、詳しく伺いたいと思います。
日本のことが大好きなネイティブ講師による英会話レッスン
── テマセック外語学院の講師の方はどんな方がいらっしゃいますか?
実は、長らく頑張ってくれていたメインの女性講師2人がいたのですけど、このコロナ禍で帰国することになりました。
代わりに2022年4月から新しい先生2人がこられます。
── 新しい先生はどんな方でしょうか?
1人が、シゥアン・リン先生。
シンガポール大学を卒業した30代半ばの女性の先生です。
もう1人がトリシア・タン先生。
この方は20代半ば、フレッシュで元気な女性ですよ。
── テマセック外語学院では、女性の先生が多いのでしょうか?
そうですね。前は男性の先生もいたんです。
でも、当教室は3歳くらい〜小学校入学前の生徒さんも結構多いんですね。
やはり幼児教室は女性の先生の方が合っているのかな、と思いまして。
低年齢の子どもさんからすると、男性の先生だと少し怖く感じてしまうこともあるかもしれない。
また、まだ小さいお子さんだと、お手洗いなども付き添いが必要なときもあるので、そんな時も女の先生の方が頼りやすいかな、という考えもあります。
そういった背景もありまして、ここ10年ぐらいはずっと女性の先生に来てもらっています。
── 先生の募集はいつもどのようにしていますか?
先生の募集に関しては、もうかれこれ30年以上ずっと同じ方法です。
今も繋がりのあるシンガポール大学やシンガポール日本文化協会などのホームページに、「テマセック外語学院での講師募集」の旨を載せていただいて募集しています。
もともと面接は現地のシンガポールに行っていたのですが、このコロナ禍なので直近の募集に関してはzoomを使って行いました。
当校は英会話の他に、中国語も教えているので、面接の際には彼女たちに中国語を教えるスキルがあるかも同時に聞いています。
シンガポールの方は、皆さん大体どちらも喋れるのですが、教えるのはまた別のスキルが必要なので、そのあたりはきちんと確認しています。
先程ご紹介した、シゥアン・リン先生もトリシア・タン先生も、大変有能な方なので、春以降からはレッスンもより充実したものになるでしょう。
── 採用時の「条件」などはありますか?
ありがたいことに、現地のホームページを見て応募してくれる方が結構たくさんいらっしゃいます。
採用の条件としては、開校当時と変わらず、日本に関心があることと、教えることが好きなこと。この2つです。
英語の能力自体は現地の大学を出た有能な方ばかりで、TOEIC も900点以上取られている方ですから何も心配いりません。
そんな中、一番大事にしているのはキャラクターと言うか、子どもが好きで、明るく話しやすい方を採用しています。
まずは1次面接で何十名と面接に来ていただき、その中で5〜6名くらいに絞って、次回の2次面接に来ていただきます。
1次面接ではリクルートスーツで来ていただきますが、2回目の時はあえてカジュアルな普段着で来てもらっています。
たとえばそのときの候補者が6名いたら、同じ人数くらい過去にテマセックで勤めてくれていた先生方に来てもらって、「休みの日は何しているの?」なんていう風に、自由に会話していただきます。
私は横であんまり話をしないで、相槌を取る程度です。
そうしたらやはり「人となり」がわかるんですよね。
人の話をよく聞くタイプかとか、引っ込み思案だとか、逆にとても積極的で好奇心旺盛だ、とか。
こういったコミュニケーションを2時間ぐらいした後で、私を含めた元先生陣で残って最終的に決めるようにしています。
── 採用にとても時間と手間をかけているのですね。
当校のカリキュラムがなんだかんだと言うよりも、日本の人たちが英語を習うには、やっぱり先生が好きで、先生のレッスンが楽しいから続けられる。
習い事ってそういうものだと思うんですよ。
ですので、素敵な先生を採用することはとても大事だと思っていますね。
テマセックに来られている生徒さんには20年・30年と、もう開校当時からずっと通ってくれている方もいます。
それはやはり、家庭的で日々楽しい雰囲気を作ってくれている先生のおかげです。
みんなに英語が好きになってほしい、そんな思いを持った先生たちにいつも助けられています。
テマセック外語学院は生徒の能力に合った最適なコースを用意できる
── 現在、テマセック外語学院にはどのようなレッスンコースがあるのか教えてください。
英会話クラスには、子ども英会話として幼児・小学生・中学生クラス、高校生以上の大人向けには、初級・中級・上級クラスを設けています。
幼児のお子さんの場合は、保護者の方から離れてのレッスンとなりますので、それが大丈夫な頃合いから始めていただけます。
大体3歳ぐらいから始められる方が多いです。
小学生なら、Gogo 1クラス、Gogo 2クラス、それから Let’s Go 1というように、使用するテキスト名でクラスを分けています。
中学生になったら、Let’s Go 2・Let’s Go 3というように、テキストが進んでいきますよ。
どのクラスも少人数制なので、生徒さんの英語力をよくみて、適したクラスをご案内します。
── クラスは年齢で分けるのではなく、能力別ということでしょうか。
全てのクラスがそうとは限りません。
たとえばですが、小学生なら大体1年生から3年生くらいをひと括りにして、かつ能力を見る、という感じです。
稀に小学3年生くらいでも、よくできる子は5年生や6年生と一緒に学ぶこともあります。
とはいえ、学年があまりにも離れているのは、あまり望ましくないんです。
ですから英語の実力が同じくらいだったとしても、小学校1年生の子と小学5年生を一緒のクラスにすることはありません。
やはり知識レベルや理解力が違いますからね。
入校のタイミングで適したクラスがなければ、新しくGogo 1のクラスを作ったり、臨機応変に対応していますよ。
その辺は長年やってきたノウハウもありますし、実際にレッスンを担当する先生たちと一緒にミーティングをして決めています。
また、年に2回テストをして理解度を見たり、生徒さんのことをよくわかっている先生からの勧めで上のクラスに上がってもらったりなどもあります。
── 適宜、生徒さんそれぞれに1番適したレッスンを提供しているのですね。
そうですね。
大人のクラスに関しては、Side by Side 1、Side by Side 2というテキストを使う初級、Side by Side 3、Side by Side 4の中級、それからHeadway や New Headway を使う上級という分け方になります。
それ以上だと、英字新聞の記事で勉強したりとか、フリーでいろんなトピックを会話したりなど、生徒さんの要望も取り入れながら英会話を楽しんでいますよ。
── 1回のレッスンはどのような流れになっていますか?
当校は1時間授業なので、テキストを30分行い、残りの30分でフリーカンバセーションをするのが基本的な流れです。
テキストをやって、その後わからないところがあったら、それもフリーカンバセーションで解説したりします。
フリーカンバセーションの時間は、「先週はどんなことをしましたか?」と質問したり、最近の時事ネタなど色々な話をしています。
また、当校のこだわりといえば、教室に一歩入れば、全て英語で話すことにしています。
当校の先生はみんな日本語がとても上手なのですが、せっかくネイティブの先生が来ているので、できるだけ英語で話す時間にしてほしいんです。
それこそ「テキストページを開いてください」なども全て英語です。
大人でも子どもでも、最初は皆さん戸惑います。
でも、慣れたら子どもさんは飲み込みが早いですから。
それはもうびっくりするぐらい発音も綺麗になりますし、流暢に“See you”って言って帰りますからね(笑)
もちろん幼児さんとか小学生の生徒さんで、「ちょっと文法がわからない・・・」というときは、日本語で説明します。
テマセックのレッスン料金が安いのは英会話を気軽に楽しんでほしいから
── 英語教室を運営するにあたって、今までお聞きした以外に何かこだわりはありますか?
強いて言うなら、レッスン料を多くいただかないこと、でしょうか。
一時期、生徒さんがとても増えて、ここの教室スペースだけでは足らなくなったときがありました。
周りからは「支店を出さないか」とか「西神の方にもう1つどう?」という話もあったんです。
でも、私はあまりお金儲けというか、そこまで教室を大きくすることに関心がありませんでした。
生徒さんたちと和気あいあいとやっていく方が性に合っていると思って。
この兵庫という地域柄、レッスン料が高くて立派な教室よりも、とにかく来て楽しんでもらうことが1番。
ですから、もっと自由に活動できるようになったら、春にはハイキングに行ったり、テニス合宿もしたいですし、12月にはクリスマスパーティもしたいと考えています。
生徒さんが来やすい料金に設定しているのは、こちらも皆さんと一緒に楽しみたい、という私なりのメッセージかな。
── なるほど。藤岡さんの思い、とても伝わりました。
そうでしたか、良かったです。
シンガポールに駐在していた時も、人との繋がりが楽しかったから、そういう繋がりを気軽に作れる場でもありたいと思っています。
私もできるだけ運営に負担を感じたくなかったので、家の敷地内にあったガレージにビルを建てることにしたんです。
── 生徒さんたちにとっても、アットホームで楽しいレッスンを低料金で受けられるのはありがたいことですよね。
英会話スクール開校以来33年の歴史から見る口コミの力
── 先程のお話でふと思ったのですが、ビルを建ててから教室を始めたのですよね。とても思い切りが良いと言いましょうか・・・。
いや、あのときは40歳になったばかりで若かったので出来たんだと思います。
教室を始める前に、この4階建てのビルを建てて、シンガポール大学を卒業した先生3人に来てもらい、「さあ、やるぞ」って張り切ってチラシも作って・・・。
それで蓋を開けたら、集まった生徒数は20人くらい。
予想していたよりも集まらなかった、というのが本音です。
先生3人も抱えて、正直どうしようかな・・・と冷や汗モノでしたよ(笑)
── 最初から順風満帆ではなかったのですね。
そうなんですよ。
「また新聞社に戻るのも難しいしな」と思ったり、とはいえビルも建ててしまったので本当に悩みました。
そんな時、一緒に働いていた後輩の記者がフラッと来てくれたんです。
「先輩どうですか?」って聞かれたものだから、正直に事情を話したら、神戸新聞の教育のページに大きな記事を書いてくれました。
記事を書くなど何も聞いていなかったので、紙面を見たときはびっくりしました。
そして同じ釜の飯を食った同人のありがたさをしみじみ思いました。
また、シンガポールで仲良くなった記者も現地で当校の記事を書いてくれました。
「日本・神戸でシンガポールの先生が活躍しています」“Teaching English in Japan”というように。
同時に中国語の新聞にも掲載してくれました。
この記事のおかげでものすごく反響があり、当時、廊下にまで生徒さんの申し込みの列ができるぐらいでした。
そのあとはあまり広告を出したり宣伝もしていないんですけども、おかげさまで口コミとかで広がって今に至ります。
1989年の開校から今で33年。
当時高校生クラスに通っていた生徒さんが、大人になって娘さんを連れて通ってくれ、その娘さんがこの間20歳になりました。
色々ありましたが、つくづくいい経験をさせてもらっているなと感じます。
── 33年ともなると、2世代に渡って生徒さんを見られる、そんな年月なのですね。
神戸市兵庫区に住む英語初心者の方へのメッセージと無料体験レッスンのご案内
── 2022年4月から新体制でレッスンが始まりますね。体験レッスンなどはありますか?
ええ、もちろんご用意していますよ。
当校のホームページに「無料体験レッスンのお申込み」と赤い丸の部分がありますので、そちらからお申込みいただけます。
最初10分~15分ぐらいかけて、先生から質問などをしてレベルチェックを行います。
これは幼児さんには行いませんが、小学生以上にはレベルチェックとヒアリングをしていますね。
体験レッスンに来られた人から「初心者コースでお願いします」と言われても、実際にヒアリングしてみたら初心者どころかかなり上級者、という方も中にはいらっしゃいます。
ですので、レベルチェックしてから、一番合ったクラスをご案内し、体験していただくようにしています。
── かしこまりました。最後に、これから英語を始めたい方に向けて、何かメッセージをいただけますか?
実際に英語を話せるようになると、色々な国の方と話せるようになります。
特に英語は、シンガポールやフィリピンなどのアジア圏でも通用します。
もしかしたら「シンガポールの英語ってどうなの?」と思われる方もいるかもしれません。
しかし、考えてみてください。イギリスの英語とアメリカの英語だって違います。
◯◯英語、と固く考えず、英語自体は共通ですから、やはり世界中の方とコミュニケーションできるのが英語の魅力だと思います。
それに、英語を学ぶことで自分自身の視野が広がります。
私自身も学生時代に大学を1年サボって、1年間ヨーロッパを周って、本当に様々な体験をしてきました。
外に出ることで、自分の知らないことや新しい発見がある。日本とは違う文化に触れることは、人生を豊かにする。
英語のおかげで、その後の人生がカラフルに彩られた。そのように感じています。
だからこそ、今からの若い人には英語に触れてほしいです。
英語だけじゃなく、中国語でも他の言語でももちろん構いません。
視野を広げるという意味で、若いうちから英語を、外国の言葉を、是非学んでほしいと思います。
── 心のこもった藤岡さんのメッセージ。きっと読者の方にも届くと思います。本日はありがとうございました。
テマセック外語学院の基本情報
教室名 | テマセック外語学院 |
---|---|
所在地 | 神戸市兵庫区塚本通8丁目1-11 |
費用 | 幼児:6,600円、小・中学生:7,150円、一般:7,700円 |
レッスン時間 | 幼児40分、小、中学生50分、一般60分 |
講師 | 全員外国人で授業は英語で行っています。 |
オンライン授業 | 希望者にはオンライン授業も実施しています。 |
営業時間 | 火曜日―金曜日午後2時~同9時10分 土曜日午後1時30分~同8時 |
電話番号 | 078-578-2888 |
公式HP | https://www.temasek-kobe.com |
SNS | Facebook |
テマセック外語学院の位置情報
※ 取材時の情報を掲載しています。最新情報は直接、テマセック外語学院へお問い合わせください。
神戸で英語と中国語が学べるテマセック外語学院の取材後記
インタビュー中、終始穏やかな雰囲気でテマセック外語学院の紹介をしてくださった藤岡さん。
その素敵なお人柄から、先生や生徒さん、また以前勤めていた勤務先の方々にとっても、頼り頼られる存在だったのだろうと感じました。
シンガポールとの強い絆から始まったテマセック外語学院。
2022年春から新しい先生を迎え、英語のレッスンのみならず、中国語レッスンもどんどん充実していく模様です。
藤岡さんの言葉をお借りするなら、「外国語を学ぶこと」は人生をカラフルに変えるきっかけになると言えます。
コロナが始まって丸2年。溜め込んでいたあなたの内なるパワーを、テマセック外語学院で育ててみませんか?
取材日:2022年3月15日
取材/文:小原亜紗子
写真: テマセック外語学院 提供