大分県佐伯市にある、TES こども英会話さんにお話を伺いました。
今回インタビューさせていただいた TES こども英会話代表の藤原さんは、大学を卒業した後、大阪にある大手英会話教室の講師として活躍されてきました。
地元の大分県に帰ってきてからも、今まで培った英会話講師としての経験・知識を元に、「自分で教室を開こう!」とその歩みを止めません。
「英語だけに限らず、学ぶことの楽しさを地域の子どもたちに伝えていきたい」
インタビューを通じて、講師としてずっと走り続けている藤原さんの温かくゆるがない、英語教育への信念を知ることができました。
TES こども英会話での独自の学習方法や、英語を使った楽しい企画などについてもお聞かせいただいたので、その模様をレポートします。
TES こども英会話開校のきっかけは地元大分へのUターン
── まずは、TES こども英会話を開校したきっかけを伺ってもよろしいでしょうか?
もともと私が英語が好きだったのもあり、大学進学の際も英文科を専攻していました。
大学卒業後は、大阪の方で全国展開している大手の英会話教室に就職し、そこでは幼児から高校生ぐらいまでの子どもたちに英語を教えていました。
とても充実した日々でしたが、地元大分に戻って来ることになって・・・。
前から「地元に帰るんだったら自分で教室を開こう!」と思っていたのもあり、Uターン後すぐに教室を開いたという次第です。
── 学生時代から一貫して英語畑なのですね。いつごろから英語に興味を持たれたのですか?
実は私が初めて英語に触れたのは、全然早くなくて、普通に中学1年生の学校の授業です。
その中学1年生の時の先生が話す英語の発音に、とても衝撃を受けました。
初めて英語を聞いた私でも「いや・・・日本人のカタカナだよね?」って分かるような発音でした。
“This is the pen.”を「ディス イズ ザ ペン!」みたいな(笑)
そんな時、たまたま NHK で英会話のテレビ番組があったので試しに見てみたら、また衝撃でした。
中学の先生とは全然違う、綺麗な発音だったんです。
すっかり英語の音に魅了されて、英語を真似てリピートするのが楽しかったのと、その番組に出演されていた日本人大学教授とアメリカ人講師の2人の大ファンになって、毎週欠かさず観ていました。
英語の発音やイントネーションなどは、その番組から学んだといっても過言ではありません。
それから英語がどんどん好きになって、将来英語に関する仕事に就くのが夢になりましたね。
そして夢を叶えることができました。
TES こども英会話のレッスンは英語と数学を自由に組み合わせる方式
── TES こども英会話は、名前にある通り、こども専門のお教室でしょうか?
大阪で務めていた時には、幅広い年齢層の子どもたちへ英語を教えていたので、それをもう1度ここで再現しようと、こども英会話という教室名にして、英会話教室を始めました。
でも、開校してから様々なきっかけがあって、次々といろいろなコースができたという感じです。
── いろいろなコースと言いますと、こどもの英会話以外にどんなコースがあるのですか?
最初は、英会話のクラスと、中学生の英文法のクラスっていう2本で立ち上げました。
でもそのうちに数学も教えてほしいというお声を頂いて。せっかく頂いたお声なので頑張ってみようと思いました。
ただ、「教えるには自分も勉強し直さないと!」と思って、もう本当に猛勉強しましたね。
それで中学生に数学も教えるようになって、数学クラスが出来ました。
また2018年から「大人向けの英会話クラスがほしい」というお声をいただき、そのコースも作りました。
ですので「こども英会話」と看板を出していますが、今は3歳から大人の方まで来ていただいています。
── 中学で苦手になりやすい英語・数学が1つのお教室で学べるのはありがたいですね。
そう思っていただけたら嬉しいです。
とはいえ、「必ず英語と数学の両方をやってください!」という教室ではありません。
ご案内としては、小学校6年生から中学1年生に上がるタイミングで保護者会を開いてコース内容を説明しています。
「実は英語以外にこういうコースがあります」という感じです。
それでお子さんが中学校になった時に、どのようなコースにされるか選んでいただいています。
英会話だけを選ばれる方もいれば、英会話と数学の両方を選ばれる方もおられます。
※幼児から小学校までは英会話クラスのみです。
── 各クラスの内容を教えてください。
幼児から小学校6年生までの英会話のクラスは、週1回1時間です。
3歳~5歳くらいの幼児は、歌やチャンツを中心にしたテキストと絵本の読み聞かせを中心に行っていて、文字に関してはアルファベットとフォニックスを理解できるように指導しています。
小学生では会話や自己表現を中心にしたテキストと、短いお話を読んで内容理解や単語力をつけるテキストと読み聞かせをします。
また、「読み聞かせ」から「自分で本を読める」ように指導していきます。
そしてその子達が中学生・高校生になれば、英会話クラスはレッスン時間が1時間半になります。
多読+多話というスタイルでインプットとアウトプットをバランスよく取り入れて、英語で自己表現できるようにしていきます。
中学生を対象とした英語の文法と数学のクラスは、それぞれ週1回2時間。
多読クラスは週1回1時間、大人の多読クラスは週1回1時間半です。
すべて私が講師を務めます。
── 1時間半以上の授業って少し長く感じますが、生徒さんの様子はいかがですか?
中学生以上からレッスン時間が1時間半になっているのは、多読と組み合わせているからです。
多読をして、その後に多話(英会話)という流れでやっていると、両方が組み合わされているので、さっき多読で得たことを次は会話で実践!という感じで、 皆さんいい具合に集中していますよ。
── 多読・・・具体的にどんなものか気になります。
TES こども英会話では「多読」で英語力をつける
── 改めて、「多読」とはどういうものか教えていただけますか?
多読は、文字通り「たくさん読むこと」で、ルールが3つあると言われています。
まず1つめのルールとしては、「飛ばす」。
分からないところは飛ばして読む、80%以上の理解度で読めばOKです。
2つめは、日本語に訳さない。辞書を引かないっていうことですね。
そして3つめは、難し過ぎると思う本なら、もう投げる。
「その本は閉じていいよ、それ以上読まなくていいよ」っていうルールです。
── 本を投げてしまうのですか?!
一般的によくやりがちなのは、難しい本を手に取り、辞書を引きながら読むというスタイルだと思います。
でもそれは「読書」の妨げになると思っています。
辞書を引くということは、そこで一旦その本の世界から離れてしまって、日本語が介入するということですよね。
しかも、辞書に載っている単語の意味は1つだけとは限らないので、この場合どの意味かというのをまず考えなければいけない。
それで本に戻ったとしても、またそこの文章を読み返したり「あれ?何の話だったっけ?」って内容を忘れてしまいがちです。つまり、話の流れが途切れてしまう。
なので読書ではないと言うか・・・読書ではあるのですが、「精読」の方に近いと言えます。
※英語の精読とは、文中の文法や単語の意味などを細部まできちんと理解する読み方のこと。
それだと多分、勉強している気にはなると思いますが、自分の力になっているかというと、実はあまりなっていないことが多いんです。
自分のレベルに合った本や簡単な本をたくさん読むことが大切なんです。
多読では、知らない単語は文脈から意味を推測しながら読み進めていきます。
知らない単語がほぼ無い本を読むので、それが出来るんです。
そして、この「推測しながら読む」という技術を身につければ、知らない単語があっても怖くありません。
多読という学習法では、本人のレベルに対して難しすぎる本はあえて読みません。
徐々にレベルを上げながら読んでいけば、いつかは「ハリー・ポッター」のような洋書も辞書なしで読めるようになります。
── 多読のレッスンって具体的にどんなものか教えて下さい。
最初は絵を見てお話の内容が分かる、文字を見なくても分かるぐらいの簡単な絵本から始めます。
やり方は、まず最初は文字を見せず絵だけを見せて、どんなお話なのかあらすじを想像してもらいます。
その後、また文字を隠したまま、音声を流して聞いてみます。
その後でやっと文字を見て、「さっき聞き取れなかったのは、こう言っていたんだ!」 という様に、音と文字を一致させていくのです。
聞いた音と、絵本に書いてある文字が頭の中で一致するタイミングが、最初はズレているので聞き取れないのですが、聞き取れなかった所を文字を見て確認するのを繰り返すうちに、次第にそのズレが小さくなり、最終的にはそのズレが無くなって聞き取れるようになっていきます。
つまり、リスニング力がアップするんです。
多読は意味が分からなくても、前後の話の流れで「多分これはこういう意味」という推測をする力も付いていきます。
ですので絵がなくなった時でも、その推測力を活かして、筋を追いながら読めるようになってきますよ。
── なるほど。最初のイメージよりできそうな気がしてきました。この多読は小さいお子さんもしていますか?
いえ、幼児のようにあまり言葉を知らないうちに多読をするのは効果的ではないので、小さいお子さんのレッスンでは絵本の読み聞かせをします。
お母さんが小さい子に絵本の読み聞かせする時を想像してみてください。
お話の途中で「あ、雨が降ってきたよ」「ちょうちょが飛んでいるね」など、子どもの顔を見て語りかけながら読みますよね。
あれって日本語でも英語でも同じで、子どもの理解を深めるのにとても効果的なのです。
それを英語の絵本で楽しくやってみる、ということをしています。
小学生になると読み聞かせと並行して、自分で読めるようになるためのテキストも使っていきます。
私が簡単な本を見せていると、子どもってそのうちに文字を目で追うようになるんですよ。
自分で読みたくなるのでしょうね。
そのくらいになったら、もうそろそろ多読を初めてみてもいいタイミングです。
当教室では、幼児から英語を始めたお子さんが4年生・5年生になったくらいが多読を始める目安です。
── 出来ることが増えていくと楽しみも増しますね。その他にどんな練習方法を取り入れていますか?
毎回宿題として、メインのテキストで学習したページをスラスラ言えるように家でCDを使って練習してもらいます。
一週間何もしないまま教室に来たら、前回学習した内容を忘れてしまいます。この宿題をキチンとする子は伸びます。
宿題をする子としない子の差は歴然と表れます。
TES こども英会話が思う英語とは「大切なコミュニケーションツール」
── 英語の講師をしているなかで、藤原さんが大切にしていることはありますか?
元々私は、大阪でこの英語の講師という職業を始めました。
その時の面接で「なぜこの職業を?」って質問された時の答えが、今でも私の信念の1つになっています。
── どうお答えになったのですか?
「英語は単なる教科ではなくて、実際に使えるコミュニケーションの道具である、ということを子ども達に伝えたい」
このように答えました。この想いは今もずっと変わっていません。
日本の教育は、英語を日本語に変えて学んでいくスタイルです。
でも私は「英語を英語のまま理解する」という力を付けてあげたいなと思っています。
また、おうちの方に成長した姿を見ていただくために、毎年12月に発表会をしています。
子どもたちが舞台に上がって、英語でパフォーマンスをします。
小さい子はお歌だったり、「チャンツ」と言ってリズムに乗って表現したり、劇とか紙芝居もやったりしますね。
それから、中・高校生になると「英語落語」をやっています。
── 英語落語ですか?すごい!
当校のホームページにも動画を掲載しています。
動画に出てくるのは高校生の生徒さんなのですが、当校での学習歴が長くて、大体みんな幼稚園生の頃から通ってくれている子たちです。
英語を使ってとてもイキイキとパフォーマンスをしてくれました。
保護者さんと同じように、私も子どもたちの成長を感じますし、毎年みんなで楽しみにしています。
発表会の他にも、英語が実際に役立つコミュニケーションツールであると知ってもらうため、最近、海外と交流できる機会もつくりました。
ある程度のレベルになった子たちに、海外に住んでいるお子さんと、英語で手紙と写真を交えて交換をするというコミュニケーションです。
文通の現代バージョンですね。
こういった機会を通して、「教科」としての英語だけでは知り得ない、楽しさや可能性を感じてもらえたら嬉しいです。
TES こども英会話のレッスンで重視しているのは生徒さんの理解度
── 生徒さんに英語を教える際、意識していることなどはありますか?
当校では、「インプットなくしてアウトプットなし」と考えています。
楽しくたくさんインプットして、音真似をすることで、子どもたちはどんどん吸収していきます。
もちろん「楽しい」っていうのと、「おふざけ」の区別を付けるために、時にはぴしっと注意することもありますが、リラックスしているときが1番吸収しやすくなるので、楽しいレッスンや企画を常に意識して作っています。
英語が好きという気持ちがあれば絶対なんとかなるので、とにかく英語が好きになってほしい。
その「好き」を伸ばす方法をいつも考えています。
── TES こども英会話のレッスン方針をお聞かせいただけますか?
イメージとしては、らせん階段を上るようにゆるやかに登ってステップアップしていく感じで進めていきます。
テキストにしてもレッスン内容にしても、急にレベルアップをしてしまうと、生徒さんがついて行けなくなくなってしまうので、学習ペースを見極めるのはとても大事です。
私は落ちこぼれを作りたくないので、毎回、各レッスンの生徒の理解度にはとても注目をしています。
同じ教材、同じ箇所をやっていても、クラスが違えば人も違って、反応も理解度も違う。
1つとして同じレッスンはできない、といいましょうか。
いつも「こっちのクラスはこれを足そう」とか「こっちのクラスはこのままで大丈夫そう」とかちょっとずつ調整しながら考えてやっています。
── 教室内で工夫されていることなどはありますか?
教室は、自宅の一室を開放した15畳くらいのスペースです。
各テーブルが動かせるので、人数やクラスによって形を変えています。
小学生のクラスなら、楽しく和気あいあいという雰囲気を重視し、テーブルをくっつけてやっています。
一方、中学生の英文法や多読のクラスでは、テーブルをバラけさせて自立学習という形をとっています。
あえて壁際にテーブルをくっつけて配置したりとか。
人のいる気配があるけれども、自分に集中できるように、という配慮をしています。
あとは、教室の壁にもいろいろな掲示をして、視覚的にも英語への興味が湧くようにしています。
TES こども英会話が思う、英語のスタート時期とは
── 現在、大人のレッスンもあるとのことですが、どの年齢の生徒さんが多いですか?
小学生が圧倒的に多いです。その他はまんべんなく同じくらいですね。
── ちなみに何歳くらいから英語学習をスタートした方がいいとお考えですか?
幼児の頃、できれば年中さんくらいから来ていただくと良いかと思います。
幼児さんはとにかく伝わり方が素直。
当校は3歳から教えているので、小さな生徒さんを実際に見てきてそう感じます。
音の捉え方もそうですし、声に出すのも、聞いたまま素直に言えてしまう。
小学生でも年齢が上がってくると、日本語の中から音を探して言うようになるので、どうしてもカタカナっぽくなってしまう。
そういう意味で「音」に関して言うと、幼い頃からの方がいいと思います。
── スタートが遅いと英語上達は厳しいですか?たとえば私のような社会人など・・・。
大人の方でしたら、やっぱり自分を変えられるのは自分しかいない、と私は考えます。
ですので、意欲があれば何歳からでも遅くないですし、脳細胞って歳を重ねても成長するそうですよ。
英語に限らず、「好き」という気持ちがあればなんだってできます。
当校では、「英語を学ぶ」というよりも、ゆるやかに楽しみながら「英語で何かできる」ような自分を一緒に作っていきましょう!とお伝えしたいです。
TES こども英会話から無料体験のお知らせ
── 体験レッスンなどはありますか?
随時、いつでもどなたでもウェルカムです。体験レッスンは無料です。
体験レッスンは、まずは同じぐらいの年齢の方、経験の方のレッスンに1度入ってみていただきます。
当校でやってみたいな、と思われたら、そのクラスにそのまま入っていただくこともありますし、新しくクラスを作る場合もありますね。
ご相談の上、臨機応変にと思っています。
── 体験レッスンの申込方法を教えてください。
お電話いただくか、ホームページの問い合わせから「体験レッスン希望」とメッセージくだされば、こちらからご連絡いたします。
みなさまの初めの1歩、ぜひ応援したいと思っています。
TES こども英会話の基本情報
教室名 | TES こども英会話 |
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所在地 | 大分県佐伯市大字鶴望2613-3 |
費用 | 3,000円(入会費) 6,000円(年会費)(クラスによって違います) 5,500円(幼児~小学生英会話クラスの月謝例) |
レッスン時間 | 週1回1時間(幼児~小学生英会話)(多読) 1時間半(中学~大人) 2時間(英文法)(数学) |
講師 | 日本人(藤原智子) |
オンライン授業 | 学校が閉鎖の場合はZoomによるオンライン授業 |
営業時間 | 土日休み |
電話番号 | 090ー4483-9105 |
公式HP | http://tes-english.p-kit.com/?mode=pc |
SNS | Instagram |
TES こども英会話の位置情報
TES こども英会話の取材後記
インタビューを終えて、藤原さんがもしもあの NHK の英会話番組を見ていなかったら、どんな英語人生だったのだろう・・・。
つい勝手に想像してしまいましたが、藤原さんのお話をお聞きして、人間の興味や好きから湧き上がるパワーは無限大だと改めて感じました。
何かを始める時に、始める理由をさがすよりも、なんだかワクワクする!やってみたい!という直感のままに動いてみれば、予想だにしない未来が待っているのかも知れません。
「子どもが英語の歌を口ずさんでいてなんだか楽しそう」
「外国人に道を聞かれたけどうまく答えられなかった」
毎日の生活の中にも、きっと英語への興味の芽はたくさんあるはず。
TES こども英会話さんではきっと、あなたのその芽の育て方を教えてくれることでしょう。
取材日:2021年9月21日
取材/文:小原亜紗子
写真:TES こども英会話 提供