栃木県宇都宮市と小山市に2つの拠点を持つ英語専門塾「英語専門アカデミック・ロード」さんにインタビューさせていただきました。
アカデミック・ロードさんは、今から22年前の2000年に、代表の塚原さんが「知る人ぞ知る高校生専門の英語塾」として始めました。
しかし今や、小学生・中学生を含めた約170名もの生徒さんが通う教室へと大発展を遂げます。
今回のインタビューでは、その成長のカギとなった「多読」や独自のカリキュラム「6Skills」など、塚原さんの英語学習指導への想いをお聞きしました。
英語が全く話せない初心者の方から、留学や英検取得など具体的な目標を持っている方にもおすすめしたいアカデミックロードさんのレッスン。
早速取材させていただきましたので、その様子をレポートします。
英語専門塾での講師経験を経て「英語専門アカデミック・ロード」を開校
── 最初に、アカデミック・ロードを開校したきっかけをお聞かせいただけますか?
当校は2000年に開校しました。それまでの経緯をさかのぼると、大学を卒業してから東京の会社に勤めていたんです。
都内で会社員として働きつつも、漠然と「自分で何かやりたいな」と思っていました。
ただ、「絶対に自分で会社を起こすぞ!」という感じではなくて、「フリーランスとして生きていきたいな」と思っていましたね。
アカデミックロードを開校する大きなきっかけとなったのは、私が25歳くらいの時です。
母が病気になり、介護が必要だったので、実家の茨城県に戻りました。
実家に戻って介護をしながら働くことになるので、転職して、茨城県内の英語塾で講師として働くようになりました。
── なるほど。東京でも英語の業界にいたのですか?
いえ、都内では建設関係の仕事に就いていたので、英語の業界ははじめてでした。
でも、私は元々海外に行くことが好きだったので、英語に関しては、大学時代に英検準1級レベルにはなっていたんです。
1社目の会社を辞めて、実家に戻るまでの間に思い切って留学をして、それでこの業界に入ったという形です。
── 大学時代にすでに英検準1級レベルとは・・・英語がお好きだったんですね。
私は「英語が好き」というよりは、小さい頃から地理や世界の文化などが好きだったんです。
5・6歳の時に、親から地図帳と地球儀を買ってもらったことがきっかけで、そこから世界に対して興味を持ち出した、というのが私の英語のスタートです。
── ご両親からは「地球儀から英語に興味を持ってほしい」というような意図があったのでしょうか。
全然そんな意図も何もなかったと思いますね。
うちは兄弟もいるんですけど、兄弟は全く興味を持っていませんでしたし、私が単純に「好きだった」ということだけですね。
好きすぎて、もう穴が開くほどと言うか、破れるぐらい見ていました(笑)
── 興味のパワーってすごいですね。その「好き」な気持ちから、努力を重ねて英検準1級まで取ったということですか?
そうですね。でも、そこまで努力したという感じではなかったかもしれません。
正直、高校の頃はそれほど英語が得意ではなくて、勉強としての英語ができるわけでもありませんでした。
英検準1級に合格したのは、大学に入ってから自分で海外に行き始めて、実際に自分で英語を使うようになってからです。
好きなことをするために必要だったから、どんどん吸収できたというか・・・。
── その英語力もあって、2社目の就職先では英語講師になったというわけですね。
ええ。25歳で茨城県に帰ってきて、英語講師として2年・3年とするうちに、私の中で次第に「自分でやっていけそう」と自信がついてきました。
それで28歳の時に「高校生専門の英語塾」としてアカデミックロードを始めた、という流れです。
── なぜ「高校生専門」として始めたのですか?
当時は既に小学生・中学生向けで英語を教える所はたくさんありました。
たくさんお教室がある中で、当校を選んでもらうには、自分の強みをしっかり押し出さなくては差別化できない。
私がそれまで指導していたのは高校生だったので、その経験を生かして「高校生専門」の英語塾としてスタートしました。
スタートから少しして、自分の中で「もう少し学びたい、リーティングを強化したい」という気持ちが湧き上がり、2005年に大学院に行き直しました。
そこで多読多聴という学び方に出会ったんです。
多読多聴は知れば知るほど深く、日本多読学会にも入って様々な研究に携わることができました。
そして2007年から多読多聴をレッスンに取り入れたところ、より充実したレッスンになりましたし、会社自体も大きく飛躍するきっかけにもなりました。
教室の特徴は多読多聴を取り入れたオリジナルのカリキュラム
── アカデミックロードでの学習にはどんな特徴があるのか教えていただけますか。
先程申しました多読多聴を学習内容の1つの軸に入れています。
また、それと同じく力を入れているのは、英語を書く=ライティングの部分です。
読む・書く・聞く・話すの4技能+多読と、ライティングを入れると、今度はどう自分の思考を展開していくか、つまり「考える」ことがものすごく重要になります。
その「考える」というところまで入れて、当校では ”AR 6Skills“ と名付けました。
その6Skills をどのように生徒さんに指導していくかが当校のカリキュラムの基本となります。
今現在、この6Skills をベースに、C1〜C7までの7つのレベルに分けたカリキュラムがあります。
また、2022年以降の展開になりますが、C0というレベルも作り、低年齢の英語初心者のお子さんにも、楽しく学んでいただける内容を作っていく予定です。
──このC0〜C7といったレベルは年齢ごとに分けていますか?それとも生徒さんのスキルを見て分けているのでしょうか?
ある程度は年齢で分け、生徒さんのスキルも見て判断しています。
あくまで目安ではありますが、たとえば C0だったら本当に初級者、C1は英検5級レベルを目指す内容、一番レベルの高いC7だと、英検準1級レベルを目指します。
このようにご説明すると、保護者の方や生徒さんも「自分のレベルはどこに当てはまるのか」が理解しやすいと思って英検をベースに表現しています。
本当のところ、私たちとしては “CEFR” を使っていきたい気持ちなのですが、日本では CEFR があまり浸透していないので、英検に少し寄せているところもありますね。
※ CEFR:外国語の学習、教授、評価のためのヨーロッパ共通参照枠。全部で6段階ある。
ただ、このレベル分けで問題になってくるのが、小学生の場合です。
小学生は母語(日本語)の語学運用能力がまだ低いので、英語ができるからといってどんどん上のレベルに上げるべきか、クラスを作る上で非常に検討を重ねる部分なんですね。
2022年度は、小学生の C4が英検準2級に合格するレベル、としています。
今はこの C4を一旦小学生の頂点としています。
ここまではやはり、小学生は小学生として学んでもらう。
それ以上のレベルを持つ帰国子女の小学生であれば、中高生と一緒にやる、という考えで展開しています。
ですので、帰国子女ではない小学生の生徒さんの場合は、年齢ごとの能力を考慮した上で順を追って丁寧に教え育てていく。
そんなイメージでやっていけたらと思っています。
──なるほど。年齢・能力にあった語学学習を提供していくための大事な考え方ですね。
人との関わりを通して英語が身につく雰囲気づくりを心がけている
──アカデミックロードのレッスンはどんな雰囲気なんですか?
当校では、先生が生徒さんと近い距離で教えるという「ユニット」という形でやっています。
ユニットによって「学び合いができる」ということをコンセプトにしているんですよ。
学び合いとはどういうことかと言うと、「先生と生徒」という関係だけではなく、一緒に学ぶ生徒さん同士も関わり合うこと。
たとえば A さんがライティングをする際には、B さんから書く内容の案を出したり。
書いた内容を聞いて人の意見を知る、意見を聞いて自分はどう思うか考えてもらう。
つまり人を知って自分を知る。
そこで語学を学んでいくことが、一番効果的なんじゃないかと考え、私たちはこのユニット制を大事にしています。
また「ここに来たら楽しい」「今日も行きたいな」って思えるような場づくり・雰囲気作りを心がけています。
── 具体的にどんなことを心がけていますか?
できるだけ私たちが英語で話しかけることと、生徒さん同士が話しやすい場を作っていくことにとても気を付けています。
話がしにくいと、せっかくの少人数ユニットが活気のないものになってしまいます。
活気を持たせて、生徒さん同士でどんどん話せる、お互いの意見を言いやすいような空気作りがユニットの要だと思うんです。
たとえば日本人の子どもって「間違えるのが怖い」みたいなところがあるんですね。
でも当校では「日本語でもいいから話す」ところをスタートにしていますね。
特に C1~2レベルの低学年の生徒さんだと、私たちの話す英語を聞いて意味はわかるんだけど、やっぱりリアクションは日本語になったりすることが往々にしてあります。
でも「それで全然いいですよ」と言っています。まずは萎縮させないことが大事だからです。
年齢が上がるにつれ、多読によるインプットが増え、ライティングのレベルも上がり、アウトプットの機会も増えていきます。
アウトプットの機会が増える=話すことに繋がってくるので、徐々に英語で話すことに違和感や抵抗がなくなってくるんです。
そうすると徐々に日本語の割合が減り、英語の割合が高くなってきますので、着実に成長していけます。
だから焦らなくても大丈夫です。
── 安心できる学び場なんですね。
アカデミック・ロードの講師は英語教育に熱意がある英検1級保持者
── アカデミックロードにはどんな講師の方が在籍していますか?
当校のスタッフは、英検1級に合格しているネイティブ講師、もしくはネイティブ相当の語学力を持った日本人がメインです。
英検1級、もしくはTOEIC900点以上のスコアを持っている、留学経験がある方など、そういったレベルの講師がほとんどですね。
── ハイレベルな講師の方々なんですね。
資格やTOEICなどのスコアが高いことも、それだけの語学力がある1つの指標なので、大事ではあります。
でもやっぱり英語教育に熱意があるということが一番重要だなと思っています。
当校は小学生・中学生・高校生と子どもの生徒さんへ英語を教える場所です。
ですので「なんでわからないのか」というスタンスではいけません。
「この子は何がどうわからないのか」をかなり落とし込んで細やかに指導していくことが必要になってきます。
だからこそ、やっぱり英語教育が好きな方、熱意のある方がいいですね。
私達は常日頃「どういう教え方をしていくか」という教え方の研究をしているんです。
より良いものを提供できるよう「こんな英語教育のワークショップがあるよ」「◯◯の講習受けてきたよ」ってみんな色々見つけてきてシェアしてくれています。
ただスコアが高いだけでなく、「英語教育に携わりたいか」「熱意があるか」という方が、とても大事だと思いますね。
そういうスタッフたちが今現場で頑張ってくれています。
小学生から高校生まで学生の英語レベルや目的に添ってフォローする体制がある
── アカデミックロードにはどんな生徒さんが多いですか?
当校はやっぱり一番多いのが高校部ですね。高校部に今70人ぐらいの生徒がいます。
最近は小学生の生徒さんが増えてきていまして、50〜60人ぐらいおられますね。
その次は中学生で40〜50人というところですね。
── たくさんの生徒さんがいらっしゃるのですね。
当校は今、栃木県の小山市と宇都宮市に拠点があります。2000年に小山校が最初にでき、2015年に宇都宮校ができました。
小山市の教室は、私がもう20年以上やっているので、ほとんど口コミでいらっしゃる方が多いです。
純粋に英語を楽しく始めたいと思って来られる方が多い印象ですね。
一方で、宇都宮市は県庁所在地ということもあり、保護者さんの教育への熱意が高いと感じますね。
保護者さん自体が高学歴の方、留学経験のある方、海外赴任後のご家庭など、そういったご家庭が多いのが宇都宮校の特徴です。
そういったこともあり「うちの子の英語レベルはどのくらいなのか」を気にされる保護者さんも非常に多いです。
お子さんが楽しく英語を学べる環境や、学習内容をつくるのはもちろんなのですが、当校では、“SGS”(Students Goal Setting)といって生徒さんの英語レベルを目で見てわかる診断表を年に3回お送りしています。
これは単なる通知表ではありません。
生徒さんの夢や目標に沿って、「今どれぐらいのレベルで、どういうことができるようになっているのか」といった学習進捗であったり、「どんな姿勢で授業に参加しているのか」といった内容も入っています。
── 数字だけでない部分も共有してもらえるのは安心ですね。
そうですね。講師と生徒さん、保護者さんときちんとコミュニケーションをとりながら学習を進めていきたいと考えています。
また年に1回、私が保護者さんとzoomで面談をして、学習への姿勢や成長度合いなど、きめ細かく話す場も設けています。
やはり、会話することでより分かりあえる部分があると思いますので、こちらも続けていきたいですね。
目標は「高校2年生で英検準1級合格」と「大人になっても使える英語力の取得」
── 今までのお話以外に、アカデミックロードの強み・独自性というと、どういったところがありますか?
当校は基本的に高校2年生で CEFR の B2ぐらいのレベル、つまり英検準1級に合格するという目標を掲げてやっています。
ただ、英検準1級という「試験に合格する」というのはあくまでも過程であって、その根底には「広い視野で学んでほしい」という想いがあります。
私がレッスンに多読を取り入れたことも、ライティングに力を入れていることも、その想いからなんですね。
語学って結局は使っていくもの。
英語を使うことで子どもの思考力UPにもつながりますし、最終的に生き方にまでも寄与できればいいなと心から思っています。
生徒さんにとって、当校で提供している学びから、いずれ進学したり留学をしたりなど、一人ひとりの人生の選択で何らかの役に立てば嬉しいです。
学ぶことで豊かな人生になるお手伝いができれば本望ですね。
── アカデミックロードを卒業した生徒さんはどんな人生を歩んでおられるのでしょうね。気になります。
実は一昨年の2020年で当校は20周年だったので、20周年誌を作ったんです。
その際に、今までの卒業生にも声かけしたところ、多くの方から寄稿いただいて、「今どんな仕事に就いたのか」なども、その時に知るきっかけになりました。
卒業生の中には、都内の有名な難関大学に進学し「NHKのアナウンサーになりました」という方もおられてビックリしましたし、海外留学した人も多かったです。
自動車会社のホンダでエンジニアになった人もいました。
あと「高校の英語の先生になりました!」という人も結構多いです。
英語の先生になった卒業生とは今も連絡を取り合う仲ですね。
当校は長年多読をやっていますが、その卒業生たちも多読が好きだったので「高校でも多読をやりたいんですけど、どういう書籍がありますか?」「どういう書籍のラインナップを高校で購入したらいいでしょう?」って聞かれることがあります。
それに対して「うちはこういうのを買っているよ」「この書籍から始めたらどう?」って教えてあげたりしていますね。
やっぱり卒業生が、同じ業界・世界に入ってきてくれるのは本当に嬉しいです。
── 活躍されている方がたくさんいて、またその関係性が続いているのも素敵ですね。
宇都宮市・小山市で英語学習を始めたい方へメッセージ
── アカデミックロードでは、体験レッスンなどはできますか?
1ヶ月体験(有料)という形を設けております。
当校は多読をはじめ、少し特殊なレッスンをやっているので、1回の体験だとその効果がわかりにくいと思いまして。
それで1ヶ月体験という形をとらせていただいています。
1ヶ月体験の費用は、小学生・中学生・高校生で料金は変わりますので、まずはお気軽にお問い合わせいただけたらと思います。
── かしこまりました。最後に、宇都宮市・小山市にお住まいの方へ何かメッセージをいただけますでしょうか。
当校では、2022年に別法人としてNPOを立ち上げます。
今までアカデミックロードとして、多読・多聴をやってきました。
英語の本を読む海外の文化、素晴らしさを広めたいという想いで、宇都宮市や小山市の小学校や図書館で、出前講座のような形で読み聞かせなどをしていました。
その活動を独立させて、今までよりもさらに地域にコミットしていく。
そういった想いで「イングリッシュシャワーイン栃木」というNPOを立ち上げる予定なんです。
この活動を通して、地域の方々に、「まずは英語の本を身近に読んでほしい」と心から思っています。
大人が日常的に英語の本を読むことで、その姿を見た子どもさんが英語に興味を持ったりすることもあると思うんです。
お父さん・お母さん方の中には「自分は英語が下手なので読み聞かせができない」とおっしゃる方がいます。
でもそんなことに気後れせずに英語の本をどんどん読んでほしいなって、思っています。
地道な活動ではありますが、みなさんにとって英語が身近になるようなきっかけ作りも頑張っていくつもりです。
── 素敵な活動ですね。応援しています。本日はありがとうございました。
英語専門アカデミック・ロードの基本情報
教室名 | 英語専門 アカデミック・ロード 宇都宮校 英語専門 アカデミック・ロード 小山校 |
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所在地 | 栃木県宇都宮市伝馬町1-6 4F(宇都宮校) 栃木県小山市城山町2‐9‐18 野沢ビル2F(小山校) |
費用 | ¥9,900(税込)~ |
レッスン時間 | 17:00~22:00 |
講師 | 9名 |
オンライン授業 | 有 |
営業時間 | 14:15~22:00 |
電話番号 | 028-678-2782(宇都宮校) 0285-24-5583 (小山校) |
公式HP | https://www.english-ar.com/ |
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英語専門アカデミック・ロードの位置情報
栃木県宇都宮市伝馬町1-6 4F(宇都宮校)
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※ 取材時の情報を掲載しています。最新情報は直接、英語専門アカデミック・ロードさんへお問い合わせください。
初心者から英検準1級取得を目指すアカデミック・ロード の取材後記
高校生専門の英語塾としてスタートしたアカデミックロードさんですが、今は小学生から英語をはじめる生徒さんも多く、2022年からは初心者向けのカリキュラムも新設されます。
アカデミックロードさんでは、生徒さんごとの目標設定と学習進捗を保護者の方とも共有できる“SGS”(Students Goal Setting)を使って、学力向上に向けて丁寧なコミュニケーションを行っています。
「塾」と聞くと、教壇から先生が一方向に教える、というスタイルが頭に浮かびます。
けれどもアカデミックロードさんは少人数ユニットという形で、楽しく話しやすい活気ある雰囲気のお教室です。
ABC に興味を持ち始めたお子さんから、具体的な目標のある方も、アカデミックロードさんの多読を取り入れた英語の世界に Step in してみてはいかがでしょうか。
取材日:2021年12月28日
取材/文:小原亜紗子
写真:英語専門アカデミック・ロード 提供