英語の速読ができるようになる勉強法とコツ

「英語の長文が苦手で、試験のときも時間内に英文を読み切れない」
「英文メールを読むのが遅いために毎日の仕事がはかどらない」

英語で書かれた文章も、日本語と同じくらいのスピードで読めたら良いのになぁと思いませんか?

この記事では、「なぜ英語を読むスピードがなかなか上がらないのか」ということを考えながら、効率よく英語の速読ができるようになるための練習方法や、勉強のやり方のコツを紹介します。

無料で使えるアプリや、教材として活用できるサイトなども紹介していきますので、「ネイティブのように、もっと英文をスラスラ読めるようになりたい」と考えている方はぜひ一度試してみてください。

英語の速読が身につくと、自然と英語を読む量も増えるため英語力そのものもどんどん向上していきます。ポイントをおさえた正しいやり方で、速読力をしっかり磨いていきましょう。

執筆者:Lin
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小4までアメリカの現地校に通い、帰国後は「英語はネイティブ並みでしょう?」という周囲の誤解とプレッシャーゆえに、英語の勉強から遠ざかった過去あり。中途半端な英語力にコンプレックスを感じ、大人になってから再勉強。英検1級。ケンブリッジ英検CAE。TOEIC910点。さらに英語指導者(TEFL)や児童英語指導者(TEYL)の資格を持つ。プロフィールの詳細はこちら

英語の速読を身につけるメリット4つ

英語の速読ができるようになると、主に4つのメリットがあります。

速読を身につけるメリット

  • TOEICや大学入試など英語試験のスコアアップにつながる
  • ビジネスシーンでは仕事の処理スピードが上がる
  • 大量の情報収集が短時間で効率的にできる
  • 英文を読む量が増えるので総合的な英語力が上がる

TOEICや大学入試など英語試験のスコアアップにつながる

もっともわかりやすい成果が、英語力判定試験のスコアアップです。

英語能力試験の多くはまとまった量の英文を読ませ、理解度チェックをすることで英語力を測ります。

速読ができるようになると、まずは文章を最後まで確実に読み切れるようになるでしょう。

さらに、速く読めるようになったことで時間の余裕ができ、確認のために読み返すことができます。これにより、より正しい解答ができるようになるのです。

英語能力試験のなかでもリーディングの長文問題は配点が高いことが多いので、ダイレクトにスコアアップが期待できるでしょう。

ビジネスシーンでは仕事の処理スピードが上がる

英語の速読スキルが役立つのは、試験のときだけではありません。日常、とくにビジネスシーンでは非常に役立つスキルです。

というのもメールや報告書、レジュメに議事録、とビジネスシーンでは多くの文書を扱います。

これらの読み取りに時間がかかってしまうと、仕事の効率は格段に悪くなります。

英語の速読ができる人とできない人の仕事の差

周囲への指示や交渉、相談、といった次の段階に仕事を進めるためにも、素早く英文を読み取るスキルがあると、ビジネス上も大きな強みとなるでしょう。

大量の情報収集が短時間で効率的にできる

インターネット上でも、紙の書籍でも、情報収集を素早く行うためには素早く文字を読み取る必要があります。

英語の速読ができるようになると、日本語以外で書かれた情報も短時間で大量に収集できます。

学生の方なら、海外の論文を読む際に非常に役立つスキルです。

英文を読む量が増えるので総合的な英語力が上がる

速読が身につくと、英文を読むのが苦にならなくなっていきます。

結果的に読む量が増え、読む量が増えることで表現力・語彙力も高まり、最終的には総合的な英語力が一段階上に上がっていきます。

リーディングだけでなく、リスニング、スピーキング、ライティングのスキルアップを目指す人は、速読のスキルを身につけましょう。

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英語の速読ができるようになると、さまざまなメリットがあることがわかりましたね。ただ、英語の速読は簡単にできるものではありません。すでに速読の練習をしている人も、なかなか身につかず悩んでいる人もいるでしょう。次の項では速読ができない原因とうまく速読するコツを紹介します。

英語長文の速読ができない原因と速読するコツ

速読ができない、英語を読むスピードが遅い人には共通点があります。自分に当てはまるところがないか確認してみましょう。

英語の速読ができない原因

  • 英文を読み慣れていない・英文を読む量が足りていない
  • 英文を音読している
  • 英文を読み返している
  • 英語をまとまりではなく単語で理解しようとしている
  • 語彙力・文法力不足

英文を読み慣れていない・英文を読む量が足りていない

私を含め、「英文を読むスピードが遅い」と悩むほとんどの日本人学習者に当てはまるのが、そもそも日頃から英文を読む量が足りていないことだと思います。

語学力は筋力と同じで、鍛えれば強く、大きくなりますが、使っていなければ緩み、使い物になりません。

語学力は筋トレと同じで鍛えれば強くなる

トレーニングも積まずにいきなり100キロのバーベルを持ち上げようとは誰も思いませんよね。まったく持ち上がらないか、怪我をして二度とチャレンジをしようとは思わなくなるか、どちらかでしょう。

同じように無謀なのが、日常的に英文を読んでいない人が、いきなり英語ネイティブが読むような文章を読もうとすることです。

まったく理解できないか、嫌気がさして挫折してしまうでしょう。せっかくチャレンジしたのに、それではもったいないですよね。

まずはスピードへのこだわりを捨て、「英文を読む」というトレーニングを積みましょう。

この場合は難しい英文である必要はまったくありません。子どもや英語学習者向けに語彙数が限定されているものなど、辞書を使わずに100パーセント理解できるような「やさしい文章」を大量に読むことが大切です。

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はじめのうちは1パラグラフからで良いので、英文を毎日読むことを習慣づけましょう。継続することで、英語特有の語順や定型表現にも慣れていきます。

英文を音読している

音読は英語力そのものを上げていく「学習法」としては優れていますが、「英語を素早く効率的に読み取る」という作業には不向きであることを自覚しましょう。

「英語を読むスピードが上がらない」と悩む方の多くは、英文を読む際に音読をしています。
目で文字を追い、口から言葉を発する音読は、黙読よりも文章を読み取るのに時間がかかります。

また実際に声に出さなくても、文字を頭のなかで音に起こしている場合も同じです。読み取りスピードが遅くなります。

英文を読む際、常に音読をしていては、いつまでたっても英語の速読には結びつきません。学習時以外では文章を音声に起こさない、黙読を習慣づけてみましょう。

速読を鍛えるなら音読ではなく黙読を習慣づけよう

英文を読み返している

1回で文章を読み取れず、何度も同じところを読み返していると、当然ながら読むスピードは遅くなります。

これは集中力が途切れているか、単純に語彙力や文法力が足りていない状態でしょう。

また、学生時代に習った「後ろから訳す」やり方で読み取っている場合も、読むスピードは上がりません。

英語は英語の語順通りに、英語のまま理解していくクセをつけましょう。

英語をまとまりではなく単語で理解しようとしている

英語を一字一句、日本語に訳しながら読んでいる場合も読むスピードは上がりません。

たとえば、英語には「phrasal verb :句動詞」のように、複数の単語からなる定型表現が多くあります。こうした定型表現に気づかず、バラバラの単語として理解しようとすると時間がかかる上に、文章の正確な意味をとることはできません。

「look forward to~ing: ~を楽しみにする」という中学校で習う表現を例に挙げてみましょう。

「look:見る」「forward:前へ」「to~:~に」と語順通りにバラバラに単語を理解しようとしても意味は通じないですよね。

このやり方だと、最後の「ing」まできて、「ああこれは “look forward to ~ing” の定型表現だな」と気づくことになるでしょう。

対して、はじめからまとまりとして「look forward to~ing」を捉えていた場合は、逐一単語を読み取る必要がないので、その分文章を読むスピードが上がります。

まずは定型表現の知識があることが大前提ですが、たとえ知識があったとしても、「いざ英語の文章を読むときに、なかなか頭のなかにある英語と結びつかない」ということはよくあります。

英語をまとまりとして捉える習慣を身につけましょう。

語彙力・文法力不足

知らない単語や表現が文章中に出てきた場合、文中からその意味を推測しようとしますよね。

英文を読むのに、ヒントを探しつつ頭を使って考えながら読み進めていくことは、非常に時間がかかる作業です。

必ずしも「語彙力・文法力が高い=英語を読むスピードが速い」とは言えませんが、少なくとも語彙力・文法力が低い状態では、読むスピードが今以上に上がることはないでしょう。

語彙・文法知識の継続的なインプットを心がけてください。

英語の速読ができるようになる勉強法

それではどのようなやり方で勉強をしていけば、英語を読むスピードを上げていけるのかを考えていきましょう。

まずはwpmを計測して文字を読む速度を確かめてみよう!

「wpm : words per minute」とは1分あたりの単語数を表わす言葉です。

一般的には1分間にタイピングできる単語数=タイピングスピードを表わす指標ですが、ここでは1分間の単語読み取りスピードを表わす言葉として用いています。

まずはこのwpmを計測し、自分が1分間にいくつの単語を読み取れているのかを確認してみましょう。

計測には、一般社団法人日本速読力協会が提供している、「英語総合読解力測定メジャーさん」がおすすめです。

英語総合読解力測定メジャーさん

まずは中学1・2年生用の基礎的な英文でチャレンジしてみてください。実際に計測してみるとおわかりいただけると思いますが、当然ながらwpmは読む文章によって変わります。

幼児向けの絵本を読むのと同じスピードで学術論文を読むことなど、たとえ母語であっても難しいでしょう。

数値にこだわらず、あくまで目安として、現在の自分の英文を読むスピードをチェックしてみてください。

参考までに英語ネイティブの場合は以下のようなデータがあります。

年齢 スピード
小1(6歳~7歳) 53~111wpm
小5(10歳~11歳) 139~194wpm
中学生(11歳~14歳) 150~204wpm
高校生(14歳~18歳) 200~300wpm
大学生(18歳~23歳) 300~350wpm
一般成人 220~350wpm

参照)scholarwithin.com

注意!wpmを計測するから読むスピードが速くなるわけではない

あなたのwpmはいかがでしたか?おそらく多くの方が「自分が思っていたより遅い」と感じる結果だったのではないでしょうか。

しかし「自分の英語読み取りスピードは小学生レベルだ…」と落ち込む必要はありません。

私を含め、日本人学習者の英語読み取りスピードは決して速くはないのです。というよりも非常に遅いのです。(その理由は前項で挙げました。)

間違っても「wpmを上げなければ」と、毎日wpmチェックをして読む力を鍛えようなどと思わないでくださいね。

wpmを計測するのはあくまで自分の読み取りスピードを客観的に測るためであり、読む力を鍛えるためではありません。

LinLin

繰り返しますが、wpmはあくまで目安に過ぎないので、こだわりすぎないようにしましょう。

スラッシュリーディングで英語をまとまりで読むトレーニングをする

英語を読み取るスピードを上げるために、私がもっとも効果的だと思う勉強法のひとつにスラッシュリーディングがあります。

スラッシュリーディングとは、英文を意味の切れ目ごとに線=スラッシュを入れながら読み進めていく読解法です。

「She went to school after visiting her grandma」のスラッシュリーディング

常に意味のまとまりを意識しながら英文を読んでいくので、まずは集中力が保たれます。

また、文字を読み取りながら内容を理解することを同時に行うので、あとで読み返す必要もなくなり、結果的に時間短縮につながります。

さらに、英語を日本語の語順に合わせて読む、いわゆる「返り読み」の習慣から抜け出るためにもおすすめの勉強法です。

たとえば以下のような文章にスラッシュを入れるとどのようになるでしょうか。

英語速読 スラッシュリーディング例文1

初めて取り組む場合は「どこでスラッシュを入れたら良いのかわからない」「自己流でスラッシュを入れてみたら、全部の単語で区切ってしまった」と悩まれるかもしれません。

しかし、スラッシュを入れる箇所に絶対的な正解などありません。
10人でやれば10通りの答えがあるかもしれないのです。

「間違っていたらどうしよう」などと思わずに、「自分が」わかりやすいところにスラッシュを入れてみましょう。それでも見当がつかない場合は「息継ぎをするところ」にまずは入れてみてください。

ちなみに私が上記の例文にスラッシュを入れるとしたら、以下のようになります。

英語速読 スラッシュリーディング例文2

私自身も、普段英文を読んでいて「ちょっと意味がわかりにくいな」と感じることはよくあります。

そのようなとき、スラッシュを入れて読むことで、なんとなく読み飛ばしていたところに定型表現が隠れていることに気づけたり、主語と述語の関係がクリアになったりすることがあります。

LinLin

英語をまとまりとして読む、意味の区切りを意識して読むためにぜひスラッシュリーディングを習慣化してみてください!

句動詞や連語などの定型表現をインプットして語彙を増やす

語彙を増やす、というと「英単語」のインプットをイメージされるかもしれません。

しかしたくさんの単語の意味を知っていること以上に重要なことは、単語と単語が結びついてできる句動詞などの定型表現をいかに素早く、直感的に、視覚的に、捉えられるかということです。

何度も例に挙げていますが「look forward to~ing: ~を楽しみにする」という表現が出てきたとき、パッと反射的に1語として捉えられるか、バラバラに4語として捉えてしまうかという違いが、結果的に文章を読み取るスピードに大きく影響します。

また英語には、2つ以上の単語のつながりを表わす「collocation:連語」と呼ばれるものがあり、多くは慣用的な表現となっています。

たとえば「comit a crime:罪を犯す」「take a photo:写真を撮る」といった表現です。これらもバラバラに3語として捉えるのではなく、素早く1語として捉えられるようになると、読むスピードは一気に上がります。

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単語帳や問題集などを使って、集中的にインプットしてみてください。1冊やり終えるころには、ぐっと長文が読みやすくなるはずです。

毎日まとまった量の簡単な英文を読む

地道な作業ですが、やはり「英文を読み慣れる」ことは速読力をつけるのに欠かせない大事な基礎トレーニングです。たくさん英文を読みましょう。

はじめは300語くらいの文章を1日3つ読むことを目標にしてみてください。

大切なことは、自分で「簡単すぎる」と感じるくらいの文章を選ぶことです。
張り切って英字新聞の社説や、論文を読む必要はありません。児童向け、学習者向けのものが最適です。

ただし可能な限り、英語圏で作られたコンテンツを選びましょう。どうしても日本など非英語圏で作られた教材は、不自然な表現も多くなりがちです。

実際に英語を話されている国で、英語話者のため、もしくは英語学習者のために書かれた文章にまさる教材はありません。

同じ文章を繰り返して読むのではなく、毎日新しいものを読みましょう。1ヶ月もすれば、驚くほど読み取りスピードが上がっていることに気づくはずです。

LinLin

「最適な教材が知りたい!」と思った方は、次項でおすすめ教材を紹介するので、引き続き読んでいただき参考にしてください。

英語の速読のトレーニングにおすすめの教材

速読のトレーニングに活用したいおすすめの教材をご紹介していきます。

教材は書籍だけでなく、スマホアプリや無料で利用できるWebサイトなんかもありますので、始めやすいものから使ってみてくださいね。

例文で速読の練習ができるおすすめ参考書や問題集

ここでは、速読の練習ができるおすすめの書籍を2つご紹介します。

速読英熟語(Z-KAI)

速読英熟語(Z-KAI)

『速読英熟語』は、重要熟語をただ覚えるだけではなく、実際の文章でどのような使われ方がされているのかがわかる参考書です。

重要英文法のまとめや、日本人には難しい前置詞のイメージに関するコラムなど、日本語での解説が豊富に記載されています。

熟語のインプットだけでなく、学校英語の知識を総復習できるので、大学受験生向けに編集されていますが、社会人の方にもおすすめです。

書籍名 速読英熟語 改訂版
出版社 Z会
著者 岡田 賢三
価格 1,320円(税込)

『速読英熟語 改訂版』購入はこちら

Really Learn 100 Phrasal Verbs

Really Learn 100 Phrasal Verbs

『Really Learn 100 Phrasal Verbs』は、「phrasal verbs:句動詞」のインプットを集中的に行いたいと考え、私が実際に使ったテキストです。

100の厳選された頻出語の使い方を、練習問題に取り組みながら身につけることができます。

言葉をただ暗記するだけではなく、「使える」ようになりたい方には特におすすめの1冊です。

書籍名 Really Learn 100 Phrasal Verbs: Learn the 100 most frequent and useful phrasal verbs in English in six easy steps
出版社 Oxford University Press
著者 Oxford
価格 1,628円(税込)

『Really Learn 100 Phrasal Verbs』購入はこちら

無料あり!英語の速読に役立つおすすめアプリ・サイト

英語の速読スキルを鍛えるのに、カーンやブリティッシュ・カウンシルが提供する子ども向け学習アプリやサイトが非常におすすめです。

無料で使えるので、ぜひ実際に利用してみてください。

【スマホアプリ】Khan Academy Kids(カーンアカデミーキッズ)

Khan Academy Kids

「Khan Academy Kids」は、2歳から8歳の子ども向けの英語学習アプリですが、英文を大量に読みたい大人の学習者にちょうど良いのがLibraryのなかのBooksです。

Khan Academy Kids Library

400以上の英語の本が、ネイティブ音声付きで無料で読めます。自然・地理・仕事・乗り物・動物といったテーマごとに分類されているので、自分の関心のあるテーマを選んで、毎日読んでみましょう。

子ども向け、と侮ることはできません。シンプルな英語でもここまで豊かな表現ができるのか、と驚かれると思います。

Khan Academy Kidsアプリの基本情報

アプリ名 Khan Academy Kids: Learning!
運営会社 Khan Academy
対応年齢 2歳~5歳
対応端末 iPhone(iOS)
Android (Google Play)
料金 無料

Magazine | LearnEnglish Kids

ブリティッシュ・カウンシルウェブサイト

LearnEnglish Kidsは、英国の公的な国際交流機関ブリティッシュ・カウンシルが提供する、子ども向け英語学習サイトです。

大人の学習者におすすめしたいのがMagazineのページ。旬の話題を取り上げ、わかりやすい英語で書かれているので英文を読む練習に最適です。

Magazine | LearnEnglish Kids

はじめに10問程度の単語のミニクイズに挑戦。その後本文を読んでみましょう。50語程度のパラグラフが5~6つあり、全部で300語前後とボリュームがちょうど良いのもおすすめポイントです。

最後に、内容理解度をチェックできるクイズにトライ。全問正解を目指しましょう。

時間を計って、1分間でどこまで読めるか挑戦してみるのも集中力が鍛えられて良いですよ。

英語の速読に関するよくある質問

TOEICやIELTS、共通テストなどの大学入試で必要な英文を読む速さの目安はどれくらいですか?
個人的には1分間で150語、つまり150wpmが最低ラインになると思います。これ以上遅いと、おそらく試験時間内に問題を解き終わりません。
たとえばIELTSは2,150語〜2,750語の英文が、試験時間60分のリーディングテストで出題されます。これは問題文としての英文の量なので、設問や指示文も加えると試験時間内に読み切らなければならない英文はさらに増え、3000語近くにはなるでしょう。
仮に英文を読むスピードが150wpmだとすると、英文を読み取るのに約20分かかり、設問に答えるのに使える時間は残りの40分ということになります。時間配分としては、私はギリギリだと感じます。おそらく見直しの時間は取れないでしょう。
自分の目指す試験の過去問をチェックし、出題されている長文を読むスピードを一度計測しておくと、本番でも慌てずに済みます。
英語の速読ができるようになるため、音読や精読をしようと思います。同じ文章を何度も繰り返すのと、毎回違う文章を読むのではどちらが効果的ですか?
音読も精読も、正しく行えば英語力を上げていく学習法として充分な効果が見込めます。しかし「英語を読むスピードを上げる」ことが最優先なのであれば、どちらも効率的な手段ではありません。むしろ音読と精読ばかりやっていては、いつまでたっても読むスピードは今以上、上がらないでしょう。
精読、つまり「辞書が必要なほどレベルの高い文章を、時間をかけて読み取る作業」は速読力にはつながりません。速読力を上げるためにやるべきことは、精読ではなく多読です。
辞書がいらない簡単なレベルの文章を大量に読み込み、英語を英語のまま理解する。そして英語の定型表現に慣れ、感覚的に英文を読み取れるようになると、英文を読み取るスピードは一気に上がります。
また毎回同じ文章を、何度も繰り返して読むのは無意味です。同じ文章を読んでいれば、読むスピードが速くなるのは当然です。しかしそれは「その」文章だけの読みとりスピードなので、決して英文そのものに対しての読み取りスピードが向上したわけではありません。勉強した気、英語が読めるようになった気、がするだけです。速読のトレーニングのためには、毎回違う文章をたくさん読むよう心がけていきましょう。

【まとめ】英語速読スキルは多読と語彙力強化で伸ばせる!

この記事では、英語の速読の練習方法や、そのコツについてお伝えしてきました。

まずは簡単な文章をたくさん、毎日読むこと。そして単語と単語が結びついてうまれる定型表現を見逃さずに「1語」として感覚的に捉えられるように、語彙を増やしていけると、飛躍的に「読む」スピードは上がっていきます。

英語を読み取るスピードが上がると、自然と英文を読む量が増えるもの。
そうなると面白いように英語力も上がっていきますよ。

正しいやり方で、しっかり速読力を鍛えていきましょう!