IELTS の勉強法

IELTS(アイエルツ)は、ライティング・リーディング・リスニング・スピーキングの4技能を測定する英語検定試験の中でも、世界トップクラスの信頼度を誇ります。

進学を控えた高校生だけでなく、英語力を磨きたい社会人の方にも、おすすめの試験です。

ですが、IELTSはTOEFLや英検と比較すると、日本での知名度が高くありません。

そのため「IELTSは難しそう」「IELTSの勉強法や対策方法がわからない」と悩んでいる方もいることでしょう。

この記事では「IELTSという試験を初めて受験する」というIELTS初心者の方にもわかりやすいように、IELTSの活用シーンや受験方式、試験内容などを説明していきます。

アプリなど身近で活用しやすい教材や勉強法も紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。

執筆者:Lin
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小4までアメリカの現地校に通い、帰国後は「英語はネイティブ並みでしょう?」という周囲の誤解とプレッシャーゆえに、英語の勉強から遠ざかった過去あり。中途半端な英語力にコンプレックスを感じ、大人になってから再勉強。英検1級。ケンブリッジ英検CAE。TOEIC910点。さらに英語指導者(TEFL)や児童英語指導者(TEYL)の資格を持つ。プロフィールの詳細はこちら

目次

IELTS(アイエルツ)とは?世界中で受験されている英語能力判定試験

IELTS
IELTS公式サイト

IELTS(アイエルツ)とは International English Language Testing System の略で、世界中の受験者を対象とした英語能力判定試験です。

英国ケンブリッジ大学英語検定機構、英国国際文化交流機関ブリティッシュ・カウンシル、そして教育関連企業 IDP Education が共同運営しており、提携するテストセンターが世界各地にあります。

英語力を測る指標としての信頼度が高く、英語圏への大学進学や移住の際、英語力の証明として多くの教育機関や政府に採用されています。

試験科目はライティング・リーディング・リスニング・スピーキングの4つ。各科目で1から9まで、0.5ポイント刻みで採点され、4科目の平均値がIELTSスコアとして認められます。

IELTSの基本情報

主催 ケンブリッジ大学英語検定機構
ブリティッシュ・カウンシル
IDP Education
目的 留学・移住・海外での就労
受験料 25,380円~31,500円
試験会場 札幌、秋田、仙台、千葉/船橋、東京、横浜/川崎、長野/松本、金沢、静岡/浜松、名古屋、京都、大阪、神戸、広島、香川、福岡、熊本
試験日 ペーパー版:毎週土曜日
コンピューター版:ほぼ毎日
公式サイト https://ielts.org/

アカデミック・モジュールとジェネラル・トレーニング・モジュールの違い

IELTSのテストにはいくつかの種類があります。中でも受験者が多いのが「アカデミック」「ジェネラル・トレーニング」の2つです。

ここでは、この2つのテストの違いを簡単に説明します。

アカデミックは、主に学士以上の留学希望者が受験する試験です。高等教育を受ける際の英語運用能力を判定するテストとなっており、学術分野で用いられる語彙や表現に特化しています。

一方ジェネラル・トレーニングは、英語圏(オーストラリア・カナダ・ニュージーランド・英国)への移住希望者が主な受験者です。

生活・仕事をする際の英語運用能力を判定するテストとなっており、職場や日常生活で用いられる語彙や表現に特化しています。

スピーキングとリスニングの問題は共通ですが、リーディングとライティングはそれぞれ別の問題が出題されるのが特徴です。

IELTS for UKVIとIELTS Life Skillsは英国のビザ申請に有効

IELTSにはアカデミック/ジェネラル・トレーニング以外にも、IELTS for UKVI(Academic/General Training)IELTS Life Skills という英国ビザ申請専用の英語力テストがあります。

IELTS for UKVI は IELTS for UK Visas and Immigration の略で、英国のビザ申請に有効なテストです。英国政府公認の英語力証明テストSELT(Secure English Language Test)のひとつでもあります。

試験内容や難易度、採点基準は普通のIELTSと同じで、アカデミックとジェネラル・トレーニングの2種類があり、ライティング・リーディング・リスニング・スピーキングの4技能をテストします。

IELTS Life Skillsは英国ビザの申請者が、入国管理審査時に英語力を証明する際に有効です。スピーキングとリスニングのみの試験で、所要時間は20分程度です。

主に家族ビザ、配偶者ビザ、永住権、市民権などの申請時に受験を求められます。

IELTS for UKVIとIELTS Life Skills の2つは、進学先の教育機関や移民局から指定された場合のみ、受験する必要があります。

通常の IELTS で問題のないケースがほとんどですが、申請するビザの種類、教育機関や受講するコースによってはIELTS for UKVIが必要になるので、ビザ申請の時はよく確認しましょう。

IELTS(アイエルツ)試験の種類

IELTSとTOEFL・TOEIC・英検の違い

日本で受験できる英語検定試験の中では「英検やTOEFL/TOEICの方が身近に感じる」という方も多いでしょう。

ここではIELTSと、それらの試験との違いに触れたいと思います。違いを見るために、まずはIELTSの大きな特徴を3つ紹介します。

IELTSの特徴

  1. 世界中からの信頼度が高い
  2. 英語能力判定テストとしての精度が高い
  3. 各々の「英語を使う場面」での英語運用能力を選んで測定できる

IELTSの一番の特徴はなんと言っても、信頼度の高さです。すでに紹介したとおり、世界中の教育機関、政府から英語力を証明する試験として認定を受けています。

2つめの特徴は、英語能力判定テストとしての精度の高さです。

「100メートルを何秒で走れるか」といった身体能力と違い、言語能力は客観的指標を持ちにくく「どの程度の能力か」が測定しにくいものです。

「英語がまったく話せなくても、テクニックさえ駆使すれば高得点を取得できる」といったテストは、英語能力判定テストとして精度が高いとは言えません。また同じ受験者が、同日に受験したとして、点数が大きく変動してしまうようなテストも同様です。

その点、IELTSは長年「外国語としての英語」を研究してきたケンブリッジ大学英語検定機構が主体となって整備してきた試験であり、「外国語としての英語運用能力」を的確に測定することが可能です。

また測定できる英語運用能力は、大学・大学院といった高等教育機関に進む人の能力だけではありません。職場や地域コミュニティで用いる日常的な英語力も測定でき、受験者のニーズに合わせて選択できます。

そして3つ目の異なる点は、IELTSには「アカデミック」と「ジェネラル・トレーニング」の2つのモジュールがあり、それぞれに想定される「英語を使う場面」での英語運用能力を測れるところです。

この点が、TOEFLとの大きな違いと言えるでしょう。TOEFLはアカデミック領域での英語力測定に特化した試験であり、大学進学を希望する受験者を主な対象としています。

次にIELTSとTOEICの違いを見てみましょう。

TOEICは日本での知名度は抜群ですが、残念ながら世界的にはあまり認知されていません。

かつては英国ビザ申請の際、英語力を証明する「公認資格」として認められていましたが、現在では無効です。

TOEICは、日本国内での進学や就職の際に、英語力のアピール材料として用いる方が多いでしょう。受験料が比較的安価で受験日が多いため、気軽に受けられるのはTOEICの強みのひとつです。

次にIELTSと英検の違いについてですが、まず英検は国際的な認知度はゼロです。

また英語運用力を測る試験として精度は高くありません。同じ級であっても、ライティング・リーディング・リスニング・スピーキングで求められる英語力が一貫していないからです。

しかし近年は日本国内における高校・大学入試で英検の優遇措置枠が拡大しつつあり、国内での進学を目指す学生は、英検を取得するメリットがあるでしょう。

IELTSとその他英語試験の相違点比較

試験 目的 国際的な認知度
IELTS 海外留学や海外移住
TOEFL 海外留学や海外移住
TOEIC 海外就職
国内進学・就職
英検 国内進学 ×

IELTS(アイエルツ)の試験概要

それではIELTSとは、どのような試験なのかを具体的に見ていきましょう。

IELTSはペーパー版とコンピューター版がありますが、どちらも試験会場に行って受験する方式となっています。

またIELTSは、どの窓口で申し込むかによって、受験料が変わってきます。この点についても詳しく紹介しているので、申し込む前にチェックしておきましょう。

IELTSにはペーパー版とコンピュータ―版がある

IELTSの筆記試験は従来型のペーパー版と、コンピューター版の2種類から選択できます。それぞれの特徴とおすすめポイントを見ていきましょう。

受験方式の違い

受験方式 ペーパー版 コンピューター版
実施エリア 札幌・仙台
東京(高田馬場・新宿)
浜松・名古屋
大阪(梅田・吹田)
京都・岡山・鳥取
香川
福岡・那覇
東京(新宿・高田馬場)
名古屋
大阪(東梅田・福島)
京都
開催日程 毎月4日間程度 ほぼ毎日
結果公開 試験13日後 試験3~5日後

※ 試験会場は申し込み窓口によって違います。

ペーパー版は「紙とペン」の安心感と受験会場の多さがメリット

ペーパー版の特徴は、なんといっても慣れ親しんだ「紙とペン」というスタイルで受験ができることです。

メモを取りながら、大事だと思うところに線をひきながら、解答用紙に記入することができます。

また受験会場が全国主要都市に設置されているため、居住地にかかわらず受験がしやすいのも大きなメリットです。

コンピューター版はデジタルのメリットを享受

コンピューター版は、実施エリアが東京・名古屋・大阪といった大都市に限定されてしまうというデメリットがあります。またタイピングスピードに自信がないと、ライティングでは不利でしょう。

しかしコンピューター版ならではのメリットもあります。

まずひとつは「コピー&ペースト」ができること。途中で文章や段落の順番を入れ替えたいと思ったとき、自在に変更ができます。紙ベースでは消しゴムで綺麗に消して、書き直す必要があり、制限時間が迫っているときなどはとてもできません。

もうひとつのメリットは「語数カウント」ができることです。IELTSのライティングは語数が足りないと減点対象となります。

確実に指定語数をクリアしていることをチェックするためにも、語数カウントはしておきたいもの。コンピューター版ではすぐに画面上で確認できます。

ちなみにワードなどではおなじみの「文法チェック」「スペルチェック」などの機能はさすがに使えません。

それ以外にも、「個別スペースが確保されていて集中しやすい」「リスニングはヘッドフォンを使うので聞き取りやすい」「スピーキングの試験時間が予約できる」といった、コンピューター版ならではのプラス面は多くあります。

ちなみに「リスニングでメモを取りたい」という人にはコンピューター版であっても、試験会場でメモ用紙と鉛筆が配られるので、安心してください。

LinLin

このようにコンピューター版はメリットが大きいため、両方選べる状況であれば、私個人としてはコンピューター版の受験をおすすめします。

IELTSの試験日程

IELTSの試験日程は、受験方式(ペーパー版/コンピューター版)、試験種別(アカデミック/ジェネラル・トレーニング)、そして申し込み会場によって異なります。

コンピューター版の場合は、アカデミック・ジェネラルともにほぼ毎日実施。ペーパー版の場合、アカデミックは月4回程度、ジェネラルで月2回程度が標準的なスケジュールです。

都度変更もあるので、IELTSの受験を決めたら申し込み会場のスケジュールを確認するようにしましょう。

IELTSの試験日程

アカデミック ジェネラルトレーニング
ペーパー版 月4回程度(ほぼ土曜日) 月2回程度(ほぼ土曜日)
コンピューター版 ほぼ毎日 ほぼ毎日

※試験会場により試験日程が違います。

IELTSの申し込み方法と受験料

IELTSには複数の申し込み方法があります。申し込む窓口によって、受験料や受験方法、受験会場も異なるので、自分に合った申し込み方法を選ぶ必要があります。

日本で受けられる一般的な検定試験、たとえば英検などは窓口がひとつなので「どうして申し込み方法が複数あるの?」と不思議に思われるかもしれません。私もそう思いました。

その理由は、IELTSを管理(問題作成・採点など)している「主催団体」と、実際に会場を手配し受験者への連絡等を請け負う「テストセンター」の2つの団体がIELTS試験に関わっているからです。

このやり方はケンブリッジ英検などでも同じで、日本以外ではさほど珍しい運営方法ではありません。

現在日本国内のテストセンターは5団体あります。

受験料の割引や自習室の提供、学習カウンセリングといった受験生への学習サポートなど、各センター独自のお得なサービスを行っていることも多いです。

最新の情報は各センターでチェックしておきましょう。

IELTSの申し込み窓口と受験料

ペーパー版受験料 コンピューター版受験料
ブリティッシュカウンシル 29,900円
IDP Education 27,500円 27,500円
公益財団法人 日本英語検定協会 25,380円 25,380円
JSAF 27,500円 27,500円
バークレーハウス 25.380円

※ 料金はすべて税込みです。最新情報は各窓口の公式サイトでお確かめください。

LinLin

ホームページのわかりやすさ、テストセンターとしての信頼性、受験料の安さという点では、個人的には日本英語検定協会をおすすめします。ですが、他団体でも大きな差はないと考えて大丈夫です。日程や受験方式など、ご自身にとって都合が良いところを選びましょう。

IELTSの試験科目と内容

それではIELTSの試験科目と試験内容について見ていきます。

試験科目はライティング・リーディング・スピーキング・リスニングの4科目。アカデミックとジェネラル・トレーニング、どちらも同じ時間配分と配点です。

試験内容は、ライティングとリーディングはアカデミックとジェネラル・トレーニングそれぞれで出題内容が異なります。スピーキングとリスニングは共通問題です。

アカデミック・モジュールの試験内容

試験内容 試験時間
ライティング 全2問
大問1:図またはグラフを読み取り、分析・比較をまじえた説明文(150語)
■大問2:提示されたトピックに対する意見文(250語)
60分
リーディング 全40問 
長文3題(合計語数 2,150~2,750語)
■正答1問につき1点、40点満点で得点をスコア換算
60分
スピーキング 試験官との1対1面接方式
■3部構成
・1部 自己紹介・身の周りのことへの質問(4~5分)
・2部 提示されたトピックでスピーチ(3~4分)
・3部 トピックに関する質疑応答(4~5分)
11~14分
リスニング 全40問
■音声の放送は1回のみ
■多様なアクセント採用
■4部構成
・1部 日常的な会話(例:予約の電話)
・2部 日常的な説明文(例:ラジオ原稿)
・3部 教育現場を想定した会話(例:学生同士のディスカッション)
・4部 教育現場を想定した講話(例:大学の講義)
■正答1問につき1点 40点満点で得点をスコア換算
約30分
※解答用紙への転記時間+10分

ジェネラル・トレーニング・モジュールの試験内容

試験内容 試験時間
ライティング 全2問
大問1 与えられた条件でレターを書く(150語)
■大問2 提示されたトピックに対する意見文(250語)
60分
リーディング 全40問
文章(合計語数 2,150~2,750語)
3部構成
・1部 日常生活を想定した短文2~3つ(例:広告)
・2部 職場を想定した短文2つ(例:研修内容)
・3部 一般的なトピックの長文(例:新聞記事)

■正答1問につき1点、40点満点で得点をスコア換算
60分
スピーキング 試験官との1対1面接方式
■3部構成
・1部 自己紹介・身の周りのことへの質問(4~5分)
・2部 提示されたトピックでスピーチ(3~4分)
・3部 トピックに関する質疑応答(4~5分)
11~14分
リスニング 全40問
■音声の放送は1回のみ
■多様なアクセント採用
■4部構成
・1部 日常的な会話(例:予約の電話)
・2部 日常的な説明文(例:ラジオ原稿)
・3部 教育現場を想定した会話(例:学生同士のディスカッション)
・4部 教育現場を想定した講話(例:大学の講義)
■正答1問につき1点 40点満点で得点をスコア換算
約30分
※解答用紙への転記時間+10分

ライティング

大問1(150字)と大問2(250字)の計2問。大問2の方が配点が高くなります。試験時間は2問合わせて60分ですが、大問1は20分、大問2は40分という目安時間が設定されています。

内容はアカデミックの場合、大問1が図表の読み取り、大問2がエッセイです。アカデミックな文書にふさわしい、フォーマルな文体が求められます。

対してジェネラル・トレーニングの場合、大問1が指定された条件で書くレター、大問2がエッセイです。職場や日常生活で用いる、フォーマルからインフォーマルまで幅広い文体が求められます。

評価は「内容」「一貫性」「語彙」「文法」の4つの基準に基づいて採点されます。

リーディング

全40問、試験時間は60分です。全部で3つのパートに分かれていて、文章の長さはすべて合わせて2,150語〜2,750語です。

アカデミックでは計3つの長文が出題され、雑誌や新聞などから抜粋された学術的な内容の文章に関する設問を解きます。専門用語が含まれる場合は、簡単な注釈がつくのでチェックすると良いでしょう。

ジェネラル・トレーニングでは、第1部では広告やチラシなど「日常生活」に則した文書、第2部では人事や研修内容など「職場」を想定した文書が出題されます。

第3部の出題内容は、新聞記事など一般読者向けに書かれた、比較的長めでより複雑な文書です。

正答1問につき1点、合計40点満点となり、得点は1~9のバンドスコアに換算されます。

スピーキング

試験時間は11分~14分。試験官と1対1の面接形式です。3つのパートにわけられ、試験中のやりとりはすべて録音されます。

第1部では、身の周りの事柄、仕事や学業、趣味などに関する質疑応答を4~5分で行います。

第2部は、試験官より提示されたトピックについてのスピーチです。準備時間は1分、話す時間は1〜2分で、終了後試験官よりスピーチ内容に関する質問が1〜2つされます。

第3部は、2部のトピックについてさらに詳しく質疑応答を行い、より深く自分の考えを表現していくことが求められます。

評価基準は「流暢さと一貫性」「語彙」「文法」「発音」の4点。1部から3部までの全パートを総合的に評価します。

目の前の相手との会話を通して、適切なコミュニケーションを取る能力を測定します。

リスニング

全40問、試験時間は約30分です。試験後、解答を提出用紙に転記する時間が10分認められています。

全部で4つのパートにわかれ、どのパートも音声が流れるのは一度だけです。イギリス英語が中心となりますが、オーストラリア、ニュージーランド、北米各地の多様なアクセントも採用しています。

第1部はホテルやレストランの予約など、日常生活を想定した2人の会話文で、第2部は同じく日常生活を想定した説明文です。第3部と第4部は教育現場を想定し、それぞれ会話文と説明文が流れます。

選択問題に加えて、解答を自分で記入する記述式問題もあるため、スペルミスも減点対象です。

正答1問につき1点、合計40点満点となり、得点は1〜9のバンドスコアに換算されます。

IELTSのバンドスコアと有効期限

IELTSの試験結果は合否判定ではなく、バンドスコアで表わされます。バンドスコアは1.0〜9.0の間で0.5刻み、17段階で英語力を評価します。

各バンドスコアが表わす英語力の目安は下記のとおりです。

バンドスコアの解釈

バンドスコア 区分 解釈
9 エキスパート・ユーザー 適切で正確な英語を駆使できる
8 非常に優秀なユーザー 十分に英語を駆使できる
7 優秀なユーザー 英語を駆使できる
6 有能なユーザー 効果的に英語を駆使できる
5 中程度のユーザー 基本的なコミュニケーションがとれる
4 限定的なユーザー 慣れた状況でのみ基本的な能力を発揮する
3 非常に限定的なユーザー 非常に慣れた状況でのみ意味を理解し伝えられる
2 散発的ユーザー 慣れた状況で極めて基本的なことを片言で伝えられる
1 非ユーザー 単語の羅列のみ

参考)IELTSバンドスコアの解釈について

バンドスコアは、ライティング・リーディング・リスニング・スピーキングの4技能すべてに与えられ、この4つのスコアの平均値が、オーバーオール・バンドスコア=IELTSスコアとなります。

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なおIELTSのスコアには、筆記テスト当日を含めて2年以内、という有効期限があるので、公的機関などへの提出の際は十分に注意しましょう。

IELTSのスコアアップには勉強時間200時間が必要

CEFRのグレードを1つ上げるのに必要な勉強時間は200時間、というのがケンブリッジ大学英語検定機構の出しているデータです。

セファールのグレードを上げるのに必要な勉強時間
セファールのグレードを上げるのに必要な勉強時間

参照)ケンブリッジ大学英語検定機構

これをIELTSのバンドに相当して考えると、IELTSのスコアを1.0上げるのに200時間の勉強が必要になります。

IELTSとセファールの比較図
IELTSとセファールの比較図

参照)IELTS | IELTS and the CEFR

24時間英語の勉強をしていられれば10日足らずでクリアできますが、現実的ではないですよね。

1日5時間、勉強時間が確保できれば40日。1日1時間の場合は200日かかります。

まずは、自分が英語の学習にどれだけ時間を割くことができるのかを見極めることが大切です。その上で、目標とするスコアに近づくために必要な日数を算出しましょう。

時間がない人必見!1ヶ月でIELTSのスコアアップを目指す勉強法

IELTSは英語運用能力を測る試験として、世界トップレベルの精度を誇ります。そのため残念ながら「一夜漬け」「付け焼き刃」では大幅なスコアアップは望めません。

小手先のテクニックで点数が大きく上下することはありえない、ということは理解しておくべきです。

上記のことを踏まえた上で、IELTS受験が差し迫った直前期の勉強法を見ていきましょう。

1ヶ月でスコアアップを目指すIELTSの勉強法

  1. キーフレーズを「使える」ようにしておく
  2. 多用なアクセントに耳を慣らす
  3. 英文をタイム計測しながら毎日読む
LinLin

大幅な点数アップは望めないまでも、ポイントを抑え、優先順位をつけて対策することで試験当日、確実に得点できるでしょう。

1. キーフレーズを「使える」ようにしておく

ライティングとスピーキングでは、得点源となる定型フレーズというものがあります。

これらを整理し、適切に使えるようにしておきましょう。ライティングの場合、スペルミスは減点対象となるので、つづりも含めて完璧にしておくことが大切です。

次項「IELTSのライティングで使える表現」で代表的なものをまとめてあるので、参考にしてください。

また、試験当日は可能な限り、同じ表現を二度使うことは避けましょう。

採点者に対して「自分はこんなに色々な表現方法を知っています」とアピールをすることは、高得点ゲットのために絶対必要です。

2. 多用なアクセントに耳を慣らす

IELTSのリスニングはイギリス英語を中心に、多様なアクセントの音声が流れます。またニュース原稿のような聞き取りやすい音声だけでなく、一般人の日常会話を模した音声も流れます。

これらを正確に聞き取るには、学習者向けに作られたリスニング教材だけを使用していては対応できません。

アナウンサーやナレーターのような「話すプロ」だけでなく、一般人や訛りのある話者の英語にも意識的に触れましょう。

TEDなどで敢えて非ネイティブスピーカーを選んで聞いてみるのも、耳を多様なアクセントに慣らす良い訓練になります。

LinLin

音声をただ聞き流すのではなく、1分で良いので集中してシャドーイングをしてみると学習効果が上がりますよ。

3. 文をタイム計測しながら毎日読む

IELTSのリーディングはトータルで3000語近くあり、英語の検定試験の中でも量が多いことで知られています。

本番で集中力を保って読み進めるには、まとまった文章をスピード感を持って読み取る訓練が必要です。

IELTSの過去問やサンプル問題の長文を、ストップウォッチで計測しながら読む練習をしましょう。

「1パラグラフを何分で読めるか」「5分でどこまで読み取れるか」と常に時間を意識しながら内容を読み取る練習を集中的にすると、本番でも焦らず問題に取り組めます。

全パート共通!IELTSおすすめの勉強法「マインド・マップ作り」

IELTSで高得点を獲得するには、小手先のテクニックは通用しません。まずはじっくりと英語力そのものを底上げする必要があります。

すぐに効果は現れないかもしれませんが、確実に力がつく勉強法を紹介します。

IELTSを受験するのであれば、一度は挑戦してほしいのがマインド・マップ作りです。

マインド・マップとは思考の整理法のひとつです。頭に浮かんだものを、図式で落とし込み可視化していきます。

このマインド・マップ作りをIELTS頻出テーマごとに取り組むことで、自分の頭の中にある語彙・表現の整理ができます。実際に取り組んでみて、頭の中にあるだけでは数が足りないと自覚したら、増やす努力をしましょう。

テーマ毎に語彙や表現を一度整理しておくと、ライティングやスピーキングといったアウトプットはもちろん、リーディング・リスニングにおいても内容理解がよりスムーズに行えるようになります。

例えば、IELTS頻出テーマのひとつである「Environment(環境)」を取り上げてみます。

1. 頭の中の言葉を書き出す

IELTS対策のマインド・マップ1
Environmentに関連するキーワードを書き出す

まずは形式にとらわれることなく、テーマに対してのキーワードを書き出してみましょう。

可能な限り、英語で行うのが理想ですがこの時点では、日本語が混じってもあまり気にしないこと。とにかく頭に浮かぶキーワードをできる限り、連想ゲームのように書き出していきます。

単語だけでなく、フレーズもどんどん書き足して、何も見ないで自力で最低20個を目標にチャレンジしてみましょう。

テーマ例:Environment 環境

sustaninable 持続可能な、endangered species 絶滅危惧種、pollution 汚染、green house gas 温室効果ガス、climate change 気候変動、habitat 生息地、ecosystem 生態系、conservation 保全、going solar 太陽光発電に切り替える、renewable energy 再生可能エネルギー、drastically 劇的に、promote environmentalism 環境保護を促進させる

2. 言葉を整える

IELTS対策のマインド・マップ2
日本語で書き出した言葉は英語に直す

ステップ1で、とりあえず日本語で書いておいた言葉があれば、英語に直しましょう。
自力で挙げられるキーワードが20個に満たなかった場合、IELTSのテキストや辞書で調べ、書き足しておきます。

より重要だと思う言葉が見つかったら、それもどんどん足しましょう。20個と言わず、30個でも40個でも多ければ多いほど良いです。

またこの時点で、正確なスペリングを確認しておきます。

3. 言葉の理解を深める

IELTS対策のマインド・マップ3
コロケーションを整理する

ステップ2で整えたキーワードの理解をここではより、深めていきます。言葉を「知っている」段階から「正確に使いこなせる」段階へと進めていくのです。

まずは、コロケーション=よく使う組み合わせの言葉、を整理しておきます。例えば「sustainable 持続可能な」であれば以下のようなコロケーションがあります。

sustainableのコロケーション

  • sustainable development
  • sustainable energy sources
  • sustainable economic growth

英語にはこのように、強く結びつきあう言葉が多くあります。こうしたコロケーションをまず「知る」ことで、ぐっとリーディングやリスニングが楽になります。

そして実際にライティングやスピーキングで「使いこなす」ことができれば、評価は1ランク確実に上がるでしょう。

もうひとつ、ここでしておきたいのが「言葉を英英辞書で調べる」ことです。すでに意味を知っている言葉を、敢えて英英辞書で引くことで言葉そのものの理解をより深めることが狙いです。

sustainableは日本語で「持続可能な」と訳されますが、この言葉を英語で正確に説明できるでしょうか?ロングマン現代英英辞典では以下のように説明されています。

sustainable:
able to continue without causing damage to the environment.
able to continue for a long time.

このようにシンプルな言葉で、自力で言葉を説明できるレベルになれば「自在に英語を使いこなす」姿がぐっと近づきます。

また英英辞書を引いたら、例文、反意語、同意語、語形変化(sustainable形容詞→sustainability名詞)なども確認しておきましょう。

以上が、私がおすすめするマインド・マップを用いた勉強法です。

LinLin

「環境」以外で抑えておきたいIELTS頻出テーマは、「教育」「テクノロジー」「観光」「スポーツ」「歴史」「コミュニケーション」などがあります。過去問やサンプル問題なども参考にしながら、自分なりのマインド・マップを書いてみてください。

【パート別】IELTSおすすめの勉強法

それではパート別の勉強法を紹介します。IELTSの試験はライティング、リーディング、リスニング、スピーキングの4技能をテストします。

各パートの特徴と対策方法を知って、効率よく試験の準備を進めましょう。

IELTSライティングの勉強法

ライティングは日本人受験者が苦手とする分野です。しっかり対策をしておきましょう。

ここでは、以下の5つのポイントを紹介します。

IELTSライティングのポイント

  • 「序文」「本文」「結論」の3部構成を整える練習をする
  • 接続語のバリエーションを持つ
  • 文法の「使い分け」ができるようにする
  • IELTSのライティングで使える表現
  • 独学では難しいライティング対策は添削サービスの活用がおすすめ

「序文」「本文」「結論」の3部構成を整える練習をする

本文を書き始める前に、必ず2~3分かけて構成を考えます。

基本的には「序文:この文章で述べること/賛成/反対」「本文:理由・根拠の明示」「結論:今後の展望」の3部構成です。キーワードを思いつくままメモし、自分の考えをまとめます。

ポイントは「論理の明快さ」です。IELTSのライティングでは、主張に論理的な一貫性があることが何よりも評価されます。

持論を主張するあまり、客観性にかける内容になっていないか注意しましょう。

LinLin

過去問や練習問題を見て、自分なりの構成を考える練習をたくさん積みましょう。くり返すうちに、短時間で構成ができるようになります。

接続語のバリエーションを持つ

IELTSのライティングでは、論理的な文章を書くために文章と文章をつなげる接続語を効果的、かつ正確に使えなければなりません。

また同じ接続語を繰り返し使うことは避けるべき行為です。

たとえば前の文章を受けて、順接の接続語がすべて「and」、逆接がすべて「but」では大幅減点となります。これは小学生の作文の授業でも厳しく指摘されるので、IELTSを受験するような「いい大人」の書く文章ではないのです。

「hence」「therefore」「however」「though」といった多様な表現を日頃からストックしておきましょう。

文法の「使い分け」ができるようにする

IELTSのライティングで高得点を狙うには、文法知識も駆使することが求められます。単文の羅列では加点が見込めません。

分詞構文、仮定法過去、仮定法過去完了など「複雑な文章も書ける」ことをしっかりアピールするために、文法事項を復習しておきましょう。

ただ単に、文法を「理解」するのではなく、しっかり「使い分ける」レベルにまで落とし込めれば、得点アップにつながります。

ただし本番でのやり過ぎには注意。あくまでわかりやすい文章の範疇で行うことが大切です。

IELTSのライティングで使える表現

ここではテンプレートとでも言うべき、使える表現を紹介していきます。

アカデミック・モジュールを想定していますが、ジェネラル・トレーニングでももちろん活用できます。

Task1【図表の説明】で使える表現

英語 日本語
書き出し The graph/chart/diagram provides information regarding… 図表が示すのは
According to the graph/chart/diagram… 図表によると
比較・対比 in contrast 対照的に
similarly 同じく
on the other hand 一方では
傾向を表わす to increase/decrease from…to 増加/減少する
to fluctuate 変動する
to remain stable/steady 維持する
数値を表わす a little below/above わずかに下回る/上回る
slightly less/more than やや少ない/やや多い
approximately おおよそ
まとめ In summary まとめ
Overall まとめ

Task1では示された図表を読み取り、説明文を書くことが求められます。

指定語数は150語と多くありません。定型表現を駆使しながら、ポイントを抑えて無駄なく書きましょう。

Task2【意見文】で使える表現

英語 日本語
自分の意見を述べる In my view/opinion… 私の見解/意見では…
I tend to think/believe that… 私はこう思う/信じる傾向がある…
理由を述べる One of the main reasons why… 主な理由のひとつは…
There are a number of reasons for… その理由はいくつかあるが…
反対意見を述べる Having said that… そうは言っても…
Despite… にもかかわらず…
因果関係を述べる due to により
as a result/consequence 結果として
結論を述べる Ultimately,… 結局のところ…
All in all… 結局のところ…

Task2では与えられたトピックに対して自分の意見を述べます。論理の一貫性を意識しながら、効果的にこれらの表現を使っていきましょう。

添削サービスの活用がおすすめ

IELTSのライティングは自己採点がしにくいので、独学が難しい分野です。

書き上げたあとは、可能な限り第三者に添削をしてもらいましょう。ただし、英語ネイティブの人であれば誰でも添削できるものではありません。

IELTSのバンド採点基準を理解している添削者でなければ、「何が足りないか」をはっきりさせられないからです。

IELTS主催団体であるIDP監修のオンライン英会話サービス、ベストティーチャーなら、「IDP監修オリジナル問題」を使って、外国人講師からライティングの添削サービスを受けられます。

ベストティーチャー公式サイトTOP

担当講師とのやり取りをチャットでしながら英文を作り上げて、提出。添削後、講師からのアドバイス付きで模範解答も確認することできます。

もちろん、IELTSに精通したベテラン講師も在籍しているので、徹底的にIELTS対策ができますよ。このようなサービスも積極的に利用していきましょう。

ベストティーチャーでは、1問題4ステップの一連の流れを1回体験できます。無料体験後に有料会員登録しない限り料金は発生しないので、安心してお試しください。

ベストティーチャーIELTS対策コースの基本情報

コース名 試験対策コース(IELTS試験対策)
料金 月額16,500円(税込)
コース内容 ・IDP監修オリジナル問題(Writing、Speaking合計123問)を使ったレッスン
・外国人講師による英作文の添削
・添削後の英文をテキストにして英会話レッスン
・レッスン回数無制限
・日常・ビジネスシーンを想定した通常コースのレッスンも受講可能
講師 多様な国籍の講師
IELTSに精通したベテラン講師も在籍
受講可能時間 24時間年中無休
無料体験 ライティング~スピーキングレッスンまで4のステップ
1連の流れを1回体験可能
ベストティーチャーのキャンペーン

IELTS対策コース受講者を対象に、IDPが実施するIELTS試験を受けた全員にAmazonギフト券5,000円分プレゼント!

キャンペーン期間:2024年8月31日(土)まで

※ 参加方法やキャッシュバックの方法は公式サイトをチェックしてください。

IELTSリーディングの勉強法

本番でトータル3,000語近くの英文を集中して読むのは簡単なことではありません。日頃から300語程度の記事を2つ3つ、毎日読む習慣をつけましょう。

ただし、漫然と目で文字を追っていても時間の無駄です。かつて私がよく英語講師に言われ、実践していたのは「skim and scan」です。

skimもscanも「読み取る」ことを表わしますが、skimには「大意をとる」、scanには「細かく情報を入念に取り込む」という意味があります。リーディングテストで大事なのは、この素早く大意をつかみ、重要な情報を読み取る力です。

「大意は何か」「重要な情報は何か」「結論は何か」を常に考えながら、文章を読み取るようにし、該当する箇所を見つけたらハイライトなど印をつけるようにしましょう。

最後に文章の要約文を書くようにすれば、ライティングの練習にもなります。

「skim and scanを毎日実践するなんて無理。」「今日はもうどうにもやる気がでない。」そんな時もあるかもしれません。

そんなときは、音読だけでもしてみましょう。それも立派なリーディングの勉強になります。

毎日読み続けていると、ある日「あれ?楽に読めるな」という日が、必ずやってきます。信じて日々読み続けてみてください。

読むコンテンツは、バラエティに富んでいる方が力になります。堅いニュース記事、軽いゴシップ、個人のブログ、広告記事など手当たり次第に読んでみましょう。

実は1番バランス良く、こうしたコンテンツを読めるのが、IELTSの過去問です。サンプル問題なども含め、一度解いた問題の文章もぜひじっくり読んでみましょう。(IELTS Official Test Centre IELTS 練習問題

IELTSリスニングの勉強法

IELTSのリスニングは一度しか音声が流れません。そのため聞き逃しは致命的な減点になります。集中して、必要な情報を一度で聞き取る練習を日頃からしておきましょう。

IELTSのリスニングではイギリス英語が中心とは言え、多様なアクセントや訛りが音声として流れます。

北米・オーストラリア・ニュージーランドなど、アクセントの違いを聞き分ける必要はありませんが、特徴的な違いだけでも感じられるようにしておくと本番でも慌てずに済むでしょう。

TEDなどで、あえて非ネイティブスピーカーのスピーチを聞き込むのもとても良い練習になります。TED YouTubeチャンネルでも動画を配信しているので、無料教材として活用できますよ。

ted

「なかなかリスニングのスコアが伸びない」という人は、かなりハードな勉強法ですがディクテーションを一度試してみてください。ディクテーションは聞いた音声を、そのまま文字に起こしていく勉強法です。

ディクテーションの基本的なやり方

一度やってみると、いかに細部の聞き落としが多いか自覚できるでしょう。何度か繰り返すことで「自分が聞き落としやすい箇所」の傾向が見えてくるはずです。

「数字を聞き間違えてしまう」「thとsを混同してしまう」といった自分なりのクセを自覚することは、リスニング力アップの第一歩です。

IELTSスピーキングの勉強法

IELTSのスピーキングは、昨今の検定試験では珍しくなってきた「1対1の面接形式」です。

AIではなく、生身の採点者がもっとも重視するのは「目の前の人間と、自然なやり取りができるか」という点です。

そのため、本番中に仮に相手の英語が聞き取れなくても、適切に聞き返せば減点はされません。それは実際の会話では、大いにありえる状況だからです。

しかし、相手の質問に対して、用意してきた答えを「暗唱」した場合、大幅減点となります。なぜなら人間同士のコミュニケーションとして、不自然だからです。

まず日本人学習者が気をつけなければいけないのは、「答えを用意しすぎない」こと。

私が以前読んだ英検1級の対策本には堂々と、「2次面接対策のためにスピーチ原稿をいくつか用意して、暗唱しておくと良い」と書いてありましたが、同じことをIELTSで実行すれば大減点です。絶対にしないようにしましょう。

では、何を勉強しておけば良いのか。それは「キーワード」です。

全パート共通の勉強法で紹介したマインド・マップを元に、与えられたテーマを掘り下げる練習をしておきましょう。

常に自分に「why?なぜ」と問いかけ、それに対する答えを自分で考えることが、最良のスピーキング対策となります。

また会話表現でよく使われる「phrasal verb=句動詞」なども適宜織り交ぜられると「自然な英語」としての加点が見込めます。意識的に使えるよう、整理しておくと良いでしょう。

phrasal verbの例

  • put up with=endure 我慢する(endureの方が書き言葉寄り。以下も同じ)
  • let down=disappointed 落胆する
  • come across=encounter 出くわす

IELTS対策におすすめの教材(無料WEBサイト・アプリ・参考書)

IELTSは対策教材が豊富です。無料のものも多いので、ぜひ活用していきましょう。

絶対活用したい無料の公式サイト3つ

IELTS Test Preparation Materials

IELTS Test Preparation Materials
IELTS Test Preparation Materials

IELTS Test Preparation Materialsは、IELTS主催団体であるIDPの公式サイトです。

サンプルテストから対策動画まで充実したコンテンツが魅力で、特におすすめしたいのはArticleです。

Articleでは、「ペーパー版とコンピューター版簡単なのはどっち?」といった受験者目線の記事や、受験者体験記などが100以上掲載されています。

毎日1記事ずつ読むことで、IELTSテスト対策にも英語力アップにもつながりますよ。

ブリティッシュ・カウンシル 「ビデオ:IELTS受験のヒント」

ブリティッシュ・カウンシルIELTS受験のヒント
ブリティッシュ・カウンシルIELTS受験のヒント

同じくIELTS主催団体であるブリティッシュ・カウンシルの公式サイトでは、「ビデオ:IELTS受験のヒント」が公開されています。

IELTSの採点基準や、得点のコツなどが5分程度の動画に項目ごとにわかりやすくまとめられています。

「ライティングテストでは意識的に仮定法や分詞構文を使うこと」など、シンプルで具体的なアドバイスが多いので、IELTS本番までに一通り見ておくと役立つでしょう。

Future lean IELTS講座

Future lean IELTS講座
Future lean IELTS講座

イギリスのOpen Universityによって設立されたオンラインプラットフォーム、Future Leanでは、ブリティッシュ・カウンシルがIELTS対策のコースを無料で提供しています。

たとえば、リーディング対策の「Understanding IELTS: Prepare for the IELTS Reading Test」やスピーキング対策の「IELTS Speaking Test Preparation – Online Course」は、1日3時間×3週間でIELTS対策をしていくコースです。

年3回実施されており、出題形式の傾向と対策だけでなく、当日の心得なども学ぶことができます。世界中から受講者が集まるので、海外のIELTS受験生からも良い刺激がもらえそうです。

ちなみにFuture Leanは有料で修了証が取得できたり、受講期間が終了した講座を受講することもできます。

隙間時間を活用できるIELTS学習アプリ

IELTS対策のできるアプリは数多くありますが、可能な限り海外プロバイダが提供するオール・イングリッシュのものを選びましょう。

日本語の解説や設問が入るものは、せっかくの「英語を英語で理解するチャンス」を阻害し、英語学習において非効率的です。

IELTS by IDP

IDPのIELTSアプリ

IELTS主催団体IDP提供の公式アプリです。

目指すバンドスコアを入力し強化したい分野を登録すると、学習に最適な動画や練習問題、対策記事などを選定して表示してくれます。アプリ内から試験申し込みや結果確認も可能です。

IELTSを受験する人なら、必ず入れておきたいアプリですね。

アプリ名 IELTS by IDP
運営会社 IDP Education Ltd
対応端末 iPhone(iOS)
Android (Google Play
料金 無料
おすすめポイント IELTSに関するあらゆる管理がこのアプリひとつで完結

IELTS by IDPの詳細はこちら

Vocabulary Flashcards – IELTS

Vocabulary Flashcards - IELTS

IELTSに特化した語彙力強化アプリ。単語の意味と例文がセットになっていて、効率よく言葉を覚えることができます。

IELTS必須語彙を徹底的に強化するには、英語=日本語の対訳で単語を覚えていては追いつきません。「英語で単語の意味を説明できるレベル」を目指しましょう。

アプリ名 Vocabulary Flashcards – IELTS (iOS)
IELTS Exam Preparation: Vocabu(Google Play)
運営会社 Magoosh
対応端末 iPhone(iOS)
Android (Google Play)
料金 無料
おすすめポイント フラッシュカード形式で600の頻出単語が学べる

Magooshのアプリ詳細はこちら

IELTS対策におすすめの参考書・問題集

IELTS受験を決めたら1冊は持っていたいのが公式対策本です。ケンブリッジ大学英語検定機構出版の、文法対策用参考書と、語彙力強化用参考書は必ずチェックしましょう。

ケンブリッジ大学英語検定機構出版IELTS参考書
ケンブリッジ大学英語検定機構出版IELTS参考書

アプリ同様、可能な限り英語で書かれたテキストを選びましょう。問題文を読むのも、解説を読むのも、すべてが貴重な英語の学習です。

IELTS対策ができるオンライン英会話

独学での対策に限界を感じている方や、できるだけ早く良いスコアを取得したい人はスクールの活用も方法のひとつです。

現在は通学型の英会話教室だけでなく、オンライン英会話でもIELTS対策を行っているところがあります。オンラインなら通学の手間がかからないので、学校や仕事との両立がしやすいです。

ここではIELTS対策に活用できるオンライン英会話を紹介していきます。

IELTS対策ができるオンライン英会話

オンライン英会話 コース 特徴
Berlitz 教室・オンライン自由選択コース(マンツーマン) 一人ひとりの実力や目標に合わせて、カリキュラムを提案
QQ English IELTS Speaking試験 対策カリキュラム 1回50分、全40回のレッスンすべてがIELTSスピーキングテストの模擬試験形式
アルプロス プライベートレッスン 個人に合った専用カリキュラムを作成、オンラインと通学にも対応(新宿)

Berlitz(ベルリッツ)教室・オンライン自由選択コース

ベルリッツ(belritz)

英会話スクールBerlitz(ベルリッツ)では、マンツーマンのコースなら、一人ひとりの希望に沿ったIELTS対策のレッスンを受講できます。

IELTS対策が受講できるのは「教室・オンライン自由選択コース(マンツーマン)」で、都合に合わせて教室やオンラインで授業が受けられます。

担当するのは外国人講師なので、とくにスピーキングの試験対策には大変役立つことでしょう。

1点だけ、IELTS対策が受講できるのは上記のコースのみです。全てのレッスンをオンラインで行う完全オンラインコースはまた別のコースとなるので注意しましょう。

ベルリッツの基本情報

料金 28,334円~
※ 40レッスン、受講期間3ヶ月、12回分割の場合
コースの内容 一人ひとりの希望に沿ったマンツーマンレッスン。通学での受講とオンラインでの受講を自由に選べる。
レッスン時間 1レッスン40分
受講できる時間帯 担当講師と要相談
無料体験 無料受講相談(オンライン可)

※ 料金は税込み表示です。

ベルリッツの特別キャンペーン!

ベルリッツでは、入学金半額などお得なキャンペーンを実施中。

夏の短期集中プランも提供しているので、ぜひチェックして下さい!

キャンペーン期間:8月31日(土)まで

QQ English IELTS Speaking試験 対策カリキュラム

QQEnglish公式サイトTOP

スピーキングに絞って強化したい人は、オンライン英会話のQQEnglishがおすすめです。

QQ EnglishのIELTS Speaking試験 対策カリキュラムは、1回50分、全40回のレッスンすべてがIELTSスピーキングテストの模擬試験形式で行われます。

本番形式の模擬試験だから、実践に活かせる力がつけられますし、模擬試験後に担当教師からフィードバックも受けられるので、効率よく対策できるのがポイント。

初めてIELTSの試験を受講する人が、IELTSの問題形式に慣れることを目的として利用するのもいいですし、さらなるスコアアップを目的とした人にも活用いただけます。

なお、受講条件は特にありませんが、TOEIC550点以上、IELTSのスコアがスピーキング単独で4.5以上のレベルの受講者に推奨されています。

QQ Englishの基本情報

料金 月4回コース 月額2,980円(200ポイント)
月8回コース 月額4,980円(400ポイント)
月16回コース 月額7,980円(800ポイント)
月30回コース 月額11,980円(1,500ポイント)
※ IELTSSpeaking試験対策カリキュラムは、1回150ポイント消費のポイント加算カリキュラムです。上記のコースに加えて、追加ポイントを購入することもできます。
コースの内容 全40回IELTS本番形式の模擬試験、フィードバック
レッスン時間 1レッスン50分
受講できる時間帯 担当講師と要相談
無料体験 無料体験レッスン2回

※ 料金は税込み表示です。

QQEnglishのキャンペーン

期間中のお申し込みで全プラン初月料金9円!月30回コースも通常月額11,980円(税込)のところ、初月1円で利用できます。

キャンペーン期間:2024年8月31日(土)まで

トライズ IELTS対策コース

TORAIZ(トライズ)

英語コーチングのトライズにはIELTS対策に特化した3ヶ月集中コースがあります。

専属の学習コンサルタントとコーチが、IELTSスコアアップのために最適な学習プランを構築。週3回のレッスンを含めて1日3時間、3ヶ月でライティング、リーディング、リスニング、スピーキングの4技能を集中的に対策していくコースです。

教材は受講者の英語レベルや目標に合ったものを、コーチが選定してくれます。

試験対策は、ともすると孤独な戦いですが都度、学習コンサルタントが面談やメールで学習相談にのってくれるのは心強いですね。

トライズの基本情報

料金 分割払い月々13,600円~
コースの内容 初回コンサルティング、グループレッスンやプライベートレッスンでのアウトプット学習、インプット学習のサポート
レッスン時間 1レッスン50分
受講できる時間帯 担当講師と要相談
無料体験 無料カウンセリング(60分~90分)

※ 料金は税込み表示です。

アルプロス プライベートレッスン

アルプロス

英会話教室のアルプロスではプライベートレッスンで、IELTS対策が可能です。オンラインと通学、どちらにも対応しています。

1回50分、ネイティブまたは日本人講師と1対1のレッスンでライティング、リーディング、リスニング、スピーキングの4技能を対策していきます。

マンツーマンの良いところは、個人の弱点にしぼって効率よく勉強ができるところですよね。アルプロスは専用カリキュラムを作成してくれるので、より効果の高い学習が期待できます。

なおアルプロスでは校内模擬試験も受けられるので、しっかり本番に向けて調整できそうです。

アルプロスの基本情報

料金 分割払い月々13,600円~
コースの内容 1対1のプライベートレッスン、専門ネイティブ及び日本人講師が担当、自分専用のプログラムで効率よく試験対策
レッスン時間 1レッスン50分
受講できる時間帯 月~木 10:00 〜 22:00
金土日祝 10:00 〜 18:00
無料体験 カウンセリング(1時間)、英語力診断+体験レッスン(約1時間半)
※ カウンセリングのみ受けることも可能

※ 料金は税込み表示です。

IELTSの勉強法に関するよくある質問

独学でもIELTSの対策ができますか?
独学でも十分IELTS対策はできます。ただしライティングだけは、本番前に添削を受けることをおすすめします。その際は可能な限り、IELTS対策に特化したプロの指導者にお願いしましょう。「目標とするバンドスコアに届いているか」「足りていないところはどこか」といった具体的かつ的確なアドバイスを得ることができます。「英語としておかしくないか」「論理は一貫しているか」という点だけのチェックであれば、添削者は誰でもOKです。ちなみに、IDPでは申込者優待でライティング添削を1回無料で受けられるサービス「IELTSライティング・アシスト」があります。ぜひこうしたお得情報もこまめにチェックして、活用してみてください。
海外留学にはどれくらいのバンドスコアが必要?
求められるIELTSスコアは、大学によって異なります。最低ラインは5.5、CEFR換算でB2レベルです。選択肢を広げるためには6.5〜7.0を目指したいところです。留学中に8.0以上を取得できると、CEFR換算でC2レベルとなり、確かな英語力の持ち主として帰国後の就職などにも有利に働くでしょう。
初心者のIELTS対策は何から始めればいい?
リーディング対策に特化することをおすすめします。過去問や予想問題のリーディング・パートの長文を読み込みましょう。設問に答えるのは後回しです。まずは文章を読み取ることに専念してみてください。
IELTSの長文問題は大量で、日常的に英文を読み慣れている人でないと、試験本番最後まで集中して解答することは困難です。まずは長文をしっかり読み込む訓練を積むこと。1問につき20分という所要時間の目安を考慮すると、文章の読み取りは10分以下、できれば6分程度ですませるのが理想的です。
リーディング力がつけば、ライティング、スピーキング、リスニングも相乗効果で必ず向上します。あれこれ欲張るのではなく、まずは文章を読み取る力をしっかりつけましょう。
リーディングの長文を読んでも、前後の文脈からも推測のできない、まったく意味のわからない単語や表現が1パラグラフにつき5個以上ある場合は、基礎力が足りていません。IELTS用単語集などを用い、基礎的な語彙を増やしてからリーディングに取り組むことをおすすめします。

【まとめ】IELTS対策を通じて英語力を底上げしよう

この記事ではIELTSとはどのような試験か、どのように対策をしていけば良いかをお伝えしてきました。

IELTSの勉強法はさまざまで、教材やオンラインの無料講座をうまく活用すれば、独学でも十分対応できます。

ただ、短期間で結果を出す必要があったり、初めてのIELTS試験でどう対策をすれば良いか迷っている方は、オンライン英会話等で対策講座を受講するのも方法の一つです。

日本で受験生が多いTOEICの試験対策は、リスニングとリーディングに限られてしまい、英語力をバランスよく高めることは難しいです。

ですがIELTSはスピーキングとライティングの対策も必要となるため、IELTS対策を地道に継続していけば、英語力は確実に底上げされます。

ですから、留学目的でIELTSの試験を受けるのも良いですし、英語学習のモチベーションとして受験するのもとても良いと思います。

目標とするスコア目指して頑張りましょう!