
「社会人になる前に海外生活を経験してみたい」
「将来英語を使う仕事をするために、大学在学中に英語力を上げたい」
大学生が留学する理由はさまざまですよね。大学生の長期留学で一般的なのが、大学を休学して海外の学校に留学する「休学留学」です。
この記事では、休学留学について、大学生が知っておきたいことを解説しています。
休学留学のメリットやデメリット、大学を休学して留学するのに適したタイミング、人気のプログラムなどをご紹介。
メリット、デメリットの項では、大学生が気になる、休学留学が就職に与える影響について解説しています。
また、留学経験を就活で活かす方法についても紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。この記事を読み、しっかり準備をして、後悔しない休学留学を実現しましょう!
目次
休学留学とは?単位認定留学・交換留学との違い
休学留学とは、在籍している日本の大学を休学して、留学することを言います。あなたの語学力や目的に合わせて、自由に留学プランを立てられるのが特徴です。
大学が行っている交換留学では、協定校に留学することになりますが、休学留学ではあなたの学びたい分野を、学びたい学校で学べるんです。
現在大学で学んでいる分野以外の学問やボランティア、語学など自由にチャレンジでき、学内選考などもないので、あなたが求める留学を実現できます。
留学スタイルの自由度が高い休学留学ですが、費用は自己負担で、休学するのでその分卒業が遅れるというデメリットもあります。
また、基本的には留学に関する手続きをすべて自分で行わなければいけません。
大学を休学する場合、事前に大学側に申請しなければいけません。申請期間を設けている大学もあるので、休学留学を考えているなら、早めにあなたの大学の休学制度を確認しましょう。
大学生の長期留学には、ほかに単位認定留学と交換留学があります。
休学留学でも単位認定を申請する場合は単位認定留学
単位認定留学は、留学先の大学で取得した単位を、在籍している日本の大学の単位として認定してもらえる留学です。
休学して留学する場合は、単位認定ありの休学留学ということになります。
卒業に必要な単位をすべて取れれば、留学しても4年で卒業できる点が大きなメリットです。
しかし、在籍大学によって留学先の大学が決まっていることが多いので、自分で自由に大学を選ぶことは難しいでしょう。
留学費用は自己負担ですが、在籍大学によっては留学中の在籍大学の授業料を免除したり、奨学金を支給したりとサポートがあります。
あなたの在籍大学の制度を一度確認してみましょう。
交換留学は選考あり!落選したら休学留学するのも方法のひとつ
交換留学は、日本の大学と海外の大学が学術交流協定を結び、お互いに学生を留学させることを言います。
期間は1学期~1年間で、留学先の大学で取得した単位は在籍大学の単位として認定されるので、4年で卒業することも可能です。
ただし、留学先の授業がすべて認められるわけではないので、留学前にどの授業が在籍大学の単位になるかを必ず確認してくださいね。
授業料(もしくは在籍費)は在籍大学のみに支払い、留学先では滞在費が自己負担になります。在籍大学によっては奨学金の制度もあるので、調べてみましょう。
交換留学は学内選考の後、学校代表として推薦を受け、留学先の大学の審査が行われます。
学内選考では志望動機の作文や面接が行われ、一定以上のIELTSやTOEFLのスコアが必要です。
特に英語圏への交換留学や、奨学金つきの交換留学は競争率が高くなる傾向にあります。
もちろん、選考に落ちた場合は交換留学に参加できないので、次の機会に再チャレンジするか、休学留学をするか選択することになるでしょう。
休学留学のメリット4つ
休学留学には、前述した自由に留学プランを立てられるほかにも、さまざまなメリットがあります。
休学留学のメリット
- 英語力を伸ばして就職に活かせる
- 異文化を理解して視野が広がる
- 留学の経験や成果を就活でアピールできる
- 新卒として就職活動ができる
メリットを最大限活かせるように、目的を持って留学計画を立てましょう。
英語力を伸ばして就職に活かせる
1週間や1か月といった短期留学では、英語の力を劇的に伸ばすのは難しいです。英語力の向上が最大の目的なのであれば、休学留学で長期的な留学を検討しましょう。
学生の間に英語力を伸ばすことは、その後の進路によい影響を与えます。たとえば、就職活動。
今後、ますます進むであろう社会のグローバル化に備え、社員の採用試験の際にTOEIC®スコアを確認する企業は少なくありません。
休学留学で大きく英語力を伸ばせば、就活で有利になる可能性があります。TOEICなどの英語力を証明する資格を、留学中または留学直後に取得しておきましょう。
留学前にも受験しておくと、英語力の伸びを数字で証明できますよ。
TOEIC®スコアが600点以上なら英語の基礎力があると認められ、700点以上ならプラスの評価がもらえるでしょう。
外資系企業への就職は最低でもTOEIC®700点以上が目安となります。
異文化に触れられて視野が広がる
留学先の国に行くと、住んでみて初めて気がつくことがたくさんあります。その国ならではの文化を直接肌で感じることができるのは、留学の魅力の一つです。
とくに長期で滞在すると、その国の文化のマイナス面も見えてきたりして、いろいろな角度からその国を見れるようになります。
また留学先では、世界中から集まった留学生と交流できるので、いろいろな国の文化に触れられます。日本の常識が通用しない異国の文化を体験して視野が広がると、人として成長できますよ。
大学生という若く瑞々しい感性がある時期に休学留学することは、その後の人生に大きな影響を与えるでしょう。
留学の経験や成果を就活でアピールできる
留学中は物事がスムーズに進むとは限りません。むしろ、うまくいかないことの方が多いかもしれません。
日本では経験できないような悔しいことや、心が折れそうになることの連続です。そして、留学中は自分の力でそれを乗り越えるしかありません。
次々とぶつかる壁を乗り越え、自分の力で解決した経験は、就活の際に武器になります。大手企業やベンチャー企業では、問題解決能力がある人材を求める傾向にあるからです。
留学経験をうまくアピールできれば、企業に「問題が起きても努力や工夫で解決できる強さを持つ人」と評価してもらえますよ。
また、いろいろな国籍の人と交流できたことを面接官に伝えられれば、「多様性を理解し、自分と異なる価値観を持つ人と円滑なコミュニケーションを取れる人」と受け取られるでしょう。
留学中のエピソードは、就活のアピール材料として活用できる可能性が高いので、日々の出来事を日記に残しておくことをおすすめします。
新卒として就職活動ができる
学生の間に休学してでも留学する最大のメリットは、留学経験を活かしつつ「新卒」で就職活動ができることです。
とくに日本の企業は、新卒採用を重視しているところが多いので、新卒として就職活動ができることは非常に有利と言えます。
大学卒業後すぐ、もしくは一度社会人を経験して退職してから留学に行くことも、もちろん可能です。
ですが、大学卒業後すぐに語学留学をすると、せっかくの新卒枠を活用できなくなってしまいます。
日本の企業は未経験でも若い人材を求める企業がまだまだ多いですから、若いうちに帰国して、改めて就職活動をすればどこかには就職できるでしょう。
ただ、将来的に日本で就職することを考えているのであれば、人生一度きりの新卒チャンスを逃すのは非常に勿体ないです。
また、新卒での就活の苦労を経験しないことから、友人の話に共感できなかったり、「コンプレックスになった」という悩みもよく聞きます。
そして社会人になってから退職して語学留学やワーホリに行くと、中途採用においては留学期間を「ブランク(空白期間)」と判断されることも多いのです。留学後の再就職というのは、実は簡単ではありません。
休学留学なら、大学に在籍したまま海外留学ができます。帰国して復学すれば、卒業時期は遅れますが新卒として就職活動ができるのです。
在学中に経験したことは就活でアピールの材料になりますから、うまく活かせば他の就活生と評価の差を広げることもできるでしょう。
もちろん「新卒で就職=人生の成功」というわけではありません。
留学時期を考えるときに、あなたにとって、新卒で就職するメリットがどれくらいあるのかをしっかりと考えましょう。
休学留学のデメリット4つ
休学留学には多くのメリットがある一方、デメリットもあります。休学留学のデメリットを正しく理解して、留学するかどうかを検討してくださいね。
休学留学のデメリット
- 大学生が休学留学すると休学費用が必要なことがある
- 金銭的負担が大きい
- 休学した期間卒業や就職活動が遅れる
- 留学中の過ごし方によっては就職に不利になる
大学生が休学留学すると休学費用が必要なことがある
休学するということは、日本の大学に籍を置いたままにするということです。すると、在籍しているだけなのですが、大学によって費用が発生する場合があるのです。
国公立大学では、休学留学中の学費(授業料、設備費など)は基本的に免除になります。休学費なども必要ありません。
私立大学では学費が減額されるケースや、休学費や施設費、在籍料などの名目で半期2~10万円を支払うケースなどがあります。
休学中にかかる費用は大学によってまちまちなので、在籍大学の学生課や留学相談窓口などで確認してください。
留学による金銭的負担が大きい
休学留学は、数ヶ月から数年と期間が長いので、短期留学に比べ留学にかかる費用が高額になります。
留学先の国や滞在期間、滞在方法、参加するプログラムなどあらゆる要素で留学費用は変わってくるので、一概に費用を算出するのは難しいですが、1年間の留学でアジア圏は80万円~、英語圏なら400~500万円は少なくともかかるでしょう。
また、在籍大学が金銭的に支援を行う交換留学や協定校への留学とは異なり、留学費用はすべて自己負担になるので、金銭的な負担が大きいです。
費用の高さがネックになる場合は、奨学金の利用も検討しましょう。
文部科学省が展開している「トビタテ!留学JAPAN」は、給付型の奨学金で大学生の留学を支援しています。条件を満たせば休学留学でも利用できますよ。
また、日本学生支援機構(JASSO)が運営する海外留学情報サイトでは、地方自治体などが行っている留学生のための奨学金を検索できます。
このサイトでは、海外の大学や政府が留学生に対し支給している奨学金も検索できますので、あなたが留学したい国や大学に奨学金制度がないかチェックしてみてください。
休学した期間卒業や就職活動が遅れる
大学を休学して留学すると、その期間だけ卒業や就職活動が遅れてしまいます。1年休学すると、1学年下の学生と同じタイミングでの卒業になります。
とは言え、新卒として就職活動ができるので、大きなデメリットにはならないでしょう。
ただし、留学する時期と就職活動の時期が重なってしまうと、志望する企業のインターンなどに参加できないことがあるので、気をつけてください。
留学中の過ごし方によっては就職に不利になる
日本国内の高校生や大学生を対象に海外留学を支援する「トビタテ!留学JAPAN」の調査によると、企業の採用担当者の73.1%が、「大学生の留学による留年は就活でマイナス評価にならない」と答えています。

海外留学による休学や留年が、就活で不利になることはほとんどないでしょう。
しかし、留学中の過ごし方には注意が必要です。
休学留学は交換留学などと違って、日本の大学からレポート提出を求められることもありませんし、出席日数を満たさず修了できなくても、大学から咎められることはありません。
自由度が高いために語学学校や大学をサボってしまったり、日本人だけで行動し、英語を話す機会を失ったりする人もいます。
そうなると英語力が思うように伸びませんし、留学中に自分に課せられた課題を乗り越えて、何かを達成した経験ができなければ就職活動の際にアピールできません。
採用する企業から見ると、「大学を休学して海外に遊びに行っただけ」と取られる可能性があります。
わざわざ大学を休学し、在籍費や留学費用を払って海外留学したにもかかわらず、英語力も身に付けずに帰国してきたのでは、留学経験がプラスどころかマイナスになることもありえます。
チャンスを活かすことなく、時間とお金を無駄にする人材を企業は欲しいと思いません。
留学を無駄に過ごしてしまったら、留学の事実を隠して就活したいくらいですが、休学しているので、就活の面接では休学中の過ごし方について必ず問われます。
休学留学後に就活することを考えているなら、留学計画の段階から就活を意識してプランニングし、留学中は目的を見失わないように過ごしてください。
休学留学に行くタイミングはいつがいい?
大学1年生では、まず合格した日本の大学に慣れることが大事ですし、必修単位も多いので、休学留学は避けたいところです。
また、就職活動に悪影響がない時期と考えると、大学2~3年生がベストなタイミングでしょう。
企業の採用活動は、近年早期化しており、企業によっては大学2年生の3月から説明会などを実施し、エントリーが可能になります。
特に大手や外資系、ベンチャーなどは早い時期から優秀な学生を確保しようとする傾向があるので、あなたが志望する企業の募集要項などをあらかじめチェックしておきましょう。
帰国後、3年生の4月(上表4年目の4月)までに復学すれば、インターンや仕事体験の申し込みに間に合うので、通常の就職活動が可能です。
復学が3年生の4月以降になってしまう場合は、帰国後すぐに就活が始まるので、留学前や留学中にできることをしておきましょう。
留学前の大学1~2年生の時にインターンやオープン・カンパニーに参加したり、就職サイトに登録してインターネットで就職に関する情報を入手したりと、できることはたくさんありますよ。
休学留学で人気のプログラムと費用
休学留学は、自分の目的に合わせて好きなようにプランニングできるのが大きなメリットです。
大学生は、休学留学でどのようなプログラムに参加しているのかをご紹介しましょう。また、それぞれのプログラムにかかる費用についても解説します。
大学・カレッジ・専門学校(正規留学)
半年~1年程度、海外の大学やカレッジ、専門学校などに休学して学部留学します。
いわゆる交換留学などと同様のプログラムですが、在籍大学に休学費を払い、留学先の大学にも授業料を支払う私費留学です。
在籍大学で専攻している科目以外の授業を受講できることが多いですが、海外の大学によっては、日本の大学で学んでいる学部や専攻が限定される場合もあるため、事前に確認しましょう。
また、現地の学生たちや他国の留学生たちと一緒に勉強するため、授業を理解する英語力が必要です。
大学やカレッジ、専門学校によって必要とする英語レベルが決まっています。一般的にはIELTSで5.5~6.5、TOEFL®でiBT 68~88 以上です。
大学やカレッジ、専門学校が求める語学力に達しない場合は、正規のコースに入学する前に、大学付属の語学学校で英語コースを受講するプログラムもあります。
海外の大学で取得した単位は、在籍する日本の大学の単位として認められることもあるので、事前に在籍大学に確認することをおすすめします(単位認定留学)。
このような留学(学部留学)は、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、イギリスなどではスタディーアブロードと呼ばれ、日本の大学生に人気のプログラムです。
オーストラリアやニュージーランドの専門学校では、さまざまな分野のコースを提供しており、専門資格を取得すると、大学へ編入することも可能です。
大学留学の費用
大学留学に人気の5つの国で、1年間、大学に留学する場合の費用を一覧表にしました。大学によって学費が違いますし、受講する授業の数や単位によっても大きく変わります。
また、生活費は個人のライフスタイルによって異なるのであくまで参考としてください。
休学して1年間大学留学する場合の費用
カナダ | アメリカ | オーストラリア | マレーシア | フィリピン | |
---|---|---|---|---|---|
滞在費 | 60万円~ | 60万円~ | 60万円~ | 24万円~ | 12万円~ |
生活費 | 45万円~ | 60万円~ | 50万円~ | 36万円~ | 36万円~ |
学費 | 32万円~ | 55万円~ | 28万円~ | 30万円~ | 8万円~ |
その他※ | 21万円~ | 23万円~ | 34万円~ | 23万円~ | 24万円~ |
合計 | 346万円~ | 443万円~ | 374万円~ | 143万円~ | 80万円~ |
※その他の内訳は渡航費・保険料・ビザ費用です。
アメリカは物価も学費も高いので、留学費用の総額も高くなります。マレーシアやフィリピンの大学の学費は非常に安く、宿泊も安いところがあるため留学費用はほかの国に比べて非常に安いのが特徴です。
語学学校に長期留学
語学力の向上を目的として、語学学校に数ヶ月から1年程度、長期留学をするプログラムです。
語学の習得には多くの時間がかかるため、休学して長期の語学留学をすることで、語学力の大幅な向上を目指す留学スタイルです。
語学学校には、大学付属の語学学校と、私立の語学学校があります。大学付属の語学学校で学ぶと、入学の条件が緩和されるというメリットがあります。
将来的に大学への正規留学を検討しているなら、希望する大学の付属の語学学校に行くとよいでしょう。
私立の語学学校は、英語初心者から学べるコースや、TOEICやTOEFLなどの試験対策コース、大学への進学準備コース、ビジネス英語コースなど豊富なコースを提供しています。
語学留学(長期)にかかる費用
休学して長期間語学留学すると、ある程度まとまった金額が必要です。
大学生の語学留学に人気の国の、語学留学にかかる費用を一覧表にしました。
欧米に比べ物価が安いと言われていたマレーシアやフィリピンですが、物価が上がったことにより以前ほどの費用の差はなくなってきました。
とは言え、やはりアメリカやオーストラリアなどと比較すると留学費用は安いです。
語学留学(長期)にかかる費用
3ヶ月 | 半年 | 1年 | |
---|---|---|---|
カナダ | 50万円~ | 90万円~ | 180万円~ |
アメリカ | 60万円~ | 150万円~ | 250万円~ |
オーストラリア | 50万円~ | 160万円~ | 200万円~ |
マレーシア | 50万円~ | 110万円~ | 160万円~ |
フィリピン | 40万円~ | 70万円~ | 150万円~ |
料金参考:スマ留
語学学校+ワーホリ
ワーキングホリデー(ワーホリ)は、18歳から30歳までの若者(年齢条件は国による)が、休暇を過ごしながら就労や就学ができる制度です。
カナダやオーストラリア、ニュージーランド、イギリス、アイルランド、シンガポールなどで実施されています。
ワーホリビザは取得しやすく、渡航先での過ごし方の自由度が高いので、大学生にも人気の留学プログラムです。
最大1年間(シンガポールは6ヶ月、イギリスは2年)滞在できるので、大学生は休学して参加することが多いようです。
ワーホリに行く場合は、現地の語学学校に1~3ヶ月通学して、友人を作って仕事などの情報を得たり、語学力をアップさせたりするのがおすすめですよ。
英語が話せない状態では仕事や住まいを探すことも難しいので、渡航前にしっかり英語を勉強するのはもちろん、現地の語学学校で現地の英語に慣れましょう。
ワーホリにかかる費用
ワーキングホリデーでは、就労が可能なので、現地でアルバイトをして収入を得られます。
その収入を現地での生活費にあてられるので、留学費用の全額を事前に用意する必要がありません。
しかし、現地で仕事ができないことも考えられるので、資金は余裕を持って準備しましょう。
ワーホリにかかる費用
カナダ(1年間) | オーストラリア(1年間) | シンガポール(6ヶ月) | |
---|---|---|---|
滞在費 | 60万円~ | 65万円~ | 30万円~ |
生活費 | 45万円~ | 50万円~ | 18万円~ |
語学学校費用 (3ヶ月) |
24万円~ | 27万円~ | 30万円~ |
その他※1 | 40万円~ | 32万円~ | 14万円~ |
給料※2 | 103万円 | 136万円 | 64万円 |
合計※3 | 66万円~ | 38万円~ | 28万円~ |
※1 その他の内訳は渡航費・保険料・ビザ費用です。
※2 各国の最低賃金で1日6時間×週5日間×9ヶ月間働いた場合の税引き後の収入。シンガポールは最低時給が定められていないため、時給600円で計算。
※3 必要な費用から給料を引いた金額。
海外ボランティア・インターンシップ
海外ボランティアやインターンシップに参加することで、英語力を上げたり、異文化を学んだりできますね。
海外ボランティア
海外でボランティアを行うには、NGO(非政府組織)やNPO(非営利団体)のボランティアプロブラムに参加する方法や、旅行会社が販売するツアーを利用する方法があります。
日本の大学が海外ボランティアを紹介していることもあるので、在籍大学で確認してみてください。
また、大学によっては、海外ボランティアを単位として認めてくれるところがあるので、こちらも確認してみましょう。
大学生が参加できる海外ボランティアの内容は、子供に英語や日本語を教えたり、介護が必要な高齢者のお世話をしたり、自然環境を守るための活動などです。
海外ボランティアは開発途上国での活動が多いので、日本とは日常生活の環境が全く違います。
水道や電気、ガスなどの生活インフラが日本のように整っていませんので、事前に現地の様子を調べて、環境に適応できるかをよく考えてみましょう。
休学して長期のボランティアに参加する前に、夏休みなどの休暇を利用して、短期のボランティアやスタディツアー(ボランティアの様子を現地で視察するツアー)に行ってみるといいかもしれません。
海外ボランティア情報サイト
海外インターンシップ
海外インターンシップとは、海外にある日系企業やローカル企業(現地の企業)でインターン生として働くことを言います。
将来、「英語を使って仕事をしたい」「外資系企業に就職したい」という大学生に人気の留学プログラムです。
海外で働くので、高い英語力が求められることもありますが、英語初級者でも参加できるインターンシップもあります。
インターンシップには無給と有給があり、短期の場合は無給、長期の場合は有給の傾向があります。
半年間留学し、その後の半年間でインターンに挑戦するなど、あなたの目的に合わせてプラン設計するといいでしょう。
休学留学におすすめの国と留学プログラム
大学生の休学留学に人気の国をご紹介します。各国で大学留学や語学留学が可能です。
ここでは、その国独自の留学制度で、休学して留学する大学生にマッチしたプログラムをご紹介します。
あなたの目的や性格に合った国を選んでくださいね。
カナダ
カナダは日本人の留学先として非常に人気がある国です。比較的治安が良く、温厚で親切な国民性なので、日本人にとって暮らしやすいんです。
カナダには、英語コースで語学力を上げた後、自分の希望する専門分野を学んで、有給インターンシップに参加できるCo-op(コープ)という留学制度があります。
Co-op(コープ)
日本の短大や専門学校にあたるカレッジが提供しているプログラムです。1年未満のコースもありますので、休学して留学したい方も参加できます。
Co-opは、英語学習、専門分野の学習、就労体験を行います。勉強と仕事の両方が経験できるカナダだけの制度です。
有給でインターンに参加でき、カレッジで勉強している間もアルバイトができるため、収入を得られるのが特徴です。
また、実際に海外で就労した経験は、帰国後の就活でアピールできるでしょう。
Co-opには多くのコースがあり、就職を控えた大学生には、ビジネス系、Web系、ホスピタリティ系(ホテル、観光など)が人気です。
アメリカ
アメリカはビジネスや文化で世界をけん引する国です。教育水準が高く、大学や語学学校が多いのであなたの希望する分野の勉強ができるでしょう。
反面、物価が高いので留学費用が高額になるデメリットがあります。
アメリカには、大学教育と職業訓練を行うコミュニティカレッジがあり、留学生を受け入れています。
コミュニティカレッジのサーティフィケート取得プログラム
公立の2年制大学であるコミュニティカレッジに留学するプログラムです。サーティフィケートは、日本で言う専門学校卒業に相当します。
3ヶ月~1年で専門分野の資格が取れるサーティフィケート取得コースなら、長期間休学できない方も留学しやすいですね。
また、アメリカの大学は9月から始まりますが、コミュニティカレッジでは4学期制を採用しているところもあります。
1学期から4学期までがそれぞれ9月、1月、4月、7月に始まりますので、自分の在籍大学の都合に合わせて、留学をスタートすることも可能です。
9ヶ月以上のサーティフィケートを修了すれば、有給インターンに挑戦でき、就労も体験できます。
オーストラリア
治安が良く、教育レベルが高いオーストラリアは、日本人の留学先、ワーホリ先として大変人気があります。
学生ビザを取得すればアルバイトができ、時給が高いので、留学費用を出してくれる保護者の負担を軽くできるのも人気の理由です。
オーストラリアには、日本の専門学校や短大にあたるTAFE(テイフ)という学校があります。
TAFE(テイフ)
TAFEは州立のカレッジで、実践的、専門的なスキルを習得する勉強をします。
分野は、ビジネス、ホスピタリティ、アート、メディア、教育、動物、医療、スポーツなど実にさまざまです。
最短4ヶ月から学べ、入学時期は2月と7月です。まるまる1年間休学しなくても留学できるのは魅力ですね。
TAFEに入学するためにはIELTS 5.5〜6.0の英語力が必要です。英語力が足りない方は語学学校と組み合わせたプランを立てるといいでしょう。
TAFE付属の語学学校で学び、一定の成績を修めれば、入学のためのIELTS試験が免除になります。
マレーシア
マレーシアの大学では欧米並みのレベルが高い教育が受けられます。授業はすべて英語で、イギリスと同様の教育システムをとっています。
語学学校も、欧米式のカリキュラムを採用しており、現地の講師だけでなくネイティブ講師の授業も受けられます。
レベルが高い教育が受けられる上、大学や語学学校の授業料は欧米の半額以下です。物価も安いので、留学費用を抑えられるのも魅力です。
在籍大学を休学してマレーシアの大学に留学する場合は、学部聴講が一般的でしょう。期間は数ヶ月から1年程度です。
マレーシアの大学は、大学や学部によって入学時期が異なります。年に3~4回以上入学のタイミングがあるので、あなたの都合の良い時期を選んで入学できるんです。
大学やコースによって入学条件は異なります。
多くの大学では、IELTS5.0~6.0程度の英語力と、高校2、3年時の履修科目および成績(5段階中2.5~3.5以上)があれば入学できます。欧米と比較すると入学しやすいと言えるでしょう。
IELTSのスコアが足りない場合は、始めの数ヶ月は大学の英語コースに通い、大学での勉強に必要な英語力を身につけます。
大学の入学条件をクリアする英語力がつけば、大学の講義を受けられますよ。
マレーシアの学生ビザは取得までに大変時間がかかるので、なるべく早めに準備を始めましょう。
シンガポール
大変治安が良く、日本との時差が少ないシンガポールは、日本人が多く、留学が初めての方や安全面を重視する方に人気の国です。
多民族国家なので英語だけでなくマレー語、中国語、タミール語が飛び交い、多国籍な環境で学びたい方にもおすすめです。
シンガポールでは英語が公用語の一つとなっているので、現地の人の大半は英語を話せますが、訛りがあります。
「シングリッシュ」と呼ばれ、独特の発音や文法を使うので、ネイティブの英語とは違いを感じるでしょう。
シンガポールでは、大学生や大卒の方が参加できる「ワークホリデー」という制度があります。
ワークホリデー
若者が海外で休暇や就労、就学しながら過ごせる制度をワーキングホリデーと言いますが、シンガポールの場合は「ワークホリデー」と言い、少し違いがあります。
シンガポールのワークホリデー
ビザ申請条件 | ・18歳以上25歳以下(申請時) ・指定国※の大学の全日制学部に在籍、または卒業している ・在学中の場合、入学から3ヶ月経過している(休学中も可) |
---|---|
滞在期間 | 6ヶ月以内 |
就労 | 可 |
就学 | 可 |
定員 | 常時最大2,000人 |
※日本・香港・オーストラリア・ニュージーランド・アメリカ・イギリス・フランス・ドイツ・オランダ・スイス
シンガポールのワークホリデーは、滞在期間が6ヶ月以内と短いです。
そのため、現地で働くための英語力が不足している場合は、初めの数ヶ月は学生ビザで語学学校に通い、その後の6ヶ月はワークホリデービザに切り替えることもできます。
休学留学に関する相談は大学の窓口や留学エージェントに
「休学留学はどのように準備したらいいの?」
「休学留学するべきか悩んでいる」
「休学留学したいけど、どの国が自分に合っているかわからない」
初めての留学ではわからないことだらけですよね。
留学について相談したくなったら、大学の留学相談窓口や大学生協のほか、留学エージェントを利用する方法があります。
留学エージェントでは、留学に関する相談を、無料で行っているところが多いです。
「留学するかどうか迷っている」という相談にも乗ってくれますので、悩みがある方は利用してみてください。
また、留学エージェントの中には留学手配や留学中のサポートを無料でしてくれるところもあります。
初めての留学の手配は難易度が高いので、留学エージェントにサポートしてもらうとミスなく効率良くできますよ。
ここでは、大学生の休学留学におすすめの留学エージェントをご紹介します。
3社くらいの留学エージェントに相談して、あなたに合ったプランを提供してくれる留学エージェントにサポートをお願いするといいでしょう。
大学生の休学留学におすすめの留学エージェント
休学留学に関するよくある質問
- 休学留学すると、その年は留年扱いになり、就職するのに不利になるでしょうか?
- 休学留学は、成績不良で留年するわけではないため、就職で不利になることはありませんので安心してください。
休学留学は留年とは違い、海外留学という正当な理由があり、事前に大学に申請し許可をもらっています。就活時には新卒扱いとなるので、休学留学していない他の学生と同じように就活ができるでしょう。
留学して得たことと、企業が採用したい人材像がマッチすれば、プラスの評価をもらえることもありますよ。
学業の不振や授業の欠席が原因の留学は、企業によってはマイナスのイメージを持たれる可能性があります。 - 大学生が休学留学した場合、就活の時の履歴書にはどのように書けばいいですか?
- 1年以上の大学留学の場合は、履歴書の学歴欄に記載しましょう。
留学時期、留学した国、大学名や語学学校名を記入します。下記の記入例を参考にしてください。なお、語学留学や1年未満の留学は、学歴欄ではなく、自己PR欄に記入しましょう。
【まとめ】休学留学して後悔しないために留学の目的をはっきりさせよう
休学留学は、在籍している大学の専攻に関係なく、自分の学びたい分野を、自分の学びたい学校で学べる自由度が高い留学です。
しかし、自由度が高いために、現地で勉強に身が入らなかったり、日本人ばかりと交流して英語が身につかない人もいます。
休学した上、保護者の方に費用を出してもらったり、奨学金を受けたりして留学したのに、外国で無計画に過ごしていたのでは、何のための留学か分からなくなってしまいます。
留学という大変恵まれた機会を無駄にしないで、その後の人生に活かして欲しいです。
帰国してから後悔しないためには、留学前に、「何のために留学するのか」「留学して何を得たいのか」を具体的に考えることが最も大切です。
留学の目的をはっきりと決めて、それを達成するための留学計画を立てましょう。
自分で留学計画を立てるのが難しい、誰かに相談したい、という方は、留学経験がある先輩や大学の留学相談窓口に相談してみましょう。
また、留学のプロである留学エージェントのカウンセラーに相談する方法もあります。
留学や現地の教育制度、生活に詳しい留学カウンセラーなら、インターネットでは得られないアドバイスをしてもらえますよ。
大学を休学して留学することは、就職のことを考えると勇気がいるかもしれませんが、留学時期を考慮すれば就職活動で不利になることはありません。
社会人になってからの留学は、せっかく就職した会社を退社しなければならないので、大学生のうちに留学する方がメリットが大きいのではないでしょうか。
あなたの夢をかなえるための留学を、大学生のうちにぜひ検討してみてください!