上杉英会話教室の授業風景

「上杉英会話教室(仙台市)」は、幼稚園から中学生までの子どもを中心に、『英語多読法』を取り入れたレッスンが人気の英会話教室です。

小学校低学年の生徒さんが読む洋書の絵本の数は、なんと年間で100冊以上。それだけ徹底して英語の多読を行えば、かなりのリーディング力が鍛えられそうですね。

もちろんただ読むのではなく、講師は口頭で極めて簡単な質問などを通して、生徒に音声インプットにも慣れてもらっています。その後の質の高いアウトプット(英会話)に繋げていきます。

今回は教室の代表であり、現役の大学教員であるサム・マーチーさんにインタビューを行いました。こだわりのカリキュラムについてお聞きしましたので、さっそくレポートします!

上杉英会話教室 開校のきっかけは「英語多読法」との出会い

上杉英会話教室の講師(サム・マーチー)

── はじめに、「上杉英会話教室」を開いたきっかけについて教えてください。

私は北米の大学を卒業し、日本語と英語の両方の細かいニュアンスまで把握し、且つ、両言語を上手に操る力が必須だった法律事務所の仕事に就いていました。

とある出会いを通して、日本の大学で英語を教えないかと声がかかり、2013年に大学教員へと転職しました。

そこから、宮城県の大学の英語の専任教員になったんです。

はじめはネイティブスピーカーとして、経験と直感に頼って英語を教えていましたが、成果が実感できず、行き詰まりを感じ、書店に並ぶ英語必勝本などを隅から隅まで読みました。

ですが、どれも成功例を掲載していたものの、再現性のある成功例とは感じられず、日本で通用する英語学習法は果たしてあるのか、という疑問と諦めに近い気持ちになっていたんです。

そんな中、仙台駅の近くで開催されたセミナーを通して「英語多読法」に出会いました。

── 「英語多読法」とは、どういったものなのでしょうか?

簡単に言えば、自分のレベルにあった本をたくさん読み、頭の中にある英語の貯蓄量を増やすことからスタートする英語学習法です。

読んだことがない英語は書けるはずがないし、聞いたことがない英語は話せるはずがありません。膨大なインプットを獲得して、中長期的にアウトプットにつなげていくのが英語多読法です。

やはり、語学習得の究極目標はアウトプットであり、その視点を忘れてはいけません。

「英語多読法」を導入し、大学レベルで学生の点数に伸びがみられ、そして、クラスの半分以上の学生が英語に対する抵抗感も減ったということがアンケートを通して確認できました。

小学校低学年のうちからしっかりした英語を多読していれば、中学校・高校の英語もこわくなくなり、逆に英語が得点源にもなってきます。

小学校のうちからしっかり多読をやっている子は、英語は有能感と自己達成感の源になり、恐怖と緊張の根源ではなくなるであろうとの期待があり、2019年に「上杉英会話教室」を開きました。

── 「英語多読法」に確信を持ったのには、他にも理由がありますか?

じつは、私がはじめて日本に来たのは小学2年生の時で、高校卒業までずっと日本で過ごしました。

日本に来た当時は英語しか話せませんでしたが、両親はインターナショナルスクールではなく、私と私の3姉妹をそのまま日本の学校に入れたんですね。

ですので、はじめは日本の学校で周りの人の話を聞くだけの生活が半年近く続きました。

そうしていると7、8ヶ月経ったあたりから、徐々に理解できるようになり、数単語単位で友達と話せるようになりました。

余談ですが、言葉が分からずつらかった時に心の支えになったのは、「サム、今日一緒に帰ろう!」というお誘いでした。言葉の力は本当にすごいです。

その後、普通に作文を書けるようになりました。中高でも、時には学年順位で一桁内にはいることもありました。

小学校のうちに吸収した学校からの日本語が、質の高い、文脈にあったアウトプットにつながっていました。

アウトプットは膨大なインプットの上に成り立っていることは、自分自身の体験からも明らかで、英語多読法はこの法則に基づいているのです。

上杉英会話教室の子は年間に100冊以上もの洋書の絵本を手にする

上杉英会話教室の生徒1

── それでは、インプット重視のレッスンがどんなものか教えてください。

オックスフォード出版などが出版している洋書の「絵本」を読み込みます。自力で読めないときは、私による聞き読みなどで、どんどん聞いていきます。

低学年の生徒さんなら、年間100冊以上もの洋書の絵本に触れていますよ。

多読では教材選びがとても大切です。英語が完璧に読めなくても、挿絵を手掛かりに活字の意味を推測できるレベルの本にすることが必須条件といえるでしょう。

適切な本の選択には、先生による生徒の観察と個々の生徒の英語力の把握が極めて重要です。

だが、授業で聞く英語だけではインプット量が足りません。補足として、週1回の宿題動画を各クラスのために作成し、LINE Groupに配信しています。

それは8割以上が英語ですので、貴重なインプット機会です。

── オリジナルの宿題動画とは、かなり手厚いフォローですね。

動画を使うメリットの一つは、私の口元の動きをゆっくり見ながら学べることです。とくにコロナ禍でマスクが必要だったとき、口元が見えない中でのレッスンでした。

アニメキャラクターではなく、私自身が動画に映り、話しているので、私の口元の動きを目でもみながら、英語を聞けます。つまり、目も使って聞くわけです。

「宿題動画」は週1回、毎回私が撮影して、保護者の方にLINEで送っていますので、ワンクリックで家でもミニレッスンになっています。

もちろん、追加料金などなく、通常の授業料に含まれているサポートです。(以下参照)

上杉英会話教室では英単語テストやフォニックスにも力を入れる

上杉英会話教室の生徒2

── 「絵本の多読」の他には、どのようなレッスンをされているんですか?

まず小学生クラスなら、歌でレッスンをはじめますが、そうすることで、ただ単に「Stand Up! Hello Everyone! Let’s begin our lesson.」とはじめるよりは100倍楽しいです。

そしてクラスの進捗速度に合わせた「英単語テスト」も行いますが、決して焦らないペースで行います。

これは英検の単語帳をベースにしたものですが、毎回簡単なテストをすることで、子どもたちが自分の「成果物」を自分の目で体験できる効果があるんです。

そして、「〇〇(生徒の名前)You got a 100! Great Work!」といいながらテストを返却します。

このようなやり取りを通して子どもたちは「私は英語を勉強している。」という意識が、「私は英語ができる。」という意識へと変わっていくことが多いです。

実際のところ、「僕、英語苦手!」というような言葉は教室内で一度も聞いたことがないです。

欠点を責める減点主義よりも、出きた内容に焦点を当てる加点主義を貫きます。どうしても注意しないといけないときは、個別で話をします。

これも余談になりますが、私が小学校4~6年生の時の担任の日下先生は一度だけクラスの前で私のこと褒めてくれました。本当にうれしくて、今でもその時のことを鮮明に覚えています。

その日下先生はまた、みんなの前で私の算数力不足を大きく叱りました。それを通して、「僕は算数が苦手なんだ。」とメンタル青写真ができあがり、高校卒業まで、算数の点数は平均以下でした。

やはり、先生が教室内でつかる声掛けの影響は予想以上に大きくて、このことは肝に銘じています。

── フォニックスについても、力を入れているとお聞きしましたが。

フォニックスの教科書を使って、文字と音の関係性を学ぶのはいうまでもないですが、実は、フォニックスの教材は細かい音を聞き分けるためにも最適な教材なんです。

というのも、大人になってから英語が聞き取れないのは、そもそも、意味を理解する以前に、話されている音が聞き取れていないことがほとんどです。

「聞くだけではわからないが、文字で見れば意味が分かる。」このような経験を持っている大人に沢山あっています。

これは、必ずしもリスニング理解力が低いという問題ではなく、意味以前の段階で、音そのものを聞き取れないことが多いからなんです。

幼少期に英語で使われてる”音”に触れる機会が、少なかったことが原因なんですね。

だから、意味以前の段階で、どのような音が聞こえてきたのか(知覚音声)がわかるように、小さいときから英語の様々な音に触れられるようにとレッスンと宿題を進めてます。

他の教室なら1冊2ヶ月ぐらいで終わるフォニックスの教科書を、当教室では1冊を1年間かけてやっているイメージで、みんなのフォニックスの本はボロボロです。

子どもたちから、「えー、もう嫌だよ」「いつレベル2に行けるの?」「本みなくても全部言えるよ!」というクレームが出て、初めて「フォニックスの基礎がやっと少しばかり浸透したな」と分かります。

「本を見なくてもわかるから次に行ってもいいんじゃないの?」っていうような言葉が出るくらいまで、フォニックスは丁寧にやり続けるべきです。

上杉英会話教室はレッスンを担当する講師と保護者の距離感が近い

── 上杉英会話教室が、他の教室とは違うポイントをおしえていただけますか?

私がネイティブスピーカーの講師としてレッスンを進めながらも、日本語でレッスン内容の説明や相談事項を保護者と話せることです。

保護者と二者面談できる米国出身の英会話講師は、一度もお会いしたことがありません。

大手英会話教室などは「ネイティブ講師がレッスンを担当し、カリキュラムなどの質問があれば、日本人スタッフに相談する」というスタイルの所が多いのではないでしょうか?

ですが、「この教材ってどうなんですか?」「この宿題のやり方について一つ聞きたい。」など、現場で教えている人間に聞きたいのが保護者の方の本音だと思うんです。

でも、他の教室では日本語ができるネイティブ講師を確保するのは難しいでしょう。

当教室では、実際にカリキュラムを作ってレッスンを展開している私が、日本語で自由に相談を受けられるので、現場の先生と自由に話せないといった不安はないかと思います。

また、レッスンの見学は完全に自由で、「毎回が授業参観OK」です。各教室の諸事情によるご判断だと思いますが、近隣の教室では年間3回の授業見学日や、保護者の見学を一切受け入れない、などあります。

良し悪しは別として、当教室の特徴、独自性の一つです。保護者が見学するかしないかは、子どもとその保護者の間で決めていて、完全に自由としています。

私は授業の内容にはかなりの自信があるので、たくさん見てもらうと、うれしいです。このように「子どもを通わせる保護者と、講師の距離の近さ」が、他の教室にはないポイントです。

── 講師との距離感が近いのは安心できるポイントですね。他にも何かありますか?

「今日はこういうことをやりました」と、レッスンの様子を動画などに撮って保護者の方に報告することもあります。

何をやったのかは、レッスンのプリントや私が時々撮る授業様子の動画を見れば分かりますが、大事なのは、「なぜ」それをやったのかを補足することですので、「What(何?)」と「why(なぜ?)」両方の説明を加えて送っています。

上杉英会話教室ではネイティブ講師のサム先生と帰国子女の夏菜先生が教える

上杉英会話教室の園児クラス

── それでは、上杉英会話教室の講師について教えてください。

講師は、ネイティブスピーカーの私と、帰国子女である私の妻(夏菜先生)です。

園児クラスは、夏菜先生が担当していて、大型カードでのゲーム、歌、絵本の読み聞かせ、ダンスなどを中心に体全体を使って英語に反応するレッスンスタイルです。

全身反応教授法(TPR)の研究でも明らかにされていますが、子どもは大人以上に五感をフルに使って学ぶことが大事というデータがたくさんあります。

しかし、やはり写真のように夏菜先生から大量の自然な英語をインプットする時間を大事にしています。

ちなみに、夏菜先生は今年の4月から名古屋学院大学の外国語学研究科修士前期課程に入学しました。

上杉英会話教室の講師2(夏菜先生)

あと、中学生の文法クラスは関東で30年以上英語教員の経歴のある講師(恵子先生)にお願いしています。

── レッスンで、講師の方が気をつけていることはありますか?

一番は、子どもたちのアウトプットを強制しないということと、とくに子どもが入室する時の子どもへの声掛けです。

子どもたちは、「喋りたくないから喋らない」のではなく「喋れないから喋らない」ことがほとんどです。先生がこの事実を意識するとしないとでは、大きくちがいます。

ですので、生徒が英語で答えられない場合は、答えやすくなるようにどんどんヒントを出します。このヒントも大事なインプットの一部です。

たとえば、「How old are you?(あなたは何歳ですか?)」「I’m eight(8歳です)」の受け答えを例にしてみましょう。

もし生徒が答えられなければもう一度「How old are you?」と聞き、そして「Are you seven or are you eight ??」「Are you one hundred sai ??」と続けます。

講師が代わりにしゃべってあげることで、生徒は講師の英語の中から答えを見つけますし、答えられないことから来るストレスを無くせるんですね。

上杉英会話教室から仙台市にお住まいの方へ体験レッスンのお知らせとメッセージ

上杉英会話教室の生徒3

── 上杉英会話教室に興味がある人は、どうすればいいですか?

当教室の公式ページにある専用フォームの「無料体験レッスン」のリンクから、ご連絡ください。最近では、夏菜先生による、大人の個別レッスンも始めました。

個別レッスンは基本平日の午前に開講できてますので、お気軽にご連絡ください。個別レッスンもまずは無料体験レッスンからどうぞ!

── では最後に、これから英会話教室をお探しの方へメッセージをいただけますか?

赤ちゃんでさえも母語習得のために最初の1~2年間は、思いっきり聴きます。

英語の習得も意図的に「聴き」に集中してください。インプット95%、アウトプット5%ぐらいからが目安です。

英語が話せない大きな原因は「初期段階でのインプットが足りないから」。

英語を喋れるようになるためには、まずは絵本などに使われる簡単で理解できる英語をたくさん「聴く」ことが大事です。

まずは大量のインプットを得て、今後の伸びしろを大きくしてください。

── 教室のアットホームで楽しい雰囲気と、教育理論にもとづいたこだわりのカリキュラムがよくわかりました!本日は、貴重なお話をありがとうございました。

上杉英会話教室の基本情報

教室名 上杉英会話教室
所在地 〒980-0011 宮城県仙台市青葉区上杉2丁目1−10 YWCAビル 3階
費用 幼稚園:9,500/月(日本人講師)
小学生:
13,400/月(日本人講師)
17,500/月(現役大学教員・ネイティブ講師)
レッスン時間 50分
講師 サム マーチー、夏菜先生、けいこ先生
営業時間 9:00~21:00
電話番号 090-8617-3195
公式HP www.sendai-kes.jp
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上杉英会話教室 の位置情報

※ 取材時の情報を掲載しています。最新情報は直接、上杉英会話教室までお問い合わせください。

英語を読めて話せる楽しさを!「上杉英会話教室(仙台市)」の取材後記

今回は、宮城県仙台市「上杉英会話教室」さんにインタビューを行いました。

代表のサムさんは穏やかな雰囲気で色々と相談しやすく、信頼して子どもを預けられる教室だと感じました。

中でも私が一番印象に残ったのは、オリジナルの宿題動画です。

インプットをとても大切にしている教室ということもあり、レッスン日以外でも常にインプットできるような環境づくりをしてくれるところがいいなと思いました。

しかもオリジナルで動画を作られているということで、教材へのこだわりも強く感じられます。

さらに生徒さんは、日本人が苦手に感じる『英語での自己紹介』をレッスン中に練習をすることで、街中で外国人と話す機会があったとき「私は、英語で話せるんだ!」と自信をつけているそうです。

上杉英会話教室しかない独自のカリキュラムが気になった人は、一度体験レッスンを受けてみてはいかがでしょうか。

取材日:2023年5月8日
取材/文:永谷知香
写真:上杉英会話教室 提供