「子供英会話教室に週1回通わせているのに、ぜんぜん英語が身につかない」
「英語教育は早いほうがよいと聞いて始めたのに、いつまでも上達しないのは何が原因?」
「子供には英語を身につけてほしい!」という思いで幼児のうちから習わせているのに、親が望むように子供の英語力が伸びないと、「習っている意味がないのかな」「これ以上はお金も時間も無駄なのかな」と不安になりますよね。
この記事では子供の英語力が、親が思うようには英語が伸びない原因をあげながら、子供の英語を上達させるために家で、親ができることを紹介します。
語学の習得には時間がかかるものです。頑張っている子供たちを、よりよい形で効果的に伸ばせるよう、サポートしていきましょう。
- 執筆者:Lin
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小4までアメリカの現地校に通い、帰国後は「英語はネイティブ並みでしょう?」という周囲の誤解とプレッシャーゆえに、英語の勉強から遠ざかった過去あり。中途半端な英語力にコンプレックスを感じ、大人になってから再勉強。英検1級。ケンブリッジ英検CAE。TOEIC910点。さらに英語指導者(TEFL)や児童英語指導者(TEYL)の資格を持つ。プロフィールの詳細はこちら
子供の英語力が伸びない原因5選
英語に限らず、子供に習い事をさせている以上は目に見える成果を求めるのは親として当然でしょう。
そしてその成果が思ったように感じられないと「このまま習っていても意味がないのかな?」と不安になっていくものです。
まずは子供の英語力がなかなか伸びない原因を5つ紹介します。
子供の英語力が伸びない原因
- 子供が英語に興味がない・英語を楽しめていない
- 子供の英語を使う時間が圧倒的に少ない
- 親が学習効果を焦りすぎている
- 英語以外の要因で学習意欲が落ちている
- いつまでも会話中心で読み書きにシフトしていない
1. 子供が英語に興味がない・英語を楽しめていない
子供は自分の興味があること、楽しいことには時間を忘れて没頭します。逆に興味がないこと、楽しくないことには無気力なのが普通です。
親に言われてイヤイヤ英語教室に通う子と、自分が楽しいから通う子では、同じ時間数レッスンを受けたとしても年を重ねるごとに英語力の差がでてくるのは自然なことです。
とはいえ「英語そのものに興味津々」という子供は実はそれほど多くありません。
「先生が好き」「教室の雰囲気が楽しい」「レッスンのあとのおやつが楽しみ」(私の娘がまさにそうでした)など、一見英語とはなんの関係もないようなことでも、モチベーションに変えられるのは子供のすごいところです。
親が上手に、子供の興味関心と英語をつなげてあげられるとよいですね。
2. 子供の英語を使う時間が圧倒的に少ない
英語に触れる時間が週1回の英会話レッスンだけだとすれば、上達を期待するのは無謀です。時間が圧倒的に少なすぎます。
幼児に限らず、人間は忘れる生き物です。レッスンで新しいことを学んでも、教材を使っておうち英語に励んでも、記憶に定着させる作業をレッスン以外の時間で何もしなければ、1週間後にはきれいに忘れてしまうでしょう。
ですから英語に触れる時間そのものを、生活のなかで少しずつでも増やしていくことは、子供の英語力を伸ばすためにとても大切です。
3. 親が学習効果を焦りすぎている
親の期待値が高すぎ、子供の英語力が伸びていないと感じてしまうこともあります。
大人からすると「1年も英会話レッスンに通っていたら、これくらいはできるはず」と思っていても、英語力以外にもまだまだ知力も体力も発展途上にある子供は、大人の学習者と同じようには力が伸びなくて当然です。
言語の習得には時間がかかるもの。長い間コツコツと努力を続け、ある日ふと上達を実感するのが普通です。
親は成果を焦りすぎず、見守る鷹揚さも必要でしょう。
4. 英語以外の要因で学習意欲が落ちている
英語教室の講師との相性が悪い場合、子供の「やる気」は著しく落ち、結果的に英語の上達スピードは鈍くなります。
「宿題をやっていったのに、きちんと見てくれない。」「一部のクラスメートをえこひいきする。」など、子供は些細なことで不満を溜めていきます。
またクラスメートとの関係性に悩む子もいます。
「発音をからかわれた。答えを間違えたら馬鹿にされた。」といったことが続くと、「お友達がイヤ」から「英語イヤ」になり、学習意欲は下がる一方です。
ある程度は子供自身が乗り越える問題ですが、学習環境が著しく阻害されていないかは、親も気を配る必要があります。
5. いつまでも会話中心で読み書きにシフトしていない
英「会話」教室だからといって、外国人講師とただ雑談をしているだけでは英語力は伸びません。
新しい表現や単語を学び、自分の言葉として使いこなすには「聞く」「話す」だけでは不十分。まとまった量を「読む」「書く」といった訓練が必要です。
未就学児までは会話(=コミュニケーション)重視でも、小学生以上であれば年齢と英語力にあった読み書きの比重を高めていかなければ、英語力は決して向上しません。
私たち日本語話者も、幼児期に周りの大人達とのコミュニケーションを通じて言葉を身につけていきますよね。
でも学校に通い始めると、漢字の書き取り、作文、音読、文法の理解など読み書きを通じて年齢相応の言語能力を身につけてきたはずです。英語も同じです。
幼児期に英語圏で過ごし、現地人に間違われるほど英語が流暢だった子供でも、「日本へ帰国して半年経ったらまったく話せなくなった」というケースは珍しくありません。
これは本人や家族の努力とは無関係で、低年齢がゆえに英語の身に付け方が「会話重視」もしくは「会話のみ」だったことが原因です。会話だけを通じて身につけた言語が、会話をしなくなれば消えていくのは当然ですよね。
日本で日本語を用いて生活する以上、会話力だけで英語力を維持・向上させるのはとても難しいことです。
親として、子供が将来役立てられる英語力を身につけてほしいと願うのであれば、発達段階に合わせて読み書き、特に「読む」訓練をしっかりと子供には積ませる必要があります。
子供の英語力を効果的に伸ばすために親ができること4選
「英語に苦手意識がある親では、子供の英語力を伸ばしてあげることはできない」
このようなことはまったくありません。一緒に過ごす時間が長い親だからこそできる、子供の英語力を伸ばしてあげられる関わり方を考えていきましょう。
子供の英語力を伸ばすためにできること
- 英語を学ぶ楽しさや学ぶ意味を実感させる
- 子供の英語レベルに合った教材を用意する
- 子供のペースに合わせてとにかく見守る
- 親も子供と一緒に英語を楽しむ
1. 英語を学ぶ楽しさや学ぶ意味を実感させる
子供には「英語ができるとこんなに素敵なことがある」という実感を、ひとつでも多く持たせましょう。
「もっと英語がわかるようになりたい」という主体性が子供のなかに生まれやすくなります。
わかりやすいのは「日本語を話さない人ともコミュニケーションが取れる」ことでしょう。
外国からの転校生、旅行者とのやり取りがほんの一言二言でもできれば、子供はきっと楽しい気持ちになります。
また、もっと身近なところでも「英語ができると、わくわくすること」は探せます。
- 好きなアニメやドラマの日本語版未公開の続編や原作を、英語版で楽しむ
- 日本語の本にはないデザインの英語の絵本を眺める
- 日本語の歌とは違うリズムの英語の歌をYouTubeで見る
このように子供の日常生活に近いところで、「英語ができると楽しい」を見つけてみましょう。
わが家では、ドラマ好きの娘がEテレで放送されていた「超能力ファミリーサンダーマンズ」シリーズにはまった時期がありました。
毎回録画して楽しんでいましたが、過去に放映された分、全3シリーズ100話近くをどうしても観たい!とせがまれ、DVDを購入したことがあります。
当時日本版の販売はなく、手に入ったのは海外版。当然日本語訳も字幕もなし。それでも娘は夢中で見続け、お友達にはずいぶんと羨ましがられたそうです。
同じくEテレのドラマ「ミルドレッドの魔女学校」も娘が好きなお話でした。シーズン1とシーズン2の放映の間が半年ほどあいたため、「続きが気になる」と原作を購入しました。
お話の続きを知れるだけでなく、娘は原作「The Worst Witch」とドラマの違いを見つけて楽しんでいました。
上記2つの番組は、どちらもEテレの海外ドラマ番組枠(2024年現在:日曜17:25~17:50)で放映されたもので、海外で人気の高い子供向けドラマが選ばれています。
学校や家庭、友達同士で使うシンプルで自然な言い回しがたくさん出てくるので、小さい子供でも英語で一緒に楽しめるでしょう。放送時間も25分と短めなのもおすすめポイントです。
とはいえ子供が嫌がるのであれば、無理に英語で見る必要はありません。
ここで大切にしたいのは「英語のドラマを子供に見せること」ではなく、「欲しい情報が、英語ならもっと得られるという実感や経験を積ませること」です。
2024年1月までNHKで放映されていた「デイナの恐竜図鑑」は息子のお気に入り番組ですが、日本語で見ていました。(一度英語にしてみたのですが、拒否されたので諦めました)
ただ元々カナダの番組で、オリジナルの「Dino Dana」公式ホームページに掲載されている動画は日本語訳がないため、そのまま英語で見ています。
100パーセント理解はできないものの、お友達がまだ知らない、日本語版未登場のキャラクターなどの情報がゲットできるのが楽しいようです。
ドラマを英語で見て英語力向上につながれば、もちろんそれに超したことはありません。ですが、やりたくないことを子供に強要しても長続きしないもの。日々の生活を楽しむ上で、英語ができるとちょっと得をする、わくわくすることを子供と一緒にたくさん見つけていけるとよいですね。子供が英語を嫌がるという方は、「子供が英語を嫌がる英語教育のNG行動8選と子供が英語好きになる方法」の記事もぜひご参考ください。
2. 子供の英語レベルに合った教材を用意する
親は子供に「もっと難しいことをできるようになってほしい」と願うあまり、ついつい実力よりも高いレベルの教材を与えがちです。
しかし家庭で取り組む場合は特に、子供がラクに理解できるレベルの教材を使用したほうが英語力アップにはつながります。
新しいことを先取りして学ばせるのではなく、「すでに知っていることをくり返して定着させる」ことこそが、子供が長い時間を過ごす家庭で行う学習の役割といえます。
教材は特別にお金をかけたりせず身近なもので大丈夫。通っている英会話教室のテキストでも、幼児向けの英語のYouTubeチャンネルでも、図書館の絵本でも充分です。
子供自身が「これ知っている!」「こんなの簡単!」と得意気にママやパパに教えてくれるレベルのものであれば、それこそが最適な教材です。(子供向けのおすすめ英語教材)
3. 子供のペースに合わせてとにかく見守る
子供の成長曲線は大人とはまったく異なります。「全然習得できていない」と親が心配していても、できるようになるときは一瞬です。
そのスピードは大人の常識をはるかに越えています。
「もう○年も英会話教室に通っているのだからこれくらいはできるはず」といった大人の感覚を押しつけることは、親にとっても子供にとっても意味がありません。
成長が心配なときは、通っている教室の講師に相談するなどプロの意見も聞きましょう。
4. 親も子供と一緒に英語を楽しむ
子供の英語力を伸ばしたいと思うのであれば、大人であるママやパパが積極的に英語とふれあう姿を見せることも大切です。
英語を「特別なこと」ではなく「当たり前のこと」として日常生活に取り入れることができれば、自然と子供も「自分も英語を身につけたい、身につけられる」と思うようになります。
私たち大人は、子供に英語を学ぶ意義を伝える際に「将来役に立つよ」という言い方をしがちですが、これはあまりおすすめできません。
これまでの人生で「英語ができなくて苦労をした」または「英語ができて得をした」という経験からくる、実感のこもったアドバイスではありますが、中高生ならばいざ知らず幼児にはほとんど響きません。
なぜなら小さな子供にとって「将来」は果てしなく遠く、まったく現実味がないからです。
言葉で「将来」を伝えようとするよりも、もっとも身近な大人である親が楽しそうに英語と触れている姿を見せられれば、子供にとってより英語は身近なものとなります。
そして大人になったとき(=将来)、英語がそばにある生き方をよりイメージしやすくなります。
「英字新聞を読ませなければ」「英語のニュースを聞かせなければ」と気負う必要はありません。英語に対して過剰反応をせず、普段の生活に少しずつ英語の要素を混ぜていくことを心がけてみて下さい。
英語の料理動画のサイトを眺めてみる、英語の歌詞の音楽を流してみる、などちょっとしたことでも家族で楽しんで続けていけば「当たり前」として生活になじんでいくものです。
子供の英語が伸びない事に関するお悩みに答えます!
週1回の英会話レッスンでは英語が身につかない?
英語に慣れ親しんでもらいたいという思いから週に1回英会話教室に通わせているのですが、日常で特に英語を話すこともなく、通わせる意味がないのでは?と思い始めました。やはり週1回の英会話レッスンではなかなか効果が見られないのでしょうか。(35歳女性)
週1回の英会話レッスン「だけ」では英語は身につかないのが普通
週1回60分のレッスンを受けたとして、年間40レッスンで2400分=40時間、英語と触れることになります。
「外国語習得にかかる時間は3000時間」という通説をもとにすれば、英語に触れる時間が週1回のレッスンだけでは、75年かかることになります。
「英語に慣れ親しんでもらいたい」のであれば、週1のレッスンでも充分です。
ですが「将来役立つような英語力を身につけさせたい」と思うのであれば、レッスンはあくまでペースメーカーとして利用し、家庭学習を重視して英語に触れる時間そのものを増やす必要があるでしょう。
英会話レッスンを無駄にしたくない!自宅では何をすればいい?
英会話に通わせていますが、自宅では特に何もしておらず、それが原因で子供の英語力が伸びないのかなと思っています。レッスンが無駄にならないようにするには、自宅で何をすればいいでしょうか。(38歳男性)
レッスンで何を学んだのか子供に説明してもらう
まだ記憶が新しいレッスン直後に、「今日は何を習ったの?」と子供に聞くようにしましょう。レッスンで習ったことを子供自身に説明させることで、習ったばかりの知識の定着を図る復習効果を狙うのです。
ただし詰問調だと子供は負担に感じます。「ママにも教えて」「そうなんだ!知らなかった」「もうそんなこと習ったの?すごいね」と子供から学ぶ姿勢、頑張りを認める言葉がけを忘れないようにしましょう。
ちなみに「今日(レッスン)どうだった?」と軽すぎるトーンで聞くと「別に」「楽しかったよ」で終わってしまいがち。子供の様子に合わせて、聞き方にも少し注意が必要です。
英会話教室に自宅学習について相談する
自宅学習として何をするべきかわからない場合、いちばんよいのは通っている英会話教室に相談することです。
授業での様子も、実力もよくわかっている講師からのアドバイスがもっとも的確です。大手の英会話教室では、学習者向けの自学教材をオンラインで提供するところもあります。
もしも相談した結果「学習は教室にまかせておけばよい」「自宅で勉強は必要ない」と言われた場合、ほかの教室の検討を強くおすすめします。
子供の英語習得を真剣に考えている教室や講師であれば、レッスン以外での英語への取り組みがいかに重要か身にしみているはずです。
「週1回英会話教室に通うだけで英語力がつく」という現実的にありえないことを、プロとして公言する不誠実さを疑いましょう。
「子供のオンライン英会話は意味ない」って本当?
今英会話教室を検討中です。英会話教室とオンライン英会話のどちらがよいか迷っています。「オンライン英会話は意味ない」という口コミをよく見るのですが、英会話教室のほうがよいでしょうか。(29歳女性)
オンラインも対面も、正しく活用できれば効果は充分にある
オンライン英会話レッスンでも対面の英会話教室でも、目的意識を持って活用できればどちらも同じように英語習得に効果があります。
逆に、ただレッスンを漫然と受講するだけでは、英語は大して上達しないのはオンラインも対面も同じです。
子供の性格や、家族の生活スタイルに合わせて主体的に活用しましょう。(子供におすすめのオンライン英会話)
オンラインの気軽さはメリットでありデメリットにもなる
オンライン英会話の利点はいくつかあります。
オンライン英会話のメリット
- 決まった時間割ではなく、自分の空き時間でもできる
- 講師を自由に選べるので、相性のよい講師を探せる
- 1対1のレッスンを受けられるため、授業密度が濃い
- 夏休みだけ、など短期間の利用も可能
- 低コスト
しかし「思い立ったときにすぐできる」「スケジュールを自由に組める」というオンラインが誇るフレキシブルさは、子供の受講生の場合デメリットになることがあります。
子供は大人のように「このスキマ時間を無駄にせず有効に使おう」とは思いません。空いた時間があれば、のんびり好きなことをして過ごしたがるのが普通の子供です。
せっかくゲームでもしようとしていたのに、ママが勝手にレッスンをいれた!という状態が何度も続くと子供は「やらされている」と感じやすくなり、レッスンを主体的に受けることはできなくなります。
レッスンスケジュールに関しては親がすべてコントロールするのではなく、子供の性格や生活スタイルに合わせて「今月はレッスンどこにいれようか?」と、ある程度は子供に決めさせることも大切です。
スケジュール固定の通学型英会話教室は雰囲気も楽しめる
通学型の英会話教室の多くは、レッスンは何曜日の何時からというようにスケジュールが固定されています。
子供は大人と比べ、学校の時間割のようなルーティンを好む傾向があります。オンラインレッスンのように「受けたいときにレッスンが受けられる」自由さはありませんが、「決まった時間に受けられる」ことに安心感を覚える子供が多いのも事実です。
また、通学型の英会話教室はやはり対面のメリットが大きいでしょう。
一般的な子供英会話教室は雰囲気作りも徹底しています。教室内だけでなく受付や掲示板も、カラフルで楽しげな内装にこだわり、子供の気分を盛り上げる工夫が随所にされているでしょう。
子供の「なんだか楽しそう」という気持ちを高めやすいのは、通学型といえます。
子供の発音が悪いのが気になる
小学校5年生から英会話を始めて1年経つのですが、発音が悪いのが気になります。英語の発音がネイティブとは程遠く、いわゆるカタカナ英語のまま続けてしまっているといいましょうか。「始めるのが遅かったかな」と少し後悔しています。これ以上発音が良くなることはないのでしょうか。(42歳男性)
何歳からでも正しい発音は身につく
小学生からの英語教育は遅いという人もいますが、正しい発音を身につけるのに「もう遅い」ことなどありません。
発音練習の基本は「正しい発音を聞き、聞こえた通りに自分で発音すること」です。
幼児が正しい発音を習得しやすいと言われているのは、聞こえたままに相手を真似る行為をゲームのように楽しめることと、「間違っていたら笑われるかも」といった他人からどう見られるか、という観点が薄いことも関係しています。
また、学齢期を英語圏で過ごした帰国子女と言われる人々の発音がネイティブに近くなるのは、死に物狂いでネイティブの発音を真似てきたからです。
正確な発音でなければ、自分の言いたいことは周囲に正しく伝わりません。そればかりか「変な発音!」と時には面と向かって、時には影で、容赦なく嘲笑される環境に置かれているのですから、正しい発音習得に必死にならざるを得ないのです。
年齢的な「照れ」が影響している可能性も
小学校高学年ともなると、幼児のように「聞いたままに真似る」ことがスムーズにできない子が増えてきます。
これは能力の問題というよりも、他人の目が気になる年齢にさしかかっていることが影響しています。
「間違っていたら恥ずかしい」「格好つけていると友達に思われたら恥ずかしい」このように感じてしまい、「聞いたままに真似る」という一見簡単なことへのハードルが異常に上がってしまうのです。
小学校高学年から中学生までの自意識が高まる年齢の子供は、一時的にでも個人レッスンに切り替え、他の生徒の目がない環境で集中的に発音トレーニングをするのも一案です。
英語の得意な子供の特徴は?結局のところ才能?
近所の英会話教室に通わせているのですが、同じクラスのお友達に比べてうちの子供の伸び率がよくないように感じます。
同じ時期に始めたのに、この違いは何でしょうか。結局のところ才能なのかなと思っているのですが、英語の得意な子供の特徴や傾向が知りたいです。(38歳女性)
好奇心旺盛で「英語が好き」がベースにある子供は強い
英語が得意な子供には「英語が好き」という気持ちが根底にあるのが特徴です。
好きだからこそ、英語に触れることが苦にならず、積極的に英語と触れることでどんどん知識を増やしていきます。
また好奇心が強く、見慣れないものや新しいことに躊躇なく近づいていく子、習ったことをすぐに自分で試してみたがる子も、英会話教室では目立つ存在になるでしょう。
子供の英語力を「話す力」だけで親が判断しない
子供を英会話教室に通わせる保護者には「子供に英語を話せるようになってほしい」という思いが当然あるでしょう。しかし英語力というものは「英語を話す姿」だけで測れるほど単純ではありません。
母語である日本語で考えてみましょう。「この子は国語力が高いな」と感じる子供はどのような子でしょうか。
標準語のアクセントが身についている子でしょうか。
誰にでも話しかけるおしゃべりな子でしょうか。
プレゼンテーションの上手な子でしょうか。
もちろんこうした「言葉」への意識が高い子供は、往々にして国語力が高いものですが、何よりも「しっかりとした文章が読める・書ける子」こそが「高い国語力」をもつと私は感じています。
英語も同じです。英「会話」教室に通わせていると、話す力だけに目が向きがちです。外国人講師と物怖じせずコミュニケーションを取る子、大勢の前で堂々とスピーチができる子などを目の当たりにすると「うちの子は大丈夫か」と焦る気持ちはよくわかります。
しかし英語に限らず「話す力」は、言語を正しく操るために必要とされる力のうちほんの一部に過ぎません。
本当の意味で英語力をつけてほしいと願うのであれば、目につきやすい一面だけみて「うちの子は才能がない」「ほかの子と比べて劣っている」と決めつけるのではなく、「読む力」「書く力」も含めて成長を見守っていきましょう。
【まとめ】子供の学習成果は「いつかはでる」気長に見守ることも大切
この記事では、子供の英語がなかなか上達しない原因を考えながら、英語の力をもっと伸ばすために家で親ができる関わり方をお伝えしてきました。
日々子供のために一生懸命なママやパパからすれば「これだけやっているのだから!」と「今」「すぐ」に成果が欲しいですよね。もちろん私もその一人です。
でも「親である私が、思い描いた成果を今すぐ見せろ」と子供を追い立てすぎてしまうと、親子関係が悪くなるばかりか、思ってもみないような別の面での子供の成長を見過ごしてしまうことにもなりえます。
英語を上達させるには語彙力や読解力など、さまざまな力をバランス良く磨く必要があります。
それなのに、親がある一点だけの成果、例えば「ネイティブのような発音を身につける」ことだけを重視してしまうと、「発音」以外の子供の成長を認めてあげられません。
子供にしてみれば「ほかのことも頑張ってるのに、ちゃんと見てくれない」と不満のもととなってしまいます。
成果は今すぐ出るものもあれば、何年もあとになってようやく感じられるものもあるでしょう。
子供は英語力だけでなく、すべての面において成長過程にあります。親として長い目で見守る姿勢も忘れずに、子供の育ちを支えていきたいですね。